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Amazon Redshiftに無償のデータローダーを提供、Informaticaの狙いとは最高製品責任者に聞いた

Informaticaが無償のデータ取り込みツールなど、複数の同社製品とAWSのデータ関連サービスとのインテグレーションを発表した。こうした発表の背景について、最高製品責任者のジテッシュ・ガイ氏に聞いた。

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 Amazon Web Services(AWS)とInformaticaは2022年11月末、AWS re:Invent 2022で、データウェアハウスの「Amazon Redshift」からInformaticaのデータ取り込みツール「Informatica Data Loader」が統合的に使えるようになったことを発表した。

 Data Loaderは「3クリックでデータの取り込みができる」ことをうたうツール。さまざまなデータソースへのコネクターが用意され、エキスパートでなくてもデータ活用ができるという。RedshiftのメニューにData Loaderが組み込まれ、即座に利用できる。

 また、Informaticaは「Informatica INFAcore」というツールが「Amazon SageMaker Studio」をサポートしたことも発表した。INFAcoreは、機械学習のためのデータパイプライン構築ツールで、数千行のコードが必要な作業を単一の関数にまとめられるという。さまざまな機械学習用の統合開発基盤(IDE)のプラグインとして使えるもので、今回SagaMaker Studioから透過的に利用できるようになったという。

 さらに、Informaticaのデータマーケットプレース機能とAWSの「AWS Data Exchange」の統合的な利用ができるようになった。

 Informaticaの狙いを、最高製品責任者のジテッシュ・ガイ(Jitesh Ghai)氏に聞いた。

 Informaticaは、さまざまなデータ管理機能を包括的に提供するベンダーとして知られてきた。その製品群を再構築し、2021年には「業界初の、AI(人工知能)を活用した包括的なデータ管理(クラウド)ソリューション」として「Intelligent Data Management Cloud」を発表。データカタログ、データ/API統合、データ品質管理、マスターデータ管理(MDM)、データガバナンス、データマーケットプレースといった機能をSaaSとして推進している。

 「以前はオンプレミス用の買い切りソフトウェアを提供する会社だった。だが6年をかけて製品を完全に再設計し、クラウドファーストでクラウドネイティブな企業に生まれ変わった」(ガイ氏)

 クラウド化することで、基本的にはあらゆるデータソースをさまざまなデータ分析プラットフォームにつなげられるようになった。

 「データはクラウドで生まれ、クラウドで分析されるようになった。SalesforceなどのデータをAWSなどのクラウドで簡単に分析できることが重要だ」(ガイ氏)。一方で、企業にはさまざまなオンプレミスのデータソースが存在し、これらを扱えることもInformaticaの重要な特徴だという。

 さまざまなデータソースと分析基盤を結びつけるだけでなく、分析基盤から透過的に使えることも重視している、とガイ氏は話す。


Informaticaのジテッシュ・ガイ氏

 今回はAWSのデータ関連製品とData LoaderやINFAcoreの統合を発表したが、「Google BigQuery」「Azure Synapse」「Snowflake」「Databricks」などとも同様の取り組みを進めているという。

 「あらゆる分析基盤との統合を進め、ユーザーがどれを選択しても(その基盤から)ベストなデータ管理ができるような環境を実現する」(ガイ氏)

 ガイ氏は、企業におけるマルチクラウド化が進むほど、統一的なデータ管理が求められると強調する。

 「多くの顧客はクラウドの採用を進めており、ハイブリッドクラウド構成だ。大企業では事業部門ごとに別のハイパースケーラーを採用することも多い。そしてそれぞれがデータセンターを廃止し、クラウドでの分析への移行を進めている。また、アプリケーションはAzureで動かしているが、データサイエンスチームはGoogle Cloudの機械学習機能を好む場合もある。こうしたことによって、マルチクラウド化が進んでいる。だからこそ、組織はデータ統合、データ品質管理、データラングリング、MDM、データガバナンス、(複数事業部門間でデータを共有できる)データマーケットプレースなどの統合的なデータ管理をしたいと考えている。ハイパースケーラーはそれぞれデータ管理機能を備えているが、クラウドから独立し、中立的で包括的なデータ管理機能で、クラウドを補完していくつもりだ」

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