KongがAPI管理やサービスメッシュをマルチクラウドで統合するサービス「Kong Konnect」を発表:Kong Digital Summit 2020
Kongは、モノリシック/マイクロサービス、Kubernetes/仮想マシンと、多様なアプリケーション形態とオンプレミスやパブリッククラウドなど多様な稼働場所に対応し、API管理やサービスメッシュを一括制御できる「Kong Konnect」をプライベートβとしてリリースしたと発表した。
Kongは2020年10月7日(米国時間)、API管理やサービスメッシュを一括制御できる「Kong Konnect」をプライベートβとしてリリースしたと発表した。一般提供の開始は2021年の早い時期を予定している。
KongはオープンソースのAPIゲートウェイ「Kong Gateway」を開発し、商用版を提供してきた企業。その後Envoyを使ったオープンソースのサービスメッシュ「Kuma」を開発し、これに基づく「Kong Mesh」をリリースした。Kumaは現在、CNCF(Cloud Native Computing Foundation)にサンドボックスプロジェクトとしてホストされている。KubernetesプロジェクトのIngressゲートウェイを加えると、APIゲートウェイ、Ingressゲートウェイ、サービスメッシュと3種のランタイムをカバーできるようになっている。
新製品のKong Connectは、これらを統合的に制御できる機能を、関連ツール群とともにサービスとして提供する。
「企業におけるAPIマネジメントはトップダウンで行われてきた。Kong Connectでは開発者、アーキテクト、運用担当者が自ら使えるツールを提供する。開発者やアーキテクトは、後付けではなく開発時にAPI制御を容易に組み込めるようになる」と、Kong CEOのアウグスト・マリエッテイ氏は同社の年次イベント「Kong Summit 2020」で話した。
Kong Connectはモノリシック/マイクロサービス、Kubernetes/仮想マシンと、多様なアプリケーション形態に対応し、これらのAPI通信を統合的に制御できるという。また、オンプレミスやパブリッククラウドなど、アプリケーション/APIサービスの稼働場所を選ばず、これらにまたがった構成も容易にできるとする。
Kong Connectにおける中核的なツールは「Kong ServiceHub」。ここで企業内のさまざまな部署/チームによるアプリケーション/APIサービスをカタログ化し、相互に関連付けるなどしてポリシーを構築、これを一括管理できる。操作権限はユーザー/チームごとにきめ細かく設定できる。
KongはオープンソースのAPIデバッグ/テストツール、「Insomnia」を買収により取得しているが、このツールもServiceHubから起動して利用できる。
「Kong Developer Portal」というツールでは、開発者がAPIのドキュメントを行い、これを公開できる。
また、運用担当者は、「Kong Runtime Manager」により、Kong Gateway、Kubernetes Ingress、Kong Meshをさまざまな場所に導入する作業を自動化できるという。
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