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2012年末までに稼働開始

IFRS強制適用への期待の表れか――IASBが東京オフィス設置を発表

2011/02/10

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 IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)を策定しているIASB(国際会計基準審議会)と、IASBの監督組織であるIFRS財団は2月10日、アジア・オセアニア地域におけるサテライトオフィスを2012年末までに東京・大手町に設置すると発表した。都内で会見したIASBのデービッド・トゥイーディー議長は、アジアの経済拡大を指摘し、「アジアの10年を迎える。サテライトオフィスはこの地域でなくてはならない。この機会を失ってはいけない」と話した。

ifrs01.jpg IASBのトゥイーディー議長(左)とIFRS財団 副議長の藤沼亜起氏

 サテライトオフィスの主な役割は、日本やほかのアジア・オセアニア地域から挙がるIFRSについての要望を取りまとめて英国ロンドンのIASBに伝えること。IFRS財団の副議長である藤沼亜起氏は「アジアにおける日本の役割やアジアの重要性をIFRS財団、IASBに伝えることができる。また日本のステークホルダーらがIFRS財団、IASBと近い関係を築いて、コミュニケーションを良くすることができる」と話した。IFRS財団 評議員の島崎憲明氏も「IFRSはまだ実際に欧州で使われて5年しかたっていない開発途上の会計基準。このオフィスでは、地域の事情や問題点をIASBに伝えていくことができればと思う」とサテライトオフィスへの期待を示した。

 東京・大手町に新たに竣工されるビルに開設予定のサテライトオフィスは、日本人のIASB理事が拠点として利用するほか、2人の専門家を置き、IASBの指示の下で日本やアジア・オセアニアの意見集約を行う。活動状況を見ながら拡張を検討する。

IFRS強制適用への期待

 サテライトオフィスの東京への設置決定は、IFRS財団、IASBの日本への期待の表れと言える。その期待とは将来のIFRS強制適用だ。トゥイーディー議長は会見で、2007年の「東京合意」をIFRSが世界に広がる上での「第2の波だった」と表現。日本がIFRS受け入れに傾いたことで、韓国や台湾などアジア各国でのIFRS採用に弾みが付いたと指摘した。

 さらに日本がIFRSを強制適用することで、IFRSの一部を採用していない中国やインドでも「手続きを踏んで(IFRSの全面採用に)進んでいくと考えている」と期待を示した。「日本がどういう決定をするかが中国、インドに大きな影響を与える」(トゥイーディー議長)。

 藤沼氏もサテライトオフィスの東京設置について「結果的に日本の将来のアドプションに非常に効果があるだろう」と話した。

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(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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