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メガバンク、地銀上位行をまずはターゲットに

IFRSの金融商品会計に対応、SASが金融機関向けソリューション

2010/08/25

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 SAS Institute Japanは8月24日、IFRS第7号「金融商品:開示」、第9号「金融商品」に対応した金融機関向けのソリューションを9月1日に提供開始すると発表した。IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)の新金融商品会計に包括的に対応するのが特徴。総資産に占める金融商品の割合が大きい、金融機関に提供する。

 IFRSの新しい金融商品会計は、従来の金融商品会計を分かりやすくし、金融商品のリスクを測定しやすくした。金融商品の分類、測定では公正価値法、または償却原価法を採用した。公正価値法では、マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ、コスト・アプローチの3つがあり、インカム・アプローチやコスト・アプローチでは数理モデルを構築して合理的な時価評価が必要になる。また、SASが「金融機関に最もインパクトがある」と説明する償却原価法では、将来の予想信用損失と期限前償還という2つのリスクを考慮した予想キャッシュフローを用いる必要があり、手作業では対応が難しいといわれる。

 SASが提供するソリューションは仕訳や開示も含めてこれらの金融商品会計に包括的に対応する。複数の金融商品データを取り込んで結合し、分類ルールに従って測定方法を割り当てることができる。公正価値、償却原価の測定では入力した条件やリスクの推定によって割り出すことが可能。ヘッジ会計の処理にも対応する。期限前償還リスクの推定では、推定モデルをテンプレートとして提供。予想信用損失の推定ではモデルを構築するための分析ツールを用意する。

sas01.jpg 金融商品の分類フロー
sas02.jpg 期限前償還リスクの推定テンプレート
sas03.jpg 予想信用損失の推定モデル構築ツール

 売り上げの4割程度が金融機関からというSASにはすでにIFRS対応について金融機関から問い合わせが来ているという。多くの金融機関は「基本的にはマニュアルで対応しようとは考えていない。何らかのシステム対応は行う方針で、現在はIFRS対応の基本方針を考えているところが多い」(SASのビジネス開発本部 RIグループ部長 富田達也氏)という。SASではIFRS対応で先行すると見られるメガバンク、地銀上位行をまずはターゲットにする。

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(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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