IFRSでXBRL拡大か、NRIが財務情報の自動変換システム

　野村総合研究所（NRI）は2月9日、自社の投資情報データベース提供サービス「IDS」にXBRL言語の1つの仕様であるXBRL Formulaに対応した財務情報の自動変換・集約システムを導入したと発表した。日本企業のIFRS適用前後には、複数年度の財務情報を比較したり、複数の会計基準に基づく財務情報が併存する可能性があるとNRIは指摘。「今後予想されるこういった状況に対応するために、本システムを開発・導入した」としている。

　IDSは従来、XBRL対応の金融庁EDINETや、東京証券取引所のTDnetからデータを読み込む際、一部については手作業でデータの勘定科目などを修正していた。しかし、新しい自動変換・集約システムを導入することで、財務情報の変換や集約、ユーザーへの配信を自動化でき、ユーザーのニーズに合わせたフォーマットに柔軟にデータを変換できるようにした。

　XBRLの変換エンジンとして富士通のXBRLミドルウェア「Interstage XWand」を採用。NRIのアナリストが、企業ごとの勘定科目の差異を確認し、XBRL項目間の関係式を設定したという。NRIではIFRS適用がXBRL活用拡大の1つの起爆剤になると見ている。この自動変換システムをベースにソリューションを開発し、金融機関や機関投資家、アナリスト、学術機関などに提供することも検討する。