「GPT-4」は結局、アプリケーション開発にどう役立つのか：ITエンジニアの働き方は変わる？

OpenAIが開発したChatGPTの進化が進む中、一部では「IT業界の未来」と指摘する人もいる。次世代の大規模言語モデルである「GPT-4」はアプリケーション開発、ITエンジニアの働き方をどう変えるのか。

[Paul Nashawaty，TechTarget]

　ChatGPTは、OpenAIが開発した「GPT」（Generative Pre-trained Transformer）モデルに基づく対話型アプリケーションだ。GPTを「IT業界の未来」と指摘する人もいる。

　ChatGPTで採用されている大規模言語モデル（LLM）の「GPT-3」は、物語、記事、ソースコードなどを自動生成する能力を業界に知らしめた。そして次世代のモデルとされる「GPT-4」は、人間からの返信とほとんど見分けがつけられないレベルで進化しており、急速に進化を続けているAI（人工知能）分野を象徴する存在となっている。

言語の壁が消える

　では、GPT-4はアプリケーション開発、ITエンジニアの働き方をどう変えるのか。まず、GPT-4の登場で、以下のような進化が期待されている。

• より優れた会話能力：人間と会話する能力を改善する
• クロスリンガル学習：文法構造が一致しない言語に対しても、一貫性のある翻訳を生成できるため、言語の壁を取り除くことができる
• 自然言語を理解する能力：入力された言語のトーンや辞書の定義に偏ることなく、文脈を理解できる
• 制御可能な文章生成能力：人間が自然言語の指示でAIを指導できるため、一貫性と人間らしい返答を維持しながらモデルの効率を改善できる

　アプリケーション開発スタックにGPT-4を加えることで、国際化対応や翻訳の困難さを最小限に押さえられるようになる。自己学習モデルにより強化されたカスタマーサポートを提供することもできるだろう。顧客からのさまざまなフィードバックや要求を整理した上で、適切なロードマップを提供したり、製品開発ライフサイクルをスムーズに進行させたりできる。

　GPT-4は、AIアプリケーションのイノベーションを加速させる。会話能力の向上、自然言語の深い理解により、人間と機械のコラボレーションレベルが向上し、業界のさまざまな分野でイノベーションが促進される可能性も秘めている。

　アプリケーション開発者にとっては、より価値の高い取り組みに注力できるようになる存在だ。IT業界は限られたリソースでさまざまな作業をこなす必要があるため、GPT-4のようなAIや自動化ツールを生かすことで、スキルのギャップを埋めることにもつながるだろう。