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5〜7年の準備期間、強制適用は2017年以降に

IFRS強制適用が延期、金融相が「2015年3月期の強制適用は考えていない」

2011/06/21

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 金融庁の自見庄三郎担当大臣は6月21日に会見し、2015年にも実施される可能性があったIFRSの強制適用を、2017年以降にする考えを示した。2009年に金融庁の企業会計審議会が示したロードマップでは2012年にIFRS強制適用の是非を判断し、最短で2015年に強制適用するとしていた。金融相は米国やインドがIFRS適用を後退させていることや、東日本大震災で製造業のサプライチェーンが被害を受けていることをIFRS強制適用延期の理由に挙げた(関連記事:IFRS強制適用延期はなぜか、その背景を探る)。

 金融相は「少なくとも2015年3月期についての強制適用は考えておらず、仮に強制適用する場合であってもその決定から5〜7年程度の十分な準備期間の設定を行う」と表明した。また、2016年3月期で使用終了とされている米国会計基準についても、「使用期限を撤廃し、引き続き使用可能とする」と話した。

ifrs01.jpg 金融庁の自見庄三郎担当大臣

 金融相はまた、IFRS強制適用を遅らせることの国際資本市場への影響について、「私は会計基準の国際化を疑うものではない。日本市場が国際的な資本市場から資本を取りにくくなるということはないだろう。今の日本基準でも、米国会計基準でも、IFRSでも、大きな違いはだんだん少なくなってきて世界で認められている」と話した。

 金融庁は企業会計審議会総会・企画調整部会の合同会議を6月中に開始し、今後のIFRS適用について議論する。IFRS適用に慎重な製造業出身のメンバーなど9〜10人を追加。当初のロードマップでは2012年中に強制適用するかどうかの判断をするとしていたが、金融相は「一番早くて2012年」として、議論によってはそれ以降になると示唆した。「個人的意見では、極端な話、米国よりも先走って決めることはないと考えている」(金融相)

(IFRSフォーラム 垣内郁栄)

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