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大規模な開発チームが導入を検討すべきDevOpsテクノロジーとは? SlashData「ハイパフォーマー」のDevOps専門家は16%、開発生産性を向上させるには

調査会社SlashDataは、用途や人気が異なる6つのDevOpsテクノロジーがソフトウェアデリバリーにどう影響を及ぼしているのか調査した結果を発表した。SlashDataは「大規模な開発チームが導入することで最大の効果を発揮できる」として3つのDevOpsテクノロジーを挙げている。

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 調査会社SlashDataは2024年6月27日(米国時間)、6つのDevOpsテクノロジーがソフトウェアデリバリーにどう影響を及ぼすのか調査した結果を発表した。同調査は、2023年第3四半期に実施された「State of the Developer Nation 25th Edition」で収集されたデータに基づいている。

 SlashDataは「DevOpsは重要だが、全てのDevOpsプラクティスが企業の状況に適しているとはいえない。無差別にDevOpsに取り組むとプロセスが過度に複雑になる可能性もある」と述べている。

DevOpsの専門家は、迅速にソフトウェアをデリバリーできているのか

 SlashDataは、開発者のソフトウェアデリバリーのパフォーマンスを明らかにするために、7820人のDevOps専門家を対象に、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスを示す指標であるDORA(DevOps Research and Assessment)メトリクスを使用して調査した。

項目 4ポイント(卓越) 3ポイント(良好) 2ポイント(発展途上) 1ポイント(要改善)
変更のリードタイム 1日未満 1日〜1週間 1週間〜1カ月 1カ月以上
デプロイ頻度 1日に複数回 1時間に1回〜1週間に1回 1週間に1回〜1カ月に1回 1カ月に1回未満
平均サービス復旧時間(MTRS) 1時間未満 1時間〜1日 1日〜1週間 1週間以上
変更失敗率(CFR) 15%以下 16〜30% 31〜45% 46%以上
DORAメトリクスの詳細 総合評価(4つの指標の合計点)に基づき、13〜16点をハイパフォーマー、8〜12点をミドルパフォーマー、4〜7点をローパフォーマーとして分類している
DevOps専門家のソフトウェアデリバリーパフォーマンス(n=7820) DevOps専門家の内、ハイパフォーマーは16%、ミドルパフォーマーは55%、ローパフォーマーは29%だった(提供:SlashData)
DevOps専門家のソフトウェアデリバリーパフォーマンス(n=7820) DevOps専門家の内、ハイパフォーマーは16%、ミドルパフォーマーは55%、ローパフォーマーは29%だった(提供:SlashData)

ソフトウェアデリバリーに影響を与えるDevOpsテクノロジーとは

 SlashDataは、小規模チーム(5人以下の開発者)、中規模チーム(6〜50人の開発者)、大規模チーム(51人以上の開発者)において、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスと用途や人気が異なる6つのDevOpsテクノロジーがどのように関連しているか調査した。

 調査対象としたのは「アジャイルプロジェクト管理ツール」「コラボレーション/ナレッジ共有ツール」「アプリケーションパフォーマンス監視(APM)/オブザーバビリティツール」「セルフホスト型CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)ツール」「マネージドCI/CDサービス」「インシデント管理」の6つだ。

 SlashDataは6つのDevOpsテクノロジーを導入することが、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスを向上させる確率(テクノロジーを使用しない場合と比較した確率比)にどう影響するかを、チームの規模ごとにモデル化した。モデル化の過程では、全てのモデルにおいて、開発者の経験レベル、地理的な場所、関与しているプロジェクトの種類などを考慮したという。

 調査結果のハイライトは以下の通り。

  • チームの規模に関わらず、アジャイルプロジェクト管理ツールの使用はソフトウェアデリバリーパフォーマンスを向上させる確率が高くなる
  • マネージドCI/CDサービスやセルフホスト型CI/CDツールの使用も、ソフトウェアデリバリーパフォーマンスを向上させる確率が高くなる
  • インシデント管理ツール、APM/オブザーバビリティツール、コラボレーション/ナレッジ共有ツールは、チームが大きいほどプラスの影響を与える。特に、開発者が50人以上の大規模チームでは、この効果が顕著に高くなる

 一方、インシデント管理ツールは小規模チームにおいて、生産性向上の確率をわずかに減少させることも分かったという。SlashDataは「開発者が5人以下のチームにおいて、インシデント管理ツールを必要とする場合、非常に複雑なプロジェクトに取り組んでいるか、ワークフローやサービスが過度に複雑化している可能性があるためだ。どちらの場合も、ソフトウェアデリバリーにより多くの時間が必要となる」と述べている。

DevOpsテクノロジーの採用がソフトウェアデリバリーパフォーマンスに与える影響 「アジャイルプロジェクト管理ツール」を使用した大規模チームは、ツールを採用していないチームよりも36%高い確率で高いパフォーマンスを実現することを示している(提供:SlashData) 
DevOpsテクノロジーの採用がソフトウェアデリバリーパフォーマンスに与える影響 「アジャイルプロジェクト管理ツール」を使用した大規模チームは、ツールを採用していないチームよりも36%高い確率で高いパフォーマンスを実現することを示している(提供:SlashData)

 「エンタープライズの開発チームは、インシデント管理ツール、APM/オブザーバビリティ、コラボレーション/ナレッジ共有ツールを導入することで最大の効果を発揮できる。これらを提供するソフトウェアベンダーは、ソフトウェアデリバリーのパフォーマンスにプラスの影響を与える可能性が高いことを強調すべきだ」と、SlashDataは述べている。

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