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Red Hat OpenShiftをオムロンが採用、コンテナアプリケーションから産業用制御機器をリモートで操作2025年には本格展開へ

Red Hatはグローバルで、オムロンによるRed Hat OpenShiftの採用を発表した。OpenShift上のコンテナアプリケーションから産業用制御機器を操作する事例は、今回が世界初だという。日本法人のレッドハットはこの事例を活用し、国内のOTおよびエッジの世界への取り組みを強める。

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 オムロンが産業用制御で、Red Hatのコンテナ基盤「Red Hat OpenShift」を採用した。Red Hatは2023年2月27日(日本時間)、バルセロナで開催中のMobile World Congress 2023で、これをグローバルに発表し、デモを見せた。OpenShift上のコンテナアプリケーションから産業用制御機器を操作する事例は、今回が世界初だという。


Red HatによるOT/エッジ対応の概念図

 オムロンは、同社が開発中の「仮想化制御プラットフォーム」でOpenShiftを採用した。既存顧客を中心に、OpenShiftを利用した同プラットフォームのPoC(概念検証)提案を始めたという。2025年には、本格稼働とグローバル展開を目指す。

 オムロンの仮想化制御プラットフォームでは、生産現場における制御システムのソフトウェア化を進める。多数のPLCで構築されてきた産業用機器の制御を、単一あるいは少数の産業用PCで動かすソフトウェアPLCで置き換えることにより、商品サイクルの短期化や、商品開発から提供までのプロセスの高速化ニーズに対応する。

 「生産ラインの構築では、顧客の要求ごとに開発したファームウェアを搭載するハードウェアを複数台設置する必要があり、ネットワーク配線も複雑なため、 初期構築や組み替えには多くの時間がかかっていた。(今回のソリューションでは)各機能をソフトウェアとして実装してコンテナ化し、複数の機能のソフトウェアを内蔵した1台の産業用PCから複数のデバイスを制御する。これによってシステムがシンプルになり、工場のアジリティと柔軟性が向上する」と、オムロンを代弁してレッドハットの森須高志氏(テクニカルセールス本部エコシステムソリューションアーキテクト部シニアソリューションアーキテクト)は説明した。

 今回のソリューションでは、工場内に設置したオムロンの産業用PC上でフル機能のOpenShiftを稼働、この上でコンテナアプリケーションとして制御プログラムを動かす。

 クローズドの環境で運用されている制御プログラムを仮想化することで、ユーザーは工場内のデータを外に出すことなくコンテナ化のメリットを享受できる。

 「コンテナオーケストレーションシステム (OpenShift)ではプログラムをPod単位で管理できる。製造ラインでは『段取り替え』と呼ばれるラインの組み替え作業が発生するが、その際にOpenShift上でPodを入れ替えるだけで自動的に制御機器の動作を変更できる」(レッドハット)。これにより組み替えの時間と手間を短縮できる。

 MWCにおけるPoCのデモでは、これを紹介しているという。

 なお、エッジ向けのOpenShiftには、2023年1月に開発者プレビュー版がリリースされた「Red Hat Device Edge」があるが、今回のPoCではフル機能のOpenShiftを使っている。

 オムロンは顧客のニーズに応じ、将来的にはRed Hat Device Edgeなどのリソース要求の少ないコンテナ基盤を、顧客ニーズに合わせて投入することも考えているという。

 レッドハットは、今回の協業をきっかけに、OT/エッジへの取り組みをさらに強化する。オムロンの取り組みを支援しながら、他のOT関連企業ともエコシステムを築いていきたいという。

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