「ガリバー」を運営するIDOMが採用したITエンジニア派遣というスタイル:必要なのは、自走し、成長するエンジニア
必要なポジションに必要なスキルを持つITエンジニアを最速で。フロントエンド/バックエンドの分業体制にマッチしたのは、フロントエンドに特化したスキルと自走力を身に付けたエンジニアだった。
近年、世界規模でサプライチェーンの再構築が図られ、新車を買おうにもいつ納車されるのか分からないという状況が続き、すぐに手に入る中古車の人気が高まっている。中古車買い取り販売の「ガリバー」をはじめ、さまざまな自動車関連サービスや専門店をそろえる「IDOM」(イドム)では、高まる市場ニーズに対応するため、各ブランドのWebサイトやシステムを強化している。
そんなIDOMが開発力を補強するために迎え入れたのは、「ラクスパートナーズ」で研修を終えたばかりの新人派遣エンジニアだった。
「ガリバー」をはじめとした複数ブランドや業務システムの開発を内製するIDOM
1994年に創業しガリバーを展開してきたガリバーインターナショナルは、2016年に社名をIDOMに変更。従来の中古車買い取り事業に加え、月額定額クルマ乗り換え放題サービス「NOREL」、ファミリーカー専門店「スナップハウス」、輸入車専門店「LIBERALA」、車検専門店「Shake!」など、さまざまなニーズに対応する店舗を展開している。
同社は各ブランドのサービスサイトを展開する他、社内にも多数の業務システムを稼働させており、それらを開発するために社内に情報システム開発部門を置いている。こうした開発には、自社のITエンジニアだけでなく、パートナー企業のITエンジニアもさまざまな形で参加している。その1つがラクスパートナーズのITエンジニア派遣だ。
ラクスパートナーズのITエンジニア派遣サービスは、一般的な登録型派遣とは異なり、同社が正社員として採用したITエンジニアを派遣しているのが特長だ(常用型派遣)。前身となるITスクール事業で培ったノウハウを生かして、専門分野(Web、クラウド、機械学習、QA)に特化した研修をしている。
ラクスパートナーズからIDOMへは現在5人のITエンジニアが派遣されているが、最初は1人の新人ITエンジニアからスタートしたという。
スピーディーに必要なスキルを持つITエンジニアを確保できるラクスパートナーズのITエンジニア派遣
デジタル人材の不足は、どこの企業でも深刻な問題だ。加えて、開発プロジェクトはフェーズごとに必要とする開発力が変動するため、全てを自社の社員で担うのはいろいろな面で難しい。IDOMでIDOM Technology チームリーダーを務める上谷信太郎氏は次のように語る。
「開発力を動的に調整できれば、状況に応じてチームを組成できます。当社もSESや業務委託、派遣など、さまざまな形態で開発力を確保しています」(上谷氏)
同社は今までSES(準委任契約)や業務委託(請負契約)を中心に外部パートナーと提携してきたが、1年半前に初めて派遣契約でITエンジニアを迎えたという。
「SESや派遣は、業務委託に比べるとプロジェクト参画までのリードタイムが短いのが魅力です。ラクスパートナーズはスキルシートが詳しくて見やすいので、ピンポイントで必要なポジションのITエンジニアを獲得できるのもありがたいです。派遣契約は指揮命令権が当社にあるため、直接業務を指示できるのもいいですね」(上谷氏)
登録型の派遣とは異なり、全員が正社員であることもラクスパートナーズの特長だ。
「ラクスパートナーズの派遣エンジニアは、成長意欲が高いですね。自社での研修に加え、プロジェクト参画後も勉強を欠かさずスキルを高めることに熱心なため、成長に応じて新しいタスクやロールにチャレンジしてもらっています。そうすると、エンジニア自身もさらにできることを増やそうと前向きになってくれるようです。こうしてお互いに良い循環が生まれています。コミュニケーション能力や社会人としての適性も高いので、安心して仕事を任せられます」(上谷氏)
正社員であるため、改正派遣法の「派遣期間の制限」も適用されない。プロジェクトのフェーズに応じて短期間のサポートを依頼することも、腰を据えて長期間活躍してもらうことも可能なのが、ラクスパートナーズのITエンジニア派遣だ。
バックエンドとフロントエンドに分けた開発体制とフロントエンドに特化した教育を受けたエンジニアの出会い
IDOMはサービス開発をバックエンドとフロントエンドに分け、それぞれにエンジニアたちをアサインする方式を採っている。世の中にはフルスタックエンジニアを希望する企業も多いが、同社の場合は常に複数のサービスやシステムの開発を行っているため、担当範囲を集中させ、特化した技術を持つエンジニアを集めた方が人材確保の面でもサービスのクオリティーの面でも良い効果があるという思想からだ。
そして1年半前、とある主力サービスのフロントエンドエンジニアを探していたときに、求めているスキルにビタリと当てはまったのがラクスパートナーズの春日崇希氏だった。しかし春日氏は異業種からの転職組でエンジニアとしての経験はゼロだった。自社の開発チームに未経験者を迎え入れることは、相当な勇気が必要だったのではないだろうか。
「当社は社内の人材育成の一環として、チャレンジ申請のあった店舗スタッフを定期的にIT部門に迎えています。一定期間IT部門で仕事をしてもらった後、店舗に戻って現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)人材になってもらえることを期待した取り組みです。そうした素地があるので、未経験者の受け入れ自体は抵抗がありませんでした。そもそも違うのは、ラクスパートナーズの派遣エンジニアは、たとえ未経験でも事前にしっかりとした研修、教育を受けているということです」(上谷氏)
ラクスパートナーズは、入社後に3カ月間の研修を実施する。そのカリキュラムは、通常ならば1年あるいは2年かけて学ぶことを凝縮した濃いものだ。
しかも春日氏は、Webシステムのフロントエンド開発の技術に特化した教育を受けている。学習範囲を明確にすることで、3カ月という短い期間ながら即戦力として活躍できるエンジニアを育てて送り出せるのだ。
「春日さんは開発実務未経験と聞いていましたが、Reactについて研修でしっかり学んでいて、Next.jsを使った開発も問題なくこなし、Amazon Web Services(AWS)のLambdaの実装も手掛けられる。何より学習意欲が高く、周囲の開発者と遜色のない開発をしてくれています」(上谷氏)
紙とハンコの世界からエンジニアへ
現在IDOMでITエンジニアとして八面六臂(ろっぴ)の活躍をしている春日氏だが、前職は人材派遣会社の営業事務、学生時代の専攻もスポーツ健康学というITとは無縁の出自だ。
だが学生時代からITエンジニアという職業に興味があり、独学で学んだり、簡単なWebサイトを作ったりしてきたという。就職活動でもIT業界と人材業界で迷ったが、人材の有効活用という理念に興味を持って人材派遣会社を選択。だが、そこはあまりにもアナログな世界だった。
「まったくデジタル化されていない紙とハンコの世界。そこで紙の業務がいかに無駄かを実感し、価値を改善してリソースを有効に活用するエンジニアの方が世の中への貢献度が高いと思い直し、エンジニアになろうと決意しました」(春日氏)
そしてラクスパートナーズで3カ月間の研修を受けた。
「以前からPCに親しんでいたので、研修も余裕でついていけるだろうと思っていたのですが、実際はかなりキツかったです」(春日氏)
研修は、フロントエンドの技術に特化したもので、HTML/CSS、JavaScript、TypeScript、Vue.js、React.js、Next.js、Nuxt.js、Gitなど覚えることが盛りだくさんだ。しかし、同社の研修が「厳しい」といわれるのは、そうした技術の習得の部分だけではなかった。
前職はマニュアルベースの仕事が多く、「これをやったら次はこれ」と決まっていたが、ラクスパートナーズの研修は全く違った。2週間で最低限の知識を学び、チームで実際に開発を行うというローテーションが繰り返される。講義内容に加え、「自走すること」「チームで課題に取り組むこと」「能動的に学ぶこと」をたたき込まれた。
研修での失敗が大きな経験に
春日氏はReact.jsの研修で、自身の意識を改めねばならない事態を経験した。チームで開発を進める過程で「自分の知識の範囲を超えることを考えず、設計をないがしろにしてしまった」と振り返る。
「期限まで残り2日という段階で、データベースの設計が間違っていることに気が付きました。そのまま進めるのであれば、無理やりデータを整形して使うしかありません。事前にメンバー間でもっと相談していれば、そうしたクリティカルゾーンには至らなかったと思います」(春日氏)
講師にデータを整形して使ってもいいかを尋ねたところ、やり直しを命じられた。
「結局2日で作り直すことになりました。チームのリーダーだった責任もあり、何とかやり遂げました」(春日氏)
この研修を通じて、周囲との「報告、連絡、相談」をより一層意識するようになった。前職ではマニュアル業務が主だった春日氏はこの経験を通じて、教えてもらったこと以外にも学んでいく必要があること、そして学んだ範囲で何とかしようとするのではなく、自ら新しいことをキャッチアップしていく必要が大切であることも胸に刻んだ。このときの失敗は大きな経験となり、現場でも役立っている。
春日氏は、IDOMで幾つかのプロジェクトを担当してきた。現在は、PMとエンジニアの中間の立ち位置で、プロジェクトを円滑に推進していく役割として活躍することもあるという。チーム内の人と人とをつなげる役割だ。
「プロジェクトの中で、フロントエンドとバックエンドのすり合わせや、こういうふうに実装してほしいといったことをチーム内に伝える役割も積極的に務めています。研修や実践で学んできたことを糧に、エンジニアとしてより成長していきたいです」(春日氏)
春日氏の活躍もあり、IDOMは現在、ラクスパートナーズからさらに4人の派遣エンジニアを迎え入れている。後輩たちも最初は春日氏がコードレビューなどを担当したが、既に独り立ちしてそれぞれに活躍しており、IDOMにとってなくてはならない存在になっている。
未経験でも経験者以上のスキルや意識を持って仕事に取り組み、現場で多くのノウハウをどん欲に吸収し、めきめきと成長していくラクスパートナーズの派遣エンジニアたち。エンジニアの採用に課題を抱えている担当者は、ラクスパートナーズのITエンジニア派遣サービスを検討してみてほしい。
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提供:株式会社ラクスパートナーズ
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部/掲載内容有効期限:2023年4月14日