OracleをAzure上で直接動かすサービスを2社が発表、ExadataハードウェアもAzureで稼働:「Oracle Database@Azure」
OracleのデータベースをAzureクラウド上で動かすサービスを、OracleとMicrosoftが発表した。Azure OpenAI Serviceなどの生成AIサービスの利用も視野に入れている。
[2023/09/15 12:45 追加資料の公開に伴い、記事を一部修正しました]
OracleとMicrosoftは2023年9月14日(米国時間)、OracleのデータベースをMicrosoft Azureのデータセンターで動かす「Oracle Database@Azure」サービスを発表した。まず2024年の早い時期に、「Oracle Exadata Database Service」を米英独のリージョンでプレビュー版として提供開始する。その後他のサービスやリージョンを追加していくという。
発表のWebキャストに登場したOracleの会長兼CTO、ラリー・エリソン氏は「オンプレミスのデータは、大部分がクラウドに移行していない。新サービスはOracleデータベースのクラウド移行を加速する」と話した。一方、Microsoftの会長兼CEO、サティア・ナデラ氏は「データがあるからこそAIは存在する」とし、Azure OpenAI Serviceなど、Azure上のAIサービスを組み合わせられるメリットを強調した。
OracleとMicrosoftは既に共同で、Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上で動くOracleのデータベースに、Azureから高速接続できるサービスを提供している。今回のOracle Database@Azureではこれをさらに進め、Oracle DatabaseをAzure上のサービスにする。
「Oracle Cloud Infrastructure(OCI)上でOracle Databaseを動かし、これをAzureにデプロイする」とOracleは表現している。
「このサービスは、マルチクラウドにおける管理の不統一、ツールのサイロ化、購入プロセスの複雑さといった課題を排除すべく設計されている」(共同プレスリリース)
ExadataハードウェアをAzureデータセンターで稼働
Oracle Database@Azureの対象は「Oracle Exadata Database」 「Oracle Autonomous Database」 「Oracle Real Application Clusters(RAC)」の各サービス。Exadata関連ハードウェアをAzureのデータセンターにコロケーションして動かすことが、発表の大きなポイントになっている。
新サービスでは、データベースとネットワークの高パフォーマンス/低遅延、Azureによる統合管理、単一の仮想ネットワーク上にデータベースとアプリケーションを配置することによるセキュリティ強化、Azure上でのアプリケーション構築、こうしたアプリケーションにおける生成AIの活用などを実現するという。
新サービスはAzureポータルから、Azure Marketplaceを通じて購入できる。既存のOracleライセンスも活用できる。OCIの利用金額に応じて受け取れる「Oracle Support Rewards」の適用対象ともなっている。サービス料金の請求は、Azure側に一本化される。
オンプレミスからのデータベース移行もポータルで行えるという。Exadataデータベースの移行では、Azure仮想マシン/Azure Kubernetes Engine、Exadataのインフラをプロビジョニングし、次にアプリケーションとデータベースを移す。Oracleが確立した手順やツールを活用し、移行作業を自動化できる。ゼロダウンタイムでの移行も可能という。
Oracle Database@Azureのサポートは、2社が共同で行う。
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