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なぜ進まない? IT部門がDX推進できない3つの理由とは変わらない運用管理に終止符を

不確実性の高まる時代だからこそ、ビジネスを支えるITシステムには、より一層の「変化への対応力」が求められている。しかし、属人化した手作業中心の運用業務のままではITの俊敏性も柔軟性も得られず、安定運用すらままならない。ではどうすればよいのか。時間も工数もかからない運用業務の変革法を聞いた。

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10年前から変わらない「システム運用管理」の現実

 「不確実性の高まる時代」と言われ、目まぐるしく変化するビジネス環境。数年先はもとより数カ月先の変化を予測しながら素早く対応することすら非常に難しくなっている。こうした中、多くの企業が重視しているのが「変化への対応力」だ。経営目標に対して短いスパンでビジネスの仮説検証を繰り返し、いくつものシナリオの中から次の一手を見定め、迅速に対応していく必要がある。

 言うまでもなく、こうしたアプローチにはテクノロジーの活用が欠かせない。企業規模を問わずおよそ全てのビジネスをITが支えている今、スピード感を持った対応ができなければビジネスチャンスを逃してしまう。

 だが、要となるシステム基盤の運用現場では、こうした変化への対応力を発揮できているとは限らない。DX(デジタルトランスフォーメーション)を実現し、迅速なビジネス展開とそれをハンドリングする柔軟性の高い運用が求められていながら、大方は目前の課題や日々の作業に忙殺され、新しい取り組みをする余裕がないためだ。NECの櫛田慎哉氏(プラットフォームソリューション事業部 デジタルマーケティンググループ マネージャー)は、こう話す。

NEC プラットフォームソリューション事業部 デジタルマーケティンググループ マネージャー 櫛田慎哉氏
NEC プラットフォームソリューション事業部 デジタルマーケティンググループ マネージャー 櫛田慎哉氏

 「基幹システム、共通業務システム、情報系インフラのいずれも、高い運用業務の負担に悩まされているのが現実です。最近では、IT部門にDX推進を主導する役割が求められるものの、日々のインフラの運用管理などで手いっぱいなため、変革に向けたIT戦略の検討は進めにくい状況です。変化のスピードに追随できないということは企業にとっては死活問題ですが、特にリソースが限定的な中堅中小企業のIT部門にはこうした課題が多く残ったまま。このような状況をNECは重要な課題と捉えており、企業の存続と成長にどう貢献して行けるのかを考えています」

 DXを推進するためには、経営目標に沿ったITロードマップやシステム改修計画を策定、実施する「コア業務」が求められる。しかし、NECの調査でも、既存システムの運用管理という「ノンコア業務」に8割超のリソースが割かれる傾向は10年以上変わっていないという。「この比率を変えていくことが重要です」と櫛田氏は強調する。

変わりたいのに変われない「運用負荷」の真因は

 では、運用業務で手いっぱいになる真因はどこにあるのか。櫛田氏は大きく3つの点を指摘する。1つ目は運用業務の多くが「手作業中心」であること。例えば、情報系インフラでは、検証、メンテナンスなどの「インフラ運用」、設備/ライセンス管理などの「資産管理」、PCセットアップなどの「人事/総務」で手作業中心の業務が多く、自動化を進めようにも定型/非定型の作業仕分けから始めなくてはならないため、多忙な担当者にとっては負担が大きく、検討が後回しになってしまう。

 2つ目は運用業務が「属人的」になりやすいこと。

 「特に中堅中小企業の情シス部門は、一人ないし数人や、兼任で対応しているいわゆる“ひとり情シス”なことが多く、常に人手不足でトラブルの際にはかかりっきりになることも。加えて、属人化された業務は経験がないとこなせないこともあり、簡単に引き継げるものでもありません。スキルやノウハウの継承ができない、継承する人がいないことは大きな要因となっています」

 3つ目は、トラブルなどへの「突発的な」対応が増えていること。これは、情報系インフラだけではなく、基幹システムや共通業務システムの運用でも起こっているという。

 「システムが複雑化することで、障害の原因特定や対処に時間がかかっています。また、DXの一環として開発、導入した新規アプリケーションやSaaSとの基幹システム連携なども増えており、予期せぬ事態が起こりやすくなっています。システム構成が変わるたびに、システムの監視や保守の在り方を継続的に改善していく必要がありますが、それができていないのが現状です」

ICTインフラ運用の自動化で属人的な作業からの脱却

 こうした運用課題を解消するために、NECが新たに提供開始したのがクラウド型のICTインフラ運用サービス「NEC ICT Management Service and Technology」(以下、MAST)だ。MASTは、ユーザー企業ごとに機器情報や運用情報を収集し、クラウドでシステムの一元的な運用管理を支援するICTインフラ運用サービスだ。

NEC ICT Management Service and Technologyのコンセプト。IT部門が新たな取り組みに集中するための「余白」を生み出す(提供:NEC)
NEC ICT Management Service and Technologyのコンセプト。IT部門が新たな取り組みに集中するための「余白」を生み出す(提供:NEC)

 「NECが長年蓄積してきたシステム導入や運用支援、サポート対応の実績、知見、テクノロジーを活用し、運用業務を自動化、省力化するクラウドサービスです。手作業中心で、属人的、突発的になりやすい運用業務から脱却し、IT部門のワークスタイルを効率化することで、『新たな取り組みに集中するための余白』を生み出すことを目指しています」

 近年では、複数のベンダーがクラウド型ITインフラサービスを提供しているが、それらと大きく違うのはMASTの特徴である、NECが保有するノウハウや実績、技術の蓄積にある。

 NECには、大企業や中堅中小企業における運用支援実績、NECグループ内でのPC運用実績、長年にわたるサポート対応実績などが豊富にある。MASTはそうした知見を基に、リモートで安全に運用できる環境をサービスに包括。利用に当たっては、企業の拠点やデータセンターに専用エッジサーバを導入するだけで、さまざまな機器情報や運用情報を自動的に収集し、一元管理することができる。

サービスの仕組み。オンプレミス環境に専用のエッジサーバを導入するだけで、運用業務の標準化、自動化が可能だ(提供:NEC)
サービスの仕組み。オンプレミス環境に専用のエッジサーバを導入するだけで、運用業務の標準化、自動化が可能だ(提供:NEC)

 「オンプレミスに設置した専用エッジサーバには、ICT機器の見える化機能や機器監視センサー機能が備わっています。各種システム/機器から収集したデータをクラウドで一元管理しますが、業務データ自体はエッジサーバ内に保存、管理します。クラウドに出せない設計や診療などに関わる重要情報はお客さまの環境で確実に保管しながら、機器の監視通報やリモートによる運用管理、制御、データ収集/分析、Windows 10パッチ管理などはクラウド上で実現するといった仕組みです」

 「安定運用のためには、どのような機器データを集め、どのように監視、対応すればよいか」といった運用管理者の悩みも、同社の経験や知見を標準化したテンプレートが解決に導くだろう。NECが示すポリシーを基に、各種運用業務の標準化、自動化だけでなく、突発的なトラブルへの迅速かつ確実な対処も実現する。管理対象のマシンはマルチベンダーに対応しているため、機器を選ばず一元的な管理が可能だ。前述のように、業務データを顧客サイトのエッジサーバで管理することでセキュリティを確保できることもポイントだ。

「継続的な運用改善」を実現 IT部門のリソースをDXへシフト

 そして、MASTを利用する最大のメリットは「継続的な運用改善の自動化」を実現できることにあるという。よくあるクラウド型IT運用サービスには、クラウドが提供する標準的な運用スタイルに運用業務を合わせるタイプと、テンプレートをカスタマイズしながら既存の運用業務にサービスを合わせるタイプがある。いずれの場合も導入には準備作業が発生する他、運用プロセスを改善、変更する際にも時間と工数がかかる。

 「しかしMASTでは、サービスを導入するために既存業務を見直したり、テンプレートをカスタマイズしたりする必要がありません。専用エッジサーバを導入するだけで、お客さまのIT環境の見える化からデータ分析に基づいた継続的な運用プロセスの自動化を実施します。導入検討の工数をかけず、お客さま環境に合わせて段階的に運用改善や効率化を実現できます。『MASTを導入してから運用業務を改善検討する手間がほとんど必要なくなった』とお客さまから評価をいただいています」

ICT環境を可視化することで、属人化などによるシステムのブラックボックス化を抑制する他、運用業務の標準化、突発的な障害への対応などを包括支援する(提供:NEC)
ICT環境を可視化することで、属人化などによるシステムのブラックボックス化を抑制する他、運用業務の標準化、突発的な障害への対応などを包括支援する(提供:NEC)

 ある流通企業では、建物内にある機器を毎日点検する手間が負担になっていたという。リモート管理の仕組みもないため障害発生時の復旧時間が長期化し、特にコロナ禍では現場調査の負荷が大きかった。情報システム担当者は兼任のため負荷軽減も課題だった。そこでMASTを導入した結果、日々の点検作業を自動化でき、トラブル時の復旧対応時間も大幅に短縮できた。

 「自動ヘルスチェックや監視通報といった業務はNECが担い、お客さまに代わってクラウド上で行います。お客さまはWebで提供される管理画面を見るだけで状態を確認できるようになり、障害発生時の半自動化も可能になりました。これにより機器の運用管理業務は約50%に効率化され、『新たな取り組みに集中するための余白』を生み出すことに繋げられたと感じています」

情報システム部門のワークスタイル変革への第一歩を支援

 このような「継続的な運用改善の自動化」を実現するために、MASTでは現在4つのサービスを提供している。“手作業中心”になりがちなサーバの運用、保守を効率化する「サーバリソースサービス」、“突発的”な障害発生時の工数を削減する「ICT機器監視通報サービス」、“属人的”な対応が多いパッチの選定、承認、配信作業などを軽減する「Windows 10パッチ管理サービス」、PCライフサイクル管理工数を削減する「PC月額利用サービス」だ。

 「IT部門のインフラ運用に関わる業務のデジタル化支援から開始していますが、今後はセキュリティ対応やマイグレーション向けメニューも順次拡充していく予定です。さらなるビジネス環境の変化にも対応し、企業の発展、成長に必要となるDX化を支援するサービスも強化を予定しています。ぜひともNECのICTインフラ運用サービス『NEC ICT Management Service and Technology』を利用して、長年の課題であった属人的な運用管理から脱却し、新たなチャレンジへの“余白”を作り、DX戦略立案などのコア業務中心にシフトするワークスタイル変革を実現いただきたいと思います」

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提供:日本電気株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2021年9月16日

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