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絶え間ない障害対応、管理の複雑化、コスト削減――変わらず課題が多いストレージ運用の解決策とはクラウドの“運用しやすさ”をオンプレミスに

クラウドの活用は一般化したが、コストや障害対応などの課題もまたIT部門に重くのしかかっている。中でもクラウドでのストレージ利用は課金プランの複雑さもネックとなる。かといってオンプレミスを全面採用すると運用コストがかかる。クラウドの管理しやすさとオンプレミスの省コストを両立させるにはどうすればいいのだろうか。

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変わらず課題が多い、ストレージ運用

 クラウド活用が一般化した今も、ITインフラ運用の悩みは尽きない。むしろハイブリッドクラウド化やマルチクラウド化が進んだことで管理が複雑化し、常にどこかで障害が発生し、担当者は対応に追われている。にもかかわらず、予算は現状維持から削減の方針を強く言われ、身動きが取れなくなっているケースも見られる。

 中でもストレージは「オンプレミスとの併用を検討する企業が多い」と語るのは日本ヒューレット・パッカードの尾崎 亨氏(コアプラットフォーム事業統括 ストレージ製品本部、崎はたつさき)だ。


日本ヒューレット・パッカードの尾崎 亨氏

 「ストレージもパブリッククラウドを試す企業はありますが、データのダウンロードに課金されることなどが課題となります。クラウドは突発的なニーズに対応できる柔軟性の高さがメリットですが、データを保存し続けるストレージでは、このメリットをあまり生かせない場合も見受けられます。また、データはアクセス頻度でプライオリティが変わりますが、それに対応し切れない問題もあります。金額やパフォーマンスまで考えると、オンプレミスとの併用という結論になるのでしょう」

 特に、オンプレミスのストレージはSSDの採用が進み、手ごろな価格帯のオールフラッシュ製品が登場し、導入企業が増加。HDDと組み合わせることでさらに低価格を実現するハイブリッドフラッシュの採用も増えている。

 これらの背景の下、需要が増加しているオンプレミスのストレージにおける、絶え間ない障害対応、管理の複雑化、コスト削減をどうするかが問題となっているのだ。

クラウドの“運用しやすさ”をオンプレミスに

 「ストレージを含むインフラ運用については、これまでも多く議論され、ある程度理想形が見えてきました」(尾崎氏)

 そのポイントは3つ。まずはアプリケーションとインフラで分断するのではなく、全体での可視化を実現すること、そしてシンプル化と自動化を進めること、最後にクラウドの利用感、使い勝手の良さをオンプレミスでも実現することだ。この理想形をヒューレット・パッカード エンタープライズ(以下、HPE)ではかなり具現化しているという。

 その鍵を握るサービスの一つが「HPE InfoSight」(以下、InfoSight)だ。これはストレージやサーバといったHPE製品からセンサーデータを収集して分析、予測し、運用における推奨事項を提示するサービスで、無償で提供される。


HPE InfoSightの特長(提供:日本ヒューレット・パッカード)

 「InfoSightには10年間の実績があります。つまりインフラに関わる10年分のデータとその分析結果を大量に蓄積していることになります。これらに裏付けられた運用のベストプラクティスを提示できるため、単なるパフォーマンスの最適化にとどまらない一歩踏み込んだ効率化を実現します。そのため、アプリケーションやインフラを意識せずにシステムを最適化し、管理工数を限りなくゼロに近づけることが可能です。日本国内でも多く利用されており、顧客企業からは『InfoSightに対応したストレージやサーバが欲しい』と要望をいただくほどです」(尾崎氏)

 もう1つのサービスが、クラウド型管理コンソール「Data Services Cloud Console」(以下、DSCC)だ。

 これまで、オンプレミスのストレージは管理サーバを別途構築する必要があった。当然だが、管理サーバもセキュリティパッチ適用、ソフトウェア更新など各種メンテナンスが必要で、管理工数がかかる。新しいバージョンがリリースされてもタイムリーに適用できず、せっかくの新機能を使えないといったことも起きていた。

 そこで、この管理サーバに相当するものをSaaSとして提供するのがDSCCだ。管理サーバのメンテナンスが不要になり、常に最新の機能を利用できる他、インターネットを経由してどこからでも管理コンソールにアクセスできるメリットもある。まさにクラウドの便利さをオンプレミスの運用に展開している。


Data Services Cloud Consoleの特長(提供:日本ヒューレット・パッカード)

 「オンプレミスを選択したお客さまが、クラウドの便利さをリスクなく利用できるのがDSCCです。 お客さまからもメリットが大きいとご理解いただいています」(尾崎氏)

理想を実現するAlletraシリーズにハイブリッドモデルが登場

 これらのサービスのメリットを最大限に生かすストレージ製品として、HPEが展開しているのが「HPE Alletra」(以下、Alletra)シリーズだ。「特にDSCCはAlletraシリーズのリリースと併せてサービスを開始しており、両者を組み合わせることで、クラウドとオンプレミスの運用ギャップを解消します」(尾崎氏)

 AlletraシリーズはこれまでオールフラッシュのHPE Alletra 9000/HPE Alletra 6000を提供していたが、2022年9月にハイブリッドフラッシュのHPE Alletra 5000を提供開始した。「HPEは2017年にNimble Storageを統合し、Nimble製品の販売を開始しました。ちょうど5年ほどたち、当時導入した製品の置き換え需要が本格化しています。ハイブリッドフラッシュの最新製品の要望に応えるべくリリースしたのがHPE Alletra 5000であり、手ごろな価格で使えるミッドレンジストレージとして魅力のある製品になっています」(尾崎氏)

 HPE Alletra 5000はハイブリッドフラッシュでありながら、パフォーマンスが非常に良いことが特長。それを実現しているのが、Nimble Storageで実装されている「CASL」という仕組みを踏襲していることだ。これはデータを書き込む領域を高速なメモリであるNVDIMM、DRAMから、SSDで構成されるキャッシュおよびHDDまでを段階的に用意することで、高速な書き込み処理を実現するもの。またキャッシュのヒット率を高める機能も実装し、読み込み性能も高めている。

 「これらはNimble Storageにも実装されており、実績のあるアーキテクチャなので、安心してご利用いただけます」(尾崎氏)


HPE Alletra 5000の特長(提供:日本ヒューレット・パッカード)

検討ポイントが少なく、導入が圧倒的に容易

 Alletraシリーズは導入の容易さも際立つ。「HPE Alletra 6000で検証しましたが、導入や管理が本当に手軽でありながら、機能が多く、高水準なストレージだと実感しました」とSB C&Sの笠原規裕氏(ICT事業本部 ICT事業戦略・技術本部 技術統括部 第3技術部 2課)は語る。


SB C&Sの笠原規裕氏

 具体的には、導入時に考慮すべき点が少ないのだという。例えば、RAIDは1種類なので選択が不要であり、コントローラーも完全アクティブスタンバイなので検討が不要。さらに全ての機能が標準搭載なので、追加ライセンスなどを考慮する必要もない。ボリューム作成時にも、用意されているアプリケーションごとのポリシーを選択するだけで、ブロックサイズなどが最適に設定されたボリュームが完成する。また、スナップショット、データ圧縮などエンタープライズストレージに必要な機能がそろう他、「VMware vSphere」や他社製バックアップソフトウェアとの連携も可能だ。

 「耐障害性についても、コントローラー、ネットワーク、ディスクが冗長化され、単一障害点がないよう設計されている他、ディスクは同時に3本が故障してもデータが失われない堅牢(けんろう)性を保証しています。ディスクを抜いて、障害検証も実施しましたが、InfoSightからすぐに通知が来た上に、サポート担当からも連絡があり、運用管理の面でも安心できると感じました。DSCCについては、管理する際にインターネットにつながっている場所であればどこからでも管理、監視できることと、HPE製品の管理コンソール『HPE GreenLakeプラットフォーム』上で状況を確認できるためストレージ以外の製品と一緒に管理できることが便利だと感じています」(笠原氏)


Alletraシリーズの特長(提供:SB C&S)

 また、HPE Alletra 5000はNimble Storage HFモデルと同じ筐体を採用しているので、既にNimbleの製品を利用している場合コントローラーを交換するだけでHPE Alletra 5000への移行が完了する。導入も移行も簡単にできる点は大きなメリットだ。

“手の届く”ストレージとしてHPE Alletra 5000への期待は大きい

 これまでもHPEのストレージ製品を多く扱ってきたSB C&Sでは、Alletraシリーズにも大きな期待を寄せている。

 SB C&Sの岩本拓海氏(ICT事業本部 システム基盤推進本部 プラットフォーム推進統括部 マーケティング部 1課)は「HPE Alletra5000の登場は今後のマーケットをどう動かしていくのか、非常に興味があります。オールフラッシュモデルのHPE Alletra 9000やHPE Alletra 6000はどうしても予算の都合で諦めざるを得ないお客さまもいましたが、HPE Alletra 5000はこういったニーズにも応えられます。Nimbleシリーズも弊社では多数販売してきましたが、4年間の弊社出荷台数の7割をハイブリッドモデルが占めています。HPE Alletra 5000はまさにこのボリュームゾーンを狙った製品が満を持して登場したという印象で、今後問い合わせも大幅に増えるでしょう」と話す。


SB C&Sの岩本拓海氏

 InfoSightについても、活用しているSIerを交えたパネルディスカッション形式のウェビナーを開催した。SIerは「故障してから通知が来るのではなく、実際に予兆を検知した時点で通知があり、不具合の対応をトラブルなくスムーズに行えた」点を評価していたという。「HPE Nimbleシリーズは地方公共団体でも導入が進んでいますが、その背景にもInfoSightという運用管理ツールへの高い評価があります。Alletra5000にもInfoSightが引き続き搭載されるということで、弊社も注目しています」(岩本氏)

 SB C&Sはその実績からHPEのアワード「Japan distributor of the year 2022」を受賞。前年に続き2年連続での受賞となった。

 「SB C&SではNimbleやAlletraだけでなくBTO(Build To Order)製品も扱っています。世界的な半導体不足による納期遅延が問題となっていますが、『HPE ProLiant MicroServer Gen10 Plus』や『HPE ProLiant ML30』『HPE ProLiant DL360』などのBTO製品であれば、即納可能な在庫も多く確保しています。他にも業界を問わずトレンドであるAI活用のためにNVIDIA製品のGPUとHPE製品を組み合わせるといった複合的な提案も可能なので、お声掛けください」(岩本氏)

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提供:日本ヒューレット・パッカード合同会社、SB C&S株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2022年11月10日

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