ホームインターネット、世帯普及率の天井は7割? 接続回線の本命はFTTHか
三菱総合研究所は、「世帯・個人の通信サービス利用についてのアンケート調査」の結果を発表した。調査は、世帯ならびにその世帯構成員にあたる個人を対象に訪問留置き式でのアンケートで、実施時期は2002年9〜10月。回答数は、世帯調査(世帯主)が1008、個人調査(15歳以上男女)は2169。
インターネットの利用状況を見てみると、「現在利用している」が43.9%で、「利用したい」の合計が25.3%。しかし、「今後も利用しない」が30.6%もいる。
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インターネットの利用意向内容(n=1008) [三菱総合研究所] |
次にインターネット接続の方法を見てみると、現在ではまだダイヤルアップが過半数だが、1年後では各種ブロードバンド回線の利用意向が増え、ナローバンドとブロードバンドがほぼ拮抗する。さらに3年間の意向では、ADSLが減り光ファイバの利用を希望する人が大幅に増える。FTTH(光ファイバ)をインターネット接続回線の本命と見る人はまだ多いようだ。
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インターネット接続回線の利用状況・意向(現在n=1092/1年後・3年後n=766) [三菱総合研究所] |
モバイルへの取り組みとしては、現在モバイルPCを社員に配布していないという企業は47.9%にのぼる(配布している企業の合計35.6%、無回答16.6%)が、3年後の意向としてはこれが32.2%に激減。逆に社員の20%以上にモバイルPCを配布している企業は現在7.0%だが、3年後には15.1%が配布したいとしている。このモバイルPCの利用環境としての無線LANに関しては、社外のホットスポットなどよりも社内LANとして整備していくことへの関心が高い。
IP電話の利用意向は、“音質や安定性が通常の電話並み”という前提にもかかわらず、「利用したくない」が7割を超えた。同じ三菱総研調査の「企業の通信サービス利用についてのアンケート調査」で、企業のIP電話導入が比較的意欲的だったのとは対照的だ。家庭においては現在の電話に満足しているということであろうか。
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IP電話の利用意向(n=1008) [三菱総合研究所] |
また、ネット家電の利用意向では、「外出先からの鍵の閉め忘れ確認、開閉操作」(57.8%)、「外出先からのガスの確認、湯沸し操作」(50.3%)、「遠隔ビデオ操作」(44.5%)の順。ネットワークを活用した生活支援機能の利用意向では、「ネットワークを通じて、外部から家の中の様子を確認」(50.0%)、「利用状況から居住者安否を判断、必要に応じて親類・警察などに連絡」(47.5%)、「電気・ガスの利用状況を一覧で表示し、省エネに役立てる」(47.2%)などが上位に並んだ。
全体的に、ホームセキュリティや省エネルギーなどの機器・サービスの利用意向が高いようだ。ただし、ネット家電の購入に関しては、価格としては「これまでの同程度」、買い替え時期としては「使える間は現在使っている製品を利用」が多く、強いニーズを喚起するところまでは至っていないようだ。
世帯・個人の通信サービス利用についてのアンケート調査
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