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Mobile Connection 第2回 読者調査結果発表 〜モバイルシステム/携帯電話用ソフトウェア開発の現状は?〜 小柴 豊 @IT マーケティングサービス担当 2002/1/23 2000年〜2001年のモバイル市場では、各機種のIP接続やJava環境整備などの動きが相次いだ。もはや携帯電話=通話、PDA=PIMという枠は崩れ、モバイル機器は情報システムのクライアント端末やソフトウェア開発のプラットフォームとして、その存在意義を拡大しているようだ。では実際にモバイル端末を活用した情報システム(以下モバイルシステム)や、携帯電話用ソフトウェアの開発はどの程度進んでいるのだろうか? Mobile Connectionフォーラムが実施した第2回読者アンケートから、その状況をレポートする。 ■モバイルシステム開発:コンテンツ配信など用途が広がる 最初に読者のモバイルシステム開発状況や、用途などについて見てみよう。まず読者がモバイルシステム開発にどの程度かかわっているのかを聞いたところ、全体の67%が開発中または予定/検討中と答えている。このモバイルシステム関与者に、主なシステム用途を聞いた結果が図1だ。「グループウェア」「営業受発注/在庫照会」など従来の情報システム用途をわずかに抑え、「コンテンツ/情報配信」がトップに挙げられたのが最近の特徴といえるだろう。
ではこうしたモバイルシステムのエンドポイントには、どのような端末が使われているのだろうか? 上記システム関与者に尋ねた結果、「携帯電話(iモード)」が2位以下を大きく引き離し、もっとも利用されている端末であることが分かった(図2)。また端末種別に見ると、携帯電話/PHS系ではiモードの独走が目立つが、PDA系では「WindowsCE搭載機」「PalmOS搭載機」の2陣営が、システム端末市場をめぐって接戦を演じている様子が表れている。
ところで最近はモバイルシステム専用のさまざまなソフトウェア製品が登場しているが、今回は“モバイル端末専用データベース”の使用状況について紹介しよう。図3は各種モバイルデータベースについて、現在使用している製品/今後使用予定・検討中の製品をそれぞれ聞いた結果だ。現在のところ広く活用されている製品は特定できないが、今後の予定/検討状況を見ると、モバイルシステム関与者の34%が「Oracle Lite」を挙げているのが注目される。モバイルといえども既存システムとの連携が重要なことは明らかであり、企業用データベースとしてシェアの高いOracleがその優位性を発揮していると思われる。ただしモバイルデータベースには固有の要件(パフォーマンス/プログラム規模や、同期方法/セキュリティなど)も多いため、いままでのデータベース製品のシェアを踏襲するかどうかは、今後の技術/市場競争次第といえるだろう。
■携帯電話用ソフト開発:圧倒的な国内シェアのもと、iアプリがリード さて後半では、携帯電話上で動作するソフトウェアの開発状況について見ていこう。2001年はiアプリを皮切りに、さまざまなキャリアから各社端末上で動作するソフトウェア開発環境が提供され始めた。図4はそれらプラットフォーム別に、読者のソフトウェア開発状況を聞いた結果である。上述したモバイルシステム端末利用状況と同様、ここでもiモード端末向けの「iアプリ」用ソフトウェア開発が進んでいることが分かる。またiアプリ以外の開発予定/興味度を見ると、J-フォン「J-SKY」のポイントがKDDI「ezplus」を若干上回っており、携帯IP接続契約数の状況と相似している点が興味深い。
では、携帯電話用にソフトウェアを開発する際、プラットフォーム選択のカギとなる要因は何だろうか? 9つの選択肢からダントツで選ばれたのは、「国内でのユーザー数/市場シェア」だった(図5)。パソコンやゲームの歴史を見ても、ソフトウェア開発におけるプラットフォーム選択では常に“勝ち馬に乗る”ことが重視されてきた。現在のモバイル市場におけるiモード/iアプリの強さは、PC-9801全盛期のNECや8/16bitsゲーム機時代の任天堂と同様に見なせるだろう。しかしどんなに磐石に見えたそれらプラットフォームも、永遠に続くことはなかった。モバイルソフトウェア開発者においても、現在のシェアだけにとらわれぬ柔軟な思考が必要となるのではないだろうか?
■調査概要
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