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Google CloudがPostgreSQL互換DBのAlloyDBを発表、OracleやDb2、SQL Serverからの移行を狙うOLTP性能は通常のPostgreSQLの4倍

Google Cloudは2022年5月11日(米国時間)、フルマネージドなPostgreSQLデータベースサービス、「AlloyDB for PostgreSQL」を発表した。自社のクラウドインフラを生かして高いパフォーマンスと可用性を実現。PostgreSQLと完全互換で既存データベースからの移行を促進する。

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 Google Cloudは2022年5月11日(米国時間)、フルマネージドなPostgreSQL互換データベースサービス、「AlloyDB for PostgreSQL」を発表し、日本でも5月22日に説明した。このサービスで、Google CloudはOracle、SQL Server、Db2など、独自アーキテクチャのリレーショナルデータベース(RDB)から、オープンソースの代表的なRDBへの移行を主なテーマとしている。

 PostgreSQL互換のインタフェースをうたうクラウドデータベースは多い。AlloyDBはこれらと異なり、PostgreSQLのコードを使っているため「完全互換」。これにより、既存のリレーショナルデータベースを使ったアプリケーションを移行できるとする。

 AlloyDBはPostgreSQLをクラウド上でホストするだけのサービスではない。PostgreSQLのカーネルに変更を加え、Google Cloudのインフラとの統合度を高めるなどで、パフォーマンスと可用性を向上している。

 OLTP性能は、AWSのAurora PostgreSQLの2倍、通常のPostgreSQLの4倍に達する。分析クエリの速度は、通常のPostgreSQLの最大100倍だという。可用性はメンテナンス時間を含めて99.99%としている。


 AlloyDBは演算とストレージエンジンを分離していて、それぞれが独立してスケールする。

 ストレージエンジンは同一リージョンの複数ゾーンで共有でき、データの複製作業なしに、プライマリとレプリカ、読み取りノードを別のゾーンで稼働できる。データの複製なしに、レプリカを最大20台構築できるという。

 プライマリはログを書き込むことに徹する点も、高速化につながる。読み取りノードでは、DRAMキャッシュ上で機械学習を生かし、行形式のデータを列形式に変換することが、分析クエリの高速化に貢献する。

 Google Cloudはライセンス慣習や料金の点でのメリットも強調している。オンプレミスで運用する独自アーキテクチャデータベースではライセンス料金がかかるほか、複雑なライセンス方式や監査などに悩まされることがあるが、AlloyDBではもちろんライセンス料金がかからない。

 一方、クラウドデータベースでは、利用コストの中でストレージI/O料金が占める比率が大きい。そのストレージI/O料金が月ごとに大きく変動することが、企業のIT部門を悩ませているとする。AlloyDBではストレージI/Oに課金をしない。このため、料金の大きな変動を嫌う企業にも導入しやすくなっているという。

 Google Cloudでは、同社のデータベースサービスへの移行を促進するため、2つの施策を発表している。

 一つは「データベース移行サービス(Database Migration Service)」で、Oracle データベースのスキーマを PostgreSQLに変換し、サーバレスで移行できる。

 もう一つは 「データベース移行プログラム(Database Migration Program)」で、他クラウドを含めたデータベースのGoogle Cloudへの移行に関する計画策定からプロジェクトの実行までを支援する。一部費用を負担するケースもある。

 これら2つのプログラムをAlloyDBにも適用し、データベース移行を促進するという。

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