東証も「フレキシブルに対応」
金融庁、被災企業の有報提出延期を容認
2011/03/18
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東北関東大震災の発生を受けて金融庁は有価証券報告書(有報)の提出延期を容認することを決めた。対象となるのは12月期から2月期決算の企業の有価証券報告書、半期報告書、四半期報告書で、提出期限が過ぎても2011年6月30日までに提出すれば行政上、刑事上の責任を問わないとしている。
提出延期を認めるのは東北関東大震災による災害で被害を受けて開示書類を提出できなくなった企業。提出を延期する場合は提出先の財務局に相談するとしている。金融庁は3月期決算の企業の有価証券報告書提出(期限は6月30日)についても延期を容認するか検討しているようだ。
また、臨時報告書についても災害で作成できない場合、「そのような事情が解消した後、可及的速やかにご提出いただくことで、遅滞なく提出したものと取り扱われる」としている。臨時報告書の作成自体は行えるが、被災資産の算定が行えない場合は、まずは災害が発生したことを伝える臨時報告書を提出し、その後、概算額または見込み額が算定できた段階で、訂正臨時報告書を提出する。
有価証券報告書の提出延期容認を受けて東京証券取引所も対応を検討している。東証は「被災した企業に対して上場規定をがちがちに当てはめることは考えていない。フレキシブルに対応する」としていて、企業が災害により有報を提出できない場合でも上場廃止の対象とはしないなどの措置を検討している。近く発表する予定だ(追加情報があれば随時追記します)。
(3月18日午後6時追記)
東証は3月18日、被災した企業の決算発表についての対応策を正式発表した。震災による被害で決算内容の把握、開示が難しい企業については通期の決算発表、四半期の決算発表が45日を過ぎてしまっても構わないとしている。「決算内容が確定できたところで開示してください」(東証)。また、決算短信の業績予想についても震災によって業績予想の見通しが難しい場合は、決算短信、四半期決算短信で業績予想を開示する必要はないとしている。
加えて被災した企業が有報、四半期報告書の提出に遅れた場合も上場廃止基準の適用はしないという。上記のように金融庁は12月期から2月期決算の企業についてはその有報、半期報告書、四半期報告書の提出期限を2011年6月30日まで延長するとしていて、東証もこの特例に対応する。
さらに震災によって財務諸表に添付される監査報告書や四半期レビュー報告書で意見不表明などの記載があっても、監理銘柄指定や上場廃止の対象にはしないとしている。
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