半数の企業は2010年にプロジェクト開始予定
IFRSのシステム対応、経営層と現場で「意識のかい離」
2010/03/05
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ワークスアプリケーションズは3月5日、昨年11月と今年2月に企業に対して行ったIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)についてのアンケート調査結果を公表した。興味深いのは企業の経営層と現場とでIFRS対応システムについて「意識のかい離」(同社)があること。IFRS対応を「現行システムで対応」と考えているのは社長・経営層の27.3%だが、「係長・主任」レベルでは10.1%。開発コストを心配する経営層の意向に反して、現場ではシステム改修や導入を求めているようだ。
調査はワークスが昨年11月に東京で行ったIFRSセミナーと、今年2月に大阪と名古屋で行った同セミナーの参加者に実施した。企業経営者や経理・財務部門担当者、IT担当者、経営企画担当者ら897人が答えた。回答者の6割以上が売上高500億円以上の企業の担当者で、大半はワークスの会計アプリケーションの導入顧客ではないという。ワークスは昨年11月末にもアンケート調査結果を公表している(参考記事:ITシステムのIFRS対応負荷は内部統制の2.6倍)。
IFRS対応に向けたシステム対応では回答者全体の61.9%が「現行のシステムを改修」と回答。「新システムの導入を検討」が21.1%、「現行システムで対応」が17%となっている。ただ、役職別では上記のように社長・経営層は、システム改修や新規導入ではなく、現行システムでの対応を重視。「現行システムを改修」は54.5%にとどまり、27.3%は「現行システムで対応」を支持している。
対して、現場ではシステム改修や新規導入を求めている(下図参照)。ワークスは「現場はいまのシステムでは不安と思っている。だが、経営層はコスト増加を心配している」と説明している。
IFRS対応プロジェクトについては回答者の56.2%が「2010年に開始」と回答。昨年11月、今年2月の段階で「すでに開始している」と答えたのは19.7%だった。2011年から開始は15.5%。2012年以降は8.6%。ワークスは「早期適用を検討していない企業においてもIFRS対応のプロジェクト開始が今年に集中する」としている。プロジェクト開始から対応完了までの期間は、「3年」が最多で52.6%。「2年」(26.2%)、「5年」(9.3%)と続き、企業によって予想期間のばらつきがあるようだ。
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