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Claude、Codex、Qwen……そのAI用語、どう読む? 読み方クイズ30問Deep Insider Brief ― 技術の“今”にひと言コメント(1/2 ページ)

何となくこう読むものだと思っていたら、実は違っていた。そんな経験はないでしょうか。AI用語にも、意外な読み方をするものや、人によって読み方が分かれるものが少なくありません。その読み方が合っているか、全30問のクイズで確かめてみてください。

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連載目次

 YouTubeで技術解説の動画を見ていると、自分が読んでいるのと違う読み方をしている人によく出会う。どちらが正しいのか分からないまま、なんとなく気になっていた。そこで、公式に従うとどう読むことになるのかを調べてみた、というのがこの記事である。

この記事の「正解」について

 各問の正解は1つ。開発元や日本法人が読み方を明言している場合はその読みを、明言が確認できない場合は日本語圏で最も多く使われている読みを正解とした。各問には次のタグを付けてある。

  • [公式の読み] 開発元・日本法人が読みを示している
  • [定着した読み] 公式の明言は確認できないが、日本語媒体でほぼ一致している
  • [最多の読み] 複数の読みが併存しており、正解はそのうち最も多いもの

 判定に当たっては公式サイト、公式SNS、公式ドキュメント、日本向けアプリストア、日本法人の登記情報まで当たっているが、それでも公式の言及を見つけられなかった語がある。公式の呼び名が設定されていないケースは多い。呼び方は自由という考え方もあるので、[定着した読み]や[最多の読み]で選んでいない他の読みが誤りというわけではないことに留意してほしい。


腕試し まずは有名な10語から

腕試しの10問。答えと解説は本文にある
腕試しの10問。答えと解説は本文にある

 この記事のクイズでは、オレンジ色のマスク部分をクリック/タップすると正解と解説が表示される(解説内のリンクを踏まないよう、マスクの先頭付近をクリックするのがお勧め)。

Q1 「Claude」は、どう読む? [定着した読み]

 1. クラウド 2. クロード

 正解と解説: 正解は2の「クロード」。Anthropicの日本語サイトやヘルプセンターは欧文の「Claude」で通しており、公式のカタカナ表記は確認できなかったが、日本語圏では「クロード」でほぼ一致している。フランス語圏の人名で、画家のクロード・モネと同じつづりである。情報理論のクロード・シャノンにちなむという説もあるが、Anthropicが公式に述べたものではない。

Q2 「Codex」は、どう読む? [定着した読み]

 1. コデックス 2. コードエックス 3. コーデックス

 正解と解説: 正解は3の「コーデックス」。OpenAIの日本語ページは欧文の「Codex」で通しており、読み方の明言は確認できなかったが、日本語圏では「コーデックス」でほぼ一致している。語源はラテン語のcodex(写本、法典)で、音声や映像を圧縮する「コーデック(codec)」とは別語である。

Q3 「Cursor」は、どう読む? [最多の読み]

 1. カーサー 2. カーソル 3. クルソル

 正解と解説: 正解は2の「カーソル」。Cursorには日本語の公式サイトがあるが、製品名は欧文のままで読み方の明言は確認できなかった。英語の発音は「カーサー」に近いが、日本語圏ではすでに一般語として定着している「カーソル」が使われる。

Q4 「Suno」は、どう読む? [公式の読み]

 1. スーノ 2. スノ 3. スノー

 正解と解説: 正解は1の「スーノ」。日本のApp Storeでの公式アプリ名が「Suno スーノ: AI音楽作成・作曲アプリ」となっている。日本語圏では「スノ」も広く使われており、初期のアプリ名は「スノー - AI音楽」だった。つまり公式表記そのものが途中で変わっている。

Q5 「Manus」は、どう読む? [公式の読み]

 1. マヌス 2. メイナス 3. マナス

 正解と解説: 正解は3の「マナス」。日本公式Xのアカウント名が「Manus 公式(マナス)」となっている。公式noteも「Manus (マナス) 日本公式note」と名乗っている。語源はラテン語のmanus(手)で、原語をたどると「マヌス」になるはずだが、公式が採用したのは英語発音寄りの「マナス」である。

Q6 「Dify」は、どう読む? [公式の読み]

 1. ディファイ 2. ディフィー 3. ディフィ

 正解と解説: 正解は2の「ディフィー」。Dify Japanの公式Xが2025年6月30日に、ブランドアップデートに伴って公式な読み方を「ディフィー」に統一したと回答している。つまりブランド更新までは「ディファイ」も通用していた。公式が途中で読みを決めた、珍しい例である。

Q7 「Grok」は、どう読む? [定着した読み]

 1. グローク 2. グロク 3. グロック

 正解と解説: 正解は3の「グロック」。SpaceXAI(旧xAI)による読み方の明言は確認できなかったが、日本語圏では「グロック」でほぼ一致している。語源はロバート・ハインラインのSF小説『異星の客』の造語で、「直感的に深く理解する」という意味である。半導体企業のGroq(LPUの開発元)も同じ「グロック」なので、話し言葉では混同しやすい。

Q8 「Qwen」は、どう読む? [定着した読み]

 1. チエンウェン 2. クウェン 3. キューウェン

 正解と解説: 正解は2の「クウェン」。Alibabaによる読み方の明言は確認できなかったが、日本語圏でカタカナを振る場合は「クウェン」でほぼ一致している。中国語の正式名称は「通義千問」で、原音は「チエンウェン」寄りになるが、英語圏で通用しているのは「クウェン」である。

Q9 「Gemini」は、どう読む? [公式の読み]

 1. ジェミニ 2. ジェミナイ 3. ジェマ

 正解と解説: 正解は1の「ジェミニ」。Google Japanの公式Xが2026年1月20日に「Gemini の日本語表記は『ジェミニ』です。これからもたくさん呼んであげてください」と投稿している。ただし2023年12月の発表動画では、Google DeepMindのデミス・ハサビスCEO自身が「ジェミナイ」と発音していた。英語ではジェミナイが標準で、双子座も英語では「ジェミナイ」である。

Q10 「Gemma」は、どう読む? [定着した読み]

 1. ジェンマ 2. ゲンマ 3. ジェマ

 正解と解説: 正解は3の「ジェマ」。Googleの日本語コンテンツは欧文の「Gemma」のままで、カタカナの明言は確認できなかったが、日本語圏では「ジェマ」でほぼ一致している。Google公式の開発者向けドキュメントは、ラテン語のgemma(宝石)に由来すると説明している。ちなみに古典ラテン語なら「ゲンマ」、イタリア語の女性名としては「ジェンマ」で、3つの選択肢はいずれも実在する読みである。

――ここまでは有名な10語だった。ここからは『Deep Insider Brief』恒例の“ひと言コメント”として、読み方に関する小話を挟む。その後すぐ、残る20問に進む。何問正解できるか、ぜひ試してみてほしい。


一色政彦

 Deep Insider編集長の一色です。こんにちは。筆者自身がこのクイズをやってみた結果、最初の10問は9問正解でした。皆さんはどうだったでしょうか?

 間違えたのはManusです。ずっと「マヌス」と読んでいましたが、どうやら筆者はラテン語使いだったようです(苦笑)。ちなみに「マナス」と聞いて『転生したらスライムだった件』に出てくる「神智核(マナス)」を思い出したのですが、あちらはサンスクリット語の「manas」(意・心)で、ラテン語の「manus」(手)とは別語源のようです。

 この記事を書いていて、TeX/LaTeXの読み方を思い出しました。筆者は昔、TeXを「テフ」、LaTeXを「ラテフ」と覚えましたが、「ラテック」や「ラテックス」もよく耳にします。TeXについては、考案者のドナルド・クヌース本人が『The TeXbook』の第1章で、その名は「technology」などにつながるギリシャ語の語根τεχにちなみ、末尾のXは英語の「x」ではなくギリシャ文字「χ」(カイ)を表すと説明しています。スコットランド語のlochやドイツ語のachのchのような音で、少なくとも英語のxのように「テックス」と読む想定ではありません。

 一方、TeXの上に作られたLaTeXでは、作者の姿勢が少し違います。レスリー・ランポートは自著で、発音は誰かが決めるものではなく、実際に使われる中で決まっていくものだから、自分では決めないとしています。「ラーテック」「ラテック」「レイテック」などを論理的な候補に挙げながら、「レイテックス」もあり得る、としています。TeXではクヌースが発音についてかなり具体的に説明したのに、LaTeXではランポートが一つに決めることを避けました。40年以上前から、名前の呼び方はかなり自由だったようです。

 こんな記事を出しておいてこう言うのもなんですが、筆者自身、読み方は好きに読めばいいと思っています。公式が決めていない語の方が多いのですから、他人の読み方を訂正する根拠は、たいていの場合ありません。この記事も「間違いを正す」ためではなく、「調べたら公式はこう言っていた」あるいは「こういう言い方が優勢みたい」を並べただけのものとして読んでいただければうれしいです。


 残りの20問は、AIモデル名、企業名、ツール名、技術用語、略語の5つに分けて出題する。

第1章 AIモデル名を読む

Q11 Claude Mythosの「Mythos」は、どう読む? [公式の読み]

 1. ミトス 2. ミュトス 3. マイソス

 正解と解説: 正解は2の「ミュトス」。Anthropicの国内広報代理店が報道機関に「カタカナでの正しい表記はミュトス」と通知している。古典ギリシャ語で「物語」「神話」を意味する「mythos」に由来し、日本語では学術用語として古くから「ミュトス」と音写されてきた語である。ただし英語の発音は「マイソス」に近く、公式のカタカナ表記とは離れている。

Q12 「Kimi」は、どう読む? [最多の読み]

 1. カイミ 2. キーミ 3. キミ

 正解と解説: 正解は3の「キミ」。Moonshot AIによる読み方の明言は確認できず、日本語媒体も欧文の「Kimi」で通していることが多いが、日本語圏では「キミ」が優勢である。創業者の英語名に由来するとされるが、開発元による説明は確認できなかった。

Q13 「Phi」は、どう読む? [定着した読み]

 1. ファイ 2. フィー 3. ピー

 正解と解説: 正解は1の「ファイ」。Microsoftによる読み方の明言は確認できなかったが、日本語圏では「ファイ」でほぼ一致しており、「Phi Silica」も「ファイシリカ」と読まれている。ギリシャ文字のφ(ファイ)に由来するとされるが、これも公式の断定は確認できていない。

Q14 「Llama」は、どう読む? [定着した読み]

 1. ラーマ 2. ラマ 3. ヤマ

 正解と解説: 正解は2の「ラマ」。Metaの日本語ニュースルームは欧文の「Llama」で、読み方の明言は確認できなかったが、日本語圏では「ラマ」でほぼ一致している。初代はLLaMAと表記され、Large Language Model Meta AIの頭字語である。なお動物のラマはスペイン語で「llama」と書き、現地では「ll」を「y」の音で読むため「ヤマ」に近い発音になる。

Q15 「Imagen」は、どう読む? [公式の読み]

 1. イメージェン 2. イマージェン 3. イマジェン

 正解と解説: 正解は3の「イマジェン」。Googleの公式noteが「画像生成 AI『Imagen(イマジェン)』」と書いている。英語のimageは「イミヂ」に近い音なので、英語として読んでも「イマジェン」寄りになる。日本語圏で見かける「イメージェン」は外来語の「イメージ」に引きずられた形、「イマージェン」は長音が入った形といえるだろう。

Q16 「Veo」は、どう読む? [公式の読み]

 1. ベオ 2. ヴェオ 3. ヴィオ

 正解と解説: 正解は1の「ベオ」。Googleの公式noteが「動画生成 AI『Veo(ベオ)』」と明記している。日本語圏では「ヴェオ」「ヴィオ」も見られるが、「ヴェオ」は「ベオ」と同じ音で、vを「ヴ」と書くかどうかの違いにすぎない。読みとして分かれるのは「ヴィオ」のほうで、こちらはつづりを英語風に読んだ形である。

中国系モデルの読み方

 日本語媒体を見ていると、中国系モデルはカタカナで書かれないことが多い。Alibabaの「Qwen(通義千問)」、Tencentの「Hunyuan(混元)」のように、欧文+漢字が基本である。

 ただしこれは表記の慣行にすぎず、読み方が存在しないという意味ではない。カタカナを振っている記事もあるし、そもそも口に出して話すときは読みが必要になる。

 口に出すなら、Qwenは「クウェン」、Kimiは「キミ」、Hunyuanは「フンユアン」でよい。「フンユエン」と表記している記事もある。中国語の発音には「フンユアン」よりも「フンユエン」の方が近い。


 ここまでで読み取れるのは、公式は英語の発音より、日本語での読みやすさを優先することがあるという点である。GeminiもClaude Mythosも、英語発音なら「ジェミナイ」「マイソス」だが、公式のカタカナは「ジェミニ」「ミュトス」だった。

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