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連結財務諸表の作成を90日から30日に

IFRS一番乗りを目指す日本電波工業、富士通が連結を支援

2010/02/22

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 富士通と富士通システムソリューションズは2月22日、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の2010年3月期の任意適用を目指している日本電波工業が、富士通の連結会計ソリューション「GLOVIA/SUPER COMPACT Pathfinder」を導入したと発表した。

 水晶デバイス大手の日本電波工業は半数以上のグループ企業が海外に拠点を置く。そのため海外の投資家への財務報告を重視していて、2002年3月期決算からIFRSによる財務諸表を英文の年次報告で公表している。日本市場でも2010年3月期決算からIFRSで財務報告をする予定で、日本企業では最初のIFRS開示企業となる可能性がある。

 ただ、現状の英文年次報告の作成は、国内グループ企業では日本基準で財務諸表を作成し、手入力でIFRSへの組み替えを行っている。また、海外グループ会社ではIFRSの財務諸表を手入力で日本基準に組み替えて、日本の財務諸表を作成している。

 日本電波工業は、今回導入したGLOVIA/SUPER COMPACT Pathfinderと、同製品をベースにしたIFRS対応機能を使うことで、連結財務諸表の作成に関する二重入力を削減できるとみている。これまでIFRSと日本基準の財務諸表を作成するためには約90日かかっていたが、同製品導入で約30日に短縮することを目指す。富士通によると、同製品導入による各業務プロセスの年間の短縮時間は、財務データのチェックで50時間、内部取引の照合が150時間、手作業の20時間などという。

 日本電波工業は従来から富士通のERPパッケージ「GLOVIA smart 会計」を国内では利用してきた。GLOVIA/SUPER COMPACT Pathfinderは2009年9月に導入し、その後、IFRS対応させるための追加機能を開発。開発したのはIFRSと日本基準の組み替え機能、過年度遡及修正の支援機能、注記情報の収集と開示資料の作成機能、内部取引データの照合機能など。日本電波工業ではこれらの機能をGLOVIA/SUPER COMPACT Pathfinderに組み込み、3月から利用開始するという。

 また、富士通は日本電波工業向けに開発したIFRS対応機能を搭載したGLOVIA/SUPER COMPACT Pathfinderを「IFRS早期適用版」として2010年7月に提供開始する予定。2011年までのIFRSの改訂に合わせて機能追加なども行う。

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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