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Microsoft、「Visual Studio Code」向けPython拡張機能の「June 2023」リリースを公開より高速にテストを実行可能に

Microsoftは、「Visual Studio Code」向けPython拡張機能の「June 2023」リリースを公開した。主な強化点は、単体テストやテストフレームワークのアーキテクチャ再設計、オーバーロード演算子のIntelliSenseサポート、Pylance拡張機能におけるインデックスファイル制限の追加だ。

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 Microsoftは2023年6月9日(米国時間、以後同)、コードエディタ「Visual Studio Code」(以下、VS Code)向けPython拡張機能の「June 2023」リリースを公開したと発表した。

 Python拡張機能は、Visual Studio Marketplaceからダウンロードするか、VS Codeの拡張機能ギャラリーから直接インストールできる。

 主な強化点は、単体テストやテストフレームワークのアーキテクチャ再設計、オーバーロード演算子のIntelliSenseサポート、Pylance拡張機能におけるインデックスファイル制限の追加だ。以下ではこれらの概要を紹介する。

単体テストやテストフレームワークのアーキテクチャ再設計

 Python拡張機能に含まれる単体テストやテストフレームワーク「pytest」の実行に関するアーキテクチャを再設計した。Microsoftは、新しいアーキテクチャにより高速で安定した体験を提供できるとしている。これは実験的な機能として実装されており、有効化するには、setting.json内で以下のように記述する必要がある。

{
  "python.experiments.optInto": ["pythonTestAdapter"]
}

 Microsoftは今後、新しいアーキテクチャを正式採用する予定だ。

オーバーロード演算子のIntelliSenseサポート

 Pylance拡張機能を通じて提供されるPythonのコード補完(IntelliSense)が、独自のオブジェクトやデータ型に対するオーバーロード演算子にも対応した。これにより、オーバロード演算子のコード補完、パラメーターに関する情報を提供する。

Pylance拡張機能におけるインデックスファイル制限の追加

 Pylance拡張機能に、インデックスファイル数の制限を設定する「python.analysis.userFileIndexingLimit」が追加された。非常に大きなプロジェクトを扱っている場合や、IntelliSenseのエクスペリエンスを向上させたい場合に有用だ(デフォルト値は2000)。

「専用ターミナルでのPythonファイル実行」はロールバック

 Microsoftは、ユーザーからのリクエストに基づき以下のような改善も加えている。

  • 依存ファイルにおける環境作成ボタンを無効化する実験的な設定の追加
  • 選択された環境でインストールされたパッケージの検出機能の追加
  • 関数における引数名のインレイヒントを有効にできる設定の追加

 一方、Microsoftは「June 2023」の中で「専用ターミナルでのPythonファイル実行」も紹介していたが、6月13日に、バグが確認されたことを受けて同機能をロールバック(取り消し)している。

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