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「基準モデル」に対応

新地方公会計制度対応の財務諸表作成システム、富士通

2009/08/13

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 富士通は8月13日、新地方公会計制度に対応した財務諸表作成システムと導入サービスの提供を発表した。全国の自治体では2009年9月以降、総務省が策定した新地方公会計制度で財務諸表を公表することが求められていて、富士通は財務諸表作成システムへの需要が拡大すると見ている。

 新地方公会計制度は企業会計の手法を導入した会計制度で、単式簿記である現行の公会計と異なり、自治体の財政状況をより正確に反映できると期待されている。財務諸表としては、貸借対照表(BS)と行政コスト計算書(PL)、資金収支計算書(キャッシュフロー計算書)、純資産変動計算書などの公表が求められる。また、第3セクターなどを含めた連結財務諸表の作成も必要になる。

fujitsu01.jpg 富士通の自治体ソリューション事業本部 プロジェクト統括部長 石塚康成氏

 総務省は新地方公会計制度として2つのモデルを提示している。現行の公会計をベースに財務諸表だけを新地方公会計制度に合わせる「改訂モデル」と、個々の取引情報を発生主義により仕訳を行って資産の公正価値評価なども行う「基準モデル」の2つだ。現行ベースの改訂モデルは自治体にとって対応が容易だが財政状態の正確な把握が難しい。基準モデルは固定資産を含めて財政状態をより正確に映し出すことができるが、対応には準備が必要になる。富士通によると、新地方公会計制度で財務諸表を公開するとしている自治体のうち、84%は改訂モデルを採用する見通しで、基準モデルを採る自治体は当初は7%にとどまるという。

 富士通は改訂モデルに対応した財務諸表作成システムを2008年4月に発売済みで全国30団体以上がすでに導入している。今回発表したのは基準モデル対応の「IPKNOWLEDGE 財務情報 財務諸表作成システム(基準モデル版)V2」と「IPKNOWLEDGE 財務情報 公会計連携オプションV2」の2つ。前者は、新地方公会計制度に沿った財務諸表を出力する帳票システムで、後者は富士通製をはじめとするさまざまな自治体会計システムからデータを取得し、単式簿記から複式簿記へのデータ変換などを行う。後者には資産管理の機能もある。価格は人口10万人規模の自治体が導入する場合で、前者が120万円から、後者は80万円から。2009年12月に発売する予定。

 富士通は新地方公会計制度を導入する自治体を支援するサービス提供も始める。プロジェクト整備に向けた庁内の体制づくりや基本方針の作成、固定資産の洗い出し、財務諸表の作成と活用などを手助けするという。

 同社の自治体ソリューション事業本部 プロジェクト統括部長 石塚康成氏によると、富士通の自治体向けパッケージ「IPKNOWLEDGE」は全国で351団体が導入。そのうち財務情報パッケージは143団体が採用していて、市場で約25%のトップシェアを獲得しているという。今回発表した財務諸表作成システムは、2008年に発売した改訂モデル版と併せて今後3年間で200システムの販売を見込んでいる。

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