BDOアドバイザリーとアビタスが組織
内部監査でデータ監査ツールは普及する? 事例研究会開始
2010/05/13
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中堅監査法人、三優監査法人グループのBDOアドバイザリーは5月12日、米国公認会計士試験のスクールなどを運営するアビタスと協力し、データ監査ツールの認知拡大を目的とした事例研究会を開始すると発表した。データ監査ツールは企業の内部監査、外部監査の有効性と効率性を高めるとされているが日本での利用はこれから。BDOアドバイザリーは今後、データ監査ツールに関連するアウトソーシングやトレーニングなどで売上の拡大を目指す。
データ監査ツールは財務会計システムや現場の受発注システム、販売管理システムからデータを取り込み、統計分析や部門間の比較などの手法で不正会計の兆候を見つけることができるツール。BDOアドバイザリーが活用するデータ監査ツールの「ACL」は、操作ログが残り、操作を後から実行できるなど「非常に実証性が高く、改ざんができない」(BDOアドバイザリー 事業開発部長 公認会計士の安田秀志氏)という。
データ監査ツールのログは内部監査だけでなく、監査法人が行う外部監査でも活用でき、内部監査と外部監査のデータの相互利用によって監査作業を効率化ができる。そのため「ツールを使うことで監査報酬の合理化が期待できる」(安田氏)。データ監査ツールは欧米の監査法人が先行して採用。国内の大手監査法人でも一部で採用を始めているという。
BDOアドバイザリーがアビタスと協力して始める事例研究会では国内大手企業の内部監査担当者が集まり、実際の不正会計の事例を基にディスカッションし、現場の知識を共有する。データ監査ツールを使うことで、不正会計をどう防止できるかなどについてもシミュレーションするという。BDOアドバイザリーは事例研究会の参加企業を個別に10社程度集める予定で、すでに9社の参加が決まっている。
ほかにアビタスの受講生や卒業生、一般個人を対象とした不正会計、データ監査ツールに関する講義形式の研修も行う。
BDOアドバイザリーはACLを使ったデータ監査を請け負うアウトソーシングサービスや、ACLを自社導入する企業に対するトレーニング、コンサルティングサービスを今後提供し、売上の拡大を目指す。BDOアドバイザリーが加盟するグローバルな会計事務所「BDO International」のネットワークを活用し、日本企業の海外子会社などに対してもサービスを提供するという。
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