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PolyBaseのノード状態やパフォーマンスに関する情報を出力するSQL Server動的管理ビューレファレンス(44)

「Microsoft SQL Server」が稼働するデータベースシステムを運用する管理者に向け、「動的管理ビュー」の活用を軸にしたトラブル対策のためのノウハウを紹介していきます。今回は、PolyBaseのノード状態やパフォーマンスに関する情報の出力について解説します。

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SQL Server動的管理ビュー一覧

 本連載では、「Microsoft SQL Server(以下、SQL Server)」で使用可能な動的管理ビューについて、動作概要や出力内容などを紹介していきます。今回は動的管理ビュー「sys.dm_exec_compute_node_status」における、「PolyBase」のノード状態やパフォーマンスに関する情報の出力について解説します。対応バージョンは、SQL Server 2016以降です。

概要

 大規模データを効率的に処理することができる「Hadoop」に対して、SQL ServerはPolyBaseを使用して接続できます。しかし、大量のデータを処理するに当たり、単一のSQL Serverだけではボトルネックが発生し、想定したパフォーマンスがでないことがあります。

 PolyBaseをスケールアウトグループで構成すると並列で処理することができるため、パフォーマンスを向上させられます。「sys.dm_exec_compute_node_status」を実行すると、PolyBaseのノードの状態やパフォーマンスに関する情報を出力します。

出力内容

列名 データ型 説明
compute_node_id int ノードに関連付けられているID
process_id int PolyBaseのプロセスID
process_name nvarchar(255) ノードの論理名
allocated_memory bigint このノードで割り当てられたメモリの合計
available_memory bigint このノードで使用可能なメモリの合計数
process_cpu_usage bigint プロセスの総CPU使用率
total_cpu_usage bigint 合計のCPU使用率
thread_count bigint このノードで使用しているスレッドの合計数
handle_count bigint このノードで使用中のハンドルの合計数
total_elapsed_time bigint システムの起動または再起動からの経過時間
is_available bit このノードが使用できるかどうかを示すフラグ
sent_time datetime 最後に送信したネットワークパッケージの日時
received_time datetime 最後に受信したネットワークパッケージの日時
error_id nvarchar(36) このノードで発生した最後のエラーID

動作例

 PolyBaseのスケールアウトグループを構成した環境で「sys.dm_exec_compute_node_status」を実行すると、ノードの状態やパフォーマンスに関する情報が出力されました(図1)。

図1
図1 PolyBaseのスケールアウトグループが構成されたノードの状態やパフォーマンス情報が出力された

 外部データに対する処理を実行すると、CPU使用時間や実行時間をノードごとに計測して出力できます。「compute_node_id」列を、この後紹介する「sys.dm_exec_compute_notes」の動的管理ビューと結合することで、マシン名などを特定できます。なお、SQL Serverや「SQL Server PolyBase Data Movement」サービスが起動していない場合は「is_available」列が「0」になるのではなく、行自体が表示されなくなります。また、SQL Server PolyBaseエンジンサービスなどが起動している「HEAD」ノードが停止している場合は、「sys.dm_exec_compute_node_status」はエラー終了します。

※本Tipsは、「Windows Server 2019」上に「SQL Server 2019 RC1」をインストールした環境を想定して解説しています。

筆者紹介

椎名 武史(しいな たけし)

日本ユニシス株式会社所属。Microsoft MVP for Data Platform(2017〜)。入社以来 SQL Serverの評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。SQL Serverのトラブル対応で社長賞の表彰を受けた経験も持つ。休日は学生時代の仲間と市民駅伝に参加し、銭湯で汗を流してから飲み会へと流れる。

伊東 敏章(いとう としあき)

日本ユニシス株式会社所属。入社以来SQL Server一筋で評価/設計/構築/教育などに携わりながらも、主にサポート業務に従事。社内のプログラミングコンテストで4回の優勝経験も持つ。趣味は輪行で週末は自転車を持っての旅行。目標は色々な日本百選を制覇すること。


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