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組織的な取り組みがカギとなるクラウドコストの最適化、誰が何をどうやればいいかFinOpsに学ぶクラウドコスト最適化の体系的アプローチ(2)(1/3 ページ)

クラウドコストを減らそうと、やみくもに現場へコスト削減の圧力をかけるだけでは、現場もやる気がそがれ、建設的な活動につながりません。継続的に最適化していくには、組織的な取り組みが不可欠です。第2回は昨今注目が高まりつつある「FinOps」について、「いつ」「誰が」「どのように」取り組むのか、FinOps認定プラクティショナーが解説します。

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クラウドコスト最適化の考え方 「FinOps」登場の背景

 第1回では、クラウドコストの「ムダ」が生まれがちなポイントと基本的なコスト削減手法を紹介し、クラウドの世界では「オンプレミスの計画経済的なコスト管理アプローチ」から「走りながら最適化していくアプローチ」へのシフトチェンジが必要とされることを解説しました。

 これを効果的に実践していくには、現場のIT担当者個人の努力に頼るだけではなく、組織的な取り組みの仕組みが重要になります。

 「クラウドの使い方が刻々と増減する中で、どのように継続的に取り組むのか」「一過性の『コスト削減』から、事業の成長に合わせたコストの『最適化』としていくにはどうするのか」――。このような課題に対して、昨今注目を集めているのが、クラウドコスト最適化の考え方、「FinOps」(フィンオプス)です。

 読者の皆さんは、開発(Development)と運用(Operations)の混成語である「DevOps」(デブオプス)をご存じのことでしょう。新たな機能の追加を担う開発チームと、安定稼働を担う運用チームは、その役割の違いから衝突しがちです。そこでDevOpsでは、組織文化を変革し、各種ツールも活用しながら互いに協調して事業価値を高め、安全・安心なITサービスを迅速に利用者に届けるための考え方をまとめています。

 これと同様にFinOpsでは、財務や調達チーム、開発や運用チームが協調しながらクラウドによる事業価値を最大化するための考え方をまとめています。

 これにより、変動するクラウドコストに対して「誰がいつどれだけ使ったのか」「それが妥当なのか」という財務面での説明責任を明確にし、「Q:品質」「C:コスト」「D:納期」のトレードオフ(二律背反的関係)を考慮しながら、クラウドコストの最適化を目指します。単なるコストの「削減」(reduction)ではなく、「最適化」(optimization)というのがポイントです。

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