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ヤオコー、サーバーワークスの支援でAWS内製開発力を強化伴走型支援サービス「クラウドシェルパ」を活用

既存システムのサイロ化解消、ガバナンス強化、コスト削減も実現。

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 サーバーワークスは2025年9月2日、埼玉県を中心に食品スーパーマーケットを展開するヤオコーに伴走型支援サービス「クラウドシェルパ」を提供、Amazon Web Services(AWS)を使った内製化を支援したと発表した。ヤオコーは内製開発力を強化できた他、既存システムのサイロ化解消、ガバナンス強化、コスト削減を実現したという。

 埼玉県を中心に195店舗(2025年3月末時点)のスーパーマーケットチェーンを展開するヤオコーは、デジタル活用の一環として以前からAWS活用を推進。しかし、多様なベンダーによる複数のシステムがAWS上で個別に構築・運用されていたため、システムのサイロ化、AWSアカウント管理の個別最適化などの課題が発生。全社横断でのガバナンス維持やコストコントロール、迅速なサービス開発が困難になっていた。

 これを受けてヤオコーは内製化を決断。「自社でハンドリング可能なAWS環境」を構築し、統合的なマルチアカウント管理基盤を整備することで、ガバナンス強化、コスト削減、柔軟なサービス開発を実現できる体制整備に着手。「AWSの高度な知見や、ヤオコーのカルチャーを深く理解する姿勢を評価」し、伴走パートナーとしてサーバーワークスを選定し、2024年4月に取り組みを開始した。

 まず、既存環境のアセスメントを通じて課題を可視化し、サーバーワークスのAWS 運用自動化サービス「Cloud Automator」を適用して、人的負荷をかけずにコスト削減を実現。その後、内製化に向けたAWS活用の標準ガイドラインを策定した上で、主に3つの施策を支援したという。

 1つはアカウント統制の強化。マルチアカウント環境を管理する「AWS Control Tower」、複数のAWSアカウントを一元管理する「AWS Organizations」を使った統合管理基盤を構築。IDアクセス管理「IAM Identity Center」による認証認可の統制、AWS環境のセキュリティ設定などを管理する「AWS Security Hub」を中心としたセキュリティ監視・監査を実装し、安全なガードレールを備えたマルチアカウント環境を実現した。

 2つ目はオブザーバビリティの向上。システム全体の稼働状況を統合的に監視・分析するため、オブザーバビリティ製品「New Relic」を導入。システム全体のインフラメトリクス、サービス間通信などの監視を実現した他、システム全体の状況を可視化するダッシュボードを構築。障害発生時の原因特定や担当者の明確化を容易にした。

 3つ目は運用の自動化。「Terraform」を使った環境構築において標準IaC(Infrastructure as Code)テンプレートを作成。コーディングルール、GitHubブランチ戦略を策定して運用プロセスを整備したCI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)環境を実現した。

 これらを通じてヤオコーの内製開発力は大幅に強化。「Amazon Connect」によるコールセンターシステムも自社で構築・改善できる体制を実現した。「Amazon EC2」のリソースの適切な停止、過剰なインスタンスタイプの変更など、継続的なコスト削減も図っているという。

 サーバーワークスはヤオコーへの伴走支援を今後も継続。「生成AI活用なども視野に入れ、事業やカルチャーを深く理解した客観的な視点から、さらなる成長に貢献していく」としている。

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