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企業の対応効率化を後押し

金融庁、内部統制制度の「事例集」「Q&A」を公表

2011/03/31

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 金融庁は3月31日、改定する財務報告に係る内部統制報告制度に関連し、中堅・中小規模企業向けの「事例集」と、「Q&A」の改訂版を公開した。金融庁は改定内部統制の「基準」「実施基準」を30日に公表していて(参考記事:「簡素化・明確化」した改定内部統制、実施基準が公表)、企業の効率的な内部統制整備を後押しする。

 事例集は「内部統制報告制度に関する事例集」の名称で「中堅・中小上場企業等における効率的な内部統制報告実務に向けて」とのタイトルが付く。さまざまな工夫で効率的な内部統制の整備や評価を行った企業の事例を企業や監査法人から広く集めてまとめた内容で、「実務の参考に供すべく、取りまとめた」としている。

 事例は「全社的な内部統制」「決算・財務報告プロセスに係る内部統制」などのカテゴリに分かれていて、総数は21項目。決算・財務報告プロセスに係る内部統制の整備で、3点セット(業務フロー図、業務記述書、リスクコントロールマトリックス)ではなく、独自に作成したチェックリストを活用した事例、リスクを3段階に定義し、監査人と協議のうえで特に重要なリスクの評価に注力した事例、重要ではない業務プロセスの評価を毎年ではなく、3年ごとのローテーションで評価した事例、ITに係る業務処理統制の評価について、システム構成などに変化がないことから昨年度の評価結果を活用した事例などが紹介されている。

 Q&A集は「内部統制報告制度に関するQ&A」の名称。2007年10月に初版が公開され、順次内容を追加してきた。今回は内部統制制度の改定に合わせて問85、86の2問を追加した。問85は「財務報告の定義に含まれる『財務諸表の信頼性に重要な影響を及ぼす開示事項等』の範囲はどのようなものか」、問86は「持分法適用となる在外関連会社について、所在地国に適切な内部統制報告制度がある場合には、当該制度を適宜活用することが可能か」などの問に答えている。

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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