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ChatGPTやGeminiからClaudeへカンタンに移行できる? 新しい「メモリインポート機能」を試してみたHPかわさきの研究ノート

多くのチャットボットサービスにはユーザー情報を要約したメモリと呼ばれるものがあります。そして、Claudeでは他のサービスのメモリをカンタンにインポートできるようになったので、ちょっと試してみましたよ。

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かわさき

 どうもHPかわさきです。

 今回は小ネタです(今回も?)。ChatGPTやGeminiを使っている間に蓄積されたユーザー情報(「ですます調」が好きとか、「母さんみたいにいってくれ」とか、Python Loveとか)って、普通にしていると気付きませんが、チャットボットが返す答えを考えるときに重要な役割を担っているはずです。別のサービスに全くの新規として切り替えようと思ったら、そうした情報をもう一度、チャットボットに教え込まないといけないとしたら、なかなか切り替える気にはなりませんよね。でも、「Claudeならダイジョーブ」といいたいのかもしれませんね。そんな機能について見てみました。


ざっくりとまとめると?

  • メモリとはチャットボットと対話をしていく中で作られたユーザーに関する情報
  • それぞれのチャットボットサービスごとにメモリは存在する
  • 対話をよりパーソナルな体験にするためにメモリは使われる
  • Claudeに新たに移行しようというときには、他のサービスで作られたメモリが足かせになるかもしれない
  • そこで、他のサービスのメモリをClaudeにインポートできるようになった
  • メモリの移行はClaudeの[設定]画面で2ステップ(2回のコピペ)で行える
  • メモリは定期的に更新される。これは永続的な設定ではない点に注意
  • メモリ以外にはプロフィールなど、パーソナライズの方法は幾つかある
  • プロフィールとして入力した内容は永続的に参照されて、対話で使用されるので、絶対的な指示があれば、メモリにたよらずプロフィールとして指定するのがよい

メモリって?

 2026年3月初頭にClaudeは他のチャットボットからClaudeへの移行に役立つツールについてのリリース「Switch to Claude without starting over」を発表しています。

 この「Switch to Claude without starting over」というのを(いつもの通りの)テキトー訳すると「他のチャットボットで積み重ねてきたコンテキストを捨てることなくClaudeに移行しましょう」みたいな意味です。

 例えば、ChatGPTやGeminiなど、Claude以外のチャットボットを使ってきた中で作り上げられたユーザー個人についての情報(どんなスタイルの対話が好みか、名前や職業、好きな言語やフレームワークなど)を簡単な手順でClaudeにインポートできるようになりました。


かわさき

 メモリのインポートは無償ユーザーを含む全てのユーザーが使えます(以前はメモリ機能は無償ユーザーには開放されていませんでした)。対象はWeb版とClaude Desktopです。

 また、ドキュメントによれば、メモリのインポートはまだ実験的なものなので、今後変更される可能性があることにはご注意ください。


 このような情報のことを「メモリ」と呼び、対話の際にはメモリの内容も参考にしてチャットボットはユーザーへの応答を生成します。そうすることで、よりユーザーに寄り添った内容の対話ができるようになるのでしょう。筆者もClaudeと話していると「Deep Insiderの記事を書くなら……」みたいなことをよく言われます。これは筆者がそうした職業であること、Pythonのコードに興味があることなどの情報をメモリの形でClaudeが知っているからです(もしかしたら、メモリではなく何らかの指示やチャットの履歴かもしれませんが)。そして、このメモリと同様な機能は他のチャットボットサービスでも使われています。

 要するにメモリはユーザーとチャットボットの対話をよりパーソナルな体験にするための重要な要素の一つです。あるサービスを使い込んでいくうちに、そのユーザーについての情報が蓄積されていき、それに伴って対話もよりパーソナルなものになっていくため、あるチャットボットサービスから別のサービスに簡単には切り替えられなくなってしまうかもしれません。

 しかし、別のチャットボットサービスからClaudeへ乗り換えるときに、以前のチャットボットサービスで培ってきたメモリを活用できるのであれば、自分がどんな人間かをClaudeにまた何カ月もかけて教え込まずに済みます。それは今回リリースされたメモリのインポートをカンタンに行えるというのはそういう意味で重要ですし、他のサービスでも今後は同様な機能が搭載されることでしょう(なお、2026年3月4日の時点ではChatGPTやGeminiにはClaudeほど簡単にメモリをインポートする仕組みはまだないようです)。

メモリのインポート

 Claudeで他のチャットボットサービスのメモリをインポートするには[設定]画面に移動して、[機能]タブを選択します。

[設定]の[機能]タブ
[設定]の[機能]タブ

 上の画像に示したように、このタブには[インポートを開始]ボタンがあるので、これをクリックすると、次のようなダイアログが表示されます。

メモリをインポートするためのダイアログ
メモリをインポートするためのダイアログ

 ここでやることは2つあります。まず、上のテキストボックスに入力されているテキストをコピーして、他のチャットボットサービスの対話画面にペーストすることです。試しにChatGPTに入力してみましょう。

ChatGPTに筆者についてのメモリを書き出させたところ
ChatGPTに筆者についてのメモリを書き出させたところ

 こんな感じでメモリが吐き出されます。ここではせっかくなので、ChatGPTだけではなく、Gemini、Claudeにも同じプロンプトを貼り付けて、得られた3つの結果を(なぜか)ChatGPTに統合してもらい、最後に自分で不要な要素の削除などを行ったものをダイアログにペーストしました。いわば三位一体のようなものです(ウソ)。

3つのチャットボットサービスが考える「HPかわさき」像ともいえる何かをペーストしたところ
3つのチャットボットサービスが考える「HPかわさき」像ともいえる何かをペーストしたところ

 後は[記憶に追加]ボタンをクリックすれば、メモリが更新されて、Claudeに新たな「HPかわさき」というペルソナが生まれるというわけですね。

メモリを更新しているところ
メモリを更新しているところ

 更新にはちょっと時間がかかりますが、終わると次のようにペーストした内容がメモリとして構成されたものが表示されます。

メモリの内容が表示されたところ
メモリの内容が表示されたところ

 [Claudeがあなたについて学んだことを確認]ボタンをクリックすると、メモリの内容をかいつまんだものを表示してくれます。メモリの内容は[設定]画面の[機能]タブにある[チャットからの記憶]という部分をクリックすることでも参照可能です。

[チャットからの記憶]をクリックしてもメモリの内容を確認できる
[チャットからの記憶]をクリックしてもメモリの内容を確認できる

 というわけで、とてもカンタンに他のチャットボットサービスからClaudeへメモリをインポートすることができます。他のサービスでもこうした機能が提供されるようになれば、また別のサービスに出戻ることもカンタンでしょう。

 あと、メモリは再構成される際に恐らくClaudeによっても情報の取捨選択が行われるようです。メモリにある内容の全てが反映されるとは限らない点には注意してください(逆にペーストしたメモリにない内容が反映後のメモリにある可能性もあります)。


かわさき

 特に今のご時世は、ChatGPTからClaudeへの民族大移動が行われているような気がしますが、そのうち揺り戻しもあるかもしれません。というか、多くの人は複数のサービスを必要に応じて使っているのでしょうから、今回、筆者がしたようにメモリの一本化の一環としてインポート機能を使うのもアリだと思います。や、サービスごとに別のペルソナをかぶっているのであれば、それはそれでアリでしょうが。


メモリとパーソナライズ

 メモリはチャットボットとの対話で重要な役割を果たしますが、Claudeではパーソナライズという方法で対話の仕方を指定することも可能です(Web版とClaude Desktop。Claude CodeならCLAUDE.mdでより細やかな設定が可能ですが、ここでは省略します)。これには[設定]画面の[一般]タブで設定可能です。

[設定]画面の[一般]タブ
[設定]画面の[一般]タブ

 この画面では自分の名前やClaudeになんという名前で呼んでほしいかなどを指定できますが、重要なのは[Claudeが応答時に考慮すべき個人設定は何ですか?]という欄です。ここには「対話時には常にそうしてほしいこと」を記述します。

 重要なのはメモリの内容は定期的に更新されるけど、プロフィールは一度入力したものは変更しない限り、その内容は変わらない点です。長期間にわたってClaudeと対話していくうちにメモリの内容は変わっていきますが、プロフィールはそうではありません。その違いは認識しておいた方がよいでしょう。

 では、メモリにある内容とプロフィールの内容が衝突したらどうなるかというと、これはClaudeが適宜判断するようです。例えば、上の画面ではClaudeに「Shinji」と呼んでほしいとありますが、メモリを更新した後のチャットでは次のようになっています。

呼び方がプロフィールの指定と異なる
呼び方がプロフィールの指定と異なる

 これはメモリを優先した結果だと思われます。でも、そうではなくプロフィールが優先されることもあるかもしれません。そうしたところはClaudeとうまくやるしかないのでしょう。とはいえ、原則として「コレはこうしたい」というものがあれば、プロフィールに記述しておくことをオススメします。

 この他にもClaudeのプロジェクト単位での指示や[+]ボタンから選べる[スタイルを使用]メニューでもパーソナライズは可能ですが、ここでは触れずに終わることにします。興味のある方は調べてみてくださいね。

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