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連結財務諸表が対象、2011年3月から適用

包括利益表示が正式決定、単体については1年後に判断

2010/06/30

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 企業会計基準委員会は6月30日、基準化を延期していた「包括利益の表示に関する会計基準」を正式に公表した。連結財務諸表への適用は3月期決算の企業の場合、2011年3月期から。議論となっていた単体財務諸表への適用は見送り、「1年後をめどに判断する」としている。

 包括利益表示は当初は連結、単体の財務諸表に適用する方針だったが、3月の企業会計基準委員会で単体財務諸表への適用を疑問視する声が出て、基準化が延期されていた。

 IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)については連結財務諸表から適用する「連結先行」を採っているが、実業界から「連単分離」を主張する声もある。金融庁は企業会計審議会で単体財務諸表に適用する会計基準について議論を始めていて、コンバージェンス項目の会計基準については、この議論の結論が出るまで、単体への適用は判断しないとしていた(参考記事:会計コンバージェンスを連結先行に、単体は判断を一時留保)。

 包括利益は「ある企業の特定期間の財務諸表において認識された純資産の変動額のうち、当該企業の純資産に対する持分所有者との直接的な取引によらない部分」であり、具体的には少数株主損益調整前当期純利益にその他包括利益を加算して計算する。その他包括利益には、その他有価証券評価差額金、繰延ヘッジ損益、為替換算調整勘定などが含まれる。

 包括利益の表示には、1つの損益計算書で当期純利益と包括利益を表示する「1計算書方式」と、当期純利益と包括利益を分けて表示する「2計算書方式」の2つが認められる。

 適用開始は3月期決算の企業であれば、2011年3月期から。ただ、3月期決算以外の企業には、2010年9月30日以降に終了する会計年度からの早期適用も認める。

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(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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