「ただのアプリ」がroot権限を取得? macOSの脆弱性を研究者が実演:Appleが塞いだ“権限の壁”
macOSで動くアプリには、それぞれ与えられた権限の範囲がある。しかし、その境界を越えてroot権限に到達できる可能性のある脆弱性が見つかった。Appleが修正した問題を発見者が実演。何が“権限の壁”を崩したのか。
Appleは2026年7月27日(現地時間、以下同)、「macOS」の「Accounts」コンポーネントに存在したローカル権限昇格の脆弱(ぜいじゃく)性を修正したと公表した。対象は「macOS Sonoma」「macOS Sequoia」「macOS Tahoe」で、脆弱性にはCVE-2026-43749が割り当てられた。
この脆弱性を悪用すると、端末上で実行可能なアプリが、本来持っていないroot権限を取得する可能性がある。Appleは、ディレクトリパスの処理に関する問題に対し、パスの検証を強化することで対処した。
Appleが塞いだ“権限の壁” 研究者が脆弱性の実証デモを公開
Appleのセキュリティ情報では、macOS Tahoe、Sequoia、Sonomaの各項目で同じ影響と対処内容が示されている。いずれもAccountsが対象で、アプリがroot権限を取得する可能性があるとしている。修正内容としては、パスの検証を強化したことが明記されている。
脆弱性を報告したのは、サイバーセキュリティ企業CyStackのアダム・フランケ氏、アシシュ・クンワル氏、チュン・グエン氏だ。Appleの公開情報にも、3人が発見者として記載されている。
CyStackは2026年7月28日、グエン氏によるmacOS Tahoe 26.5.1上の実証デモを公開した。動画では、脆弱性がどのような問題を引き起こすのかや、Appleによる修正のポイントを解説している。
CyStackによると、問題はAccountsコンポーネントがディレクトリパスを処理する際の解析にある。権限を持たないアプリから細工したパスを渡されると、想定された範囲を超えてディレクトリを参照・操作できる可能性があり、その結果としてroot権限への昇格につながる。
つまり、攻撃者が対象のmacOSで何らかのアプリを実行できる状況では、そのアプリに本来与えられていない高い権限を取得される可能性がある。Appleはパスの妥当性を検証する処理を改善し、こうした想定外の動作を防いだ。
影響を受けるのは、macOS Sonoma 14.8.8より前、macOS Sequoia 15.7.8より前、macOS Tahoe 26.6より前の各バージョン。修正版はSonoma 14.8.8、Sequoia 15.7.8、Tahoe 26.6で、CyStackは利用者に該当する修正版への更新を呼び掛けている。
なお、公開された動画はAppleによる修正後に、脆弱性の仕組みを示し、教育や注意喚起につなげる目的で公開されたものだ。具体的な悪用につながり得る詳細な手順などは公開内容から省かれている。
CyStackはこれまでにも複数のソフトウェアや製品について脆弱性を発見し、開発元への責任ある開示をしている。
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