クラウドインフラの要件定義と設計を実際にやってみよう:架空事例で学ぶクラウドエンジニアのお仕事(2)(1/2 ページ)
クラウドインフラの要件定義と設計では、実際には何をやればいいのでしょうか。今回はこれについて解説します。また、実際に架空Webサービス「My-Stack Circle」の要件定義と設計を進めていきます。
クラウドエンジニアの仕事を、一から具体的に学ぶ本連載。今回は、クラウドインフラの要件定義・設計フェーズについて解説し、実際に架空Webサービス「My-Stack Circle」の要件定義と設計を進めていきます。インフラでは混同されがちな要件定義と設計ですが、それぞれどのようなプロセスを経て決まるのかを、架空事例で考えながら理解していきましょう。
クラウドインフラの要件定義
一般的にIT業界での要件定義は、必要な機能や要求条件を明確に定義する作業のことを指します。インフラにおいては、サービス側からの要求に基づき、どのようなインフラ環境にするかを決定する作業です。要件定義は、サービス側との齟齬(そご)をなくし、円滑に開発を進めるための重要なプロセスです。
要件定義は以下のステップで進みます。それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1:サービス側へのヒアリング
サービス側に対して必要な機能などの要望をヒアリングするステップです。ここでは、サービスの機能や目的、課題など、要件定義に必要な情報を収集します。サービス側の要求を正確に把握し、認識の齟齬をなくすことが重要なポイントです。
実際の案件では、以下のような情報をヒアリングします。
- サービスの目的と機能
- 想定ユーザー数やトラフィック数
- 想定コスト
- 個人情報の有無
- 運用方針(コンテンツ編集/デプロイ方法など)
ステップ2:インフラ要件への落とし込み
サービス側にヒアリングした内容を元に、どのようなインフラ環境を準備する必要があるかを、機能要件と非機能要件の2つの観点から落とし込んでいくステップです。機能要件はシステムが必要とする機能について、非機能要件は機能以外の要件を指します。インフラでは特に非機能要件部分が多く、重要視されています。
ステップ3:ドキュメント化とレビュー
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