注記情報が増大
住友商事がIFRSベースの有価証券報告書を公表
2011/06/27
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住友商事はIFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)に基づく2011年3月期の決算短信、有価証券報告書を6月24日に公表した。国内企業のIFRSの任意適用は日本電波工業、HOYAに続き3社目。
住友商事はこれまでの米国会計基準とIFRSとの並行開示の回数を減らすことを目的に、5月の決算短信は米国会計基準で公表(2012年3月期の連結業績予想はIFRS)し、有価証券報告書からIFRSベースの連結財務諸表を公表するとしていた。今回公表した有価証券報告書は223ページで、そのうちの「経理の状況」は133ページと全体の半分以上を占める。2010年3月期の有価証券報告書(米国会計基準ベース)の経理の状況は107ページだったので、IFRSベースにすることでページ数が約24%増加した計算だ。
経理の状況のうち、IFRSベースで作られている連結部分は100ページ。連結財務諸表本体は8ページのみで、残りの92ページのほとんどは注記情報となっている。この注記情報には、IFRSの初度適用に関連し、米国会計基準からIFRSへの調整表も含む。
住友商事は有価証券報告書で2011年3月期の監査報酬額、非監査業務に基づく報酬額も公表している。監査報酬額(提出会社、国内・海外の連結子会社の総額、以下同じ)は25億900万円で、2010年3月期の23億1100万円と比較して約8%増加した。非監査業務は2011年3月期が7億3300万円。2010年3月期は5億4200万円だったので、約35%増えた計算だ。住友商事は非監査業務の報酬額増大の理由を「主として、IFRS導入に係るアドバイザリー業務」と説明している。
金融庁の自見庄三郎担当大臣が「2015年3月期からのIFRS強制適用は考えていない」と発言する中でも国際的にビジネス展開する企業はIFRS適用を推し進めている(参考記事:IFRS強制適用が延期、金融相が「2015年3月期の強制適用は考えていない」)。住友商事はその代表格。同社の執行役員主計部長 高畑恒一氏は3月のセミナーで「IFRSの導入は会計の処理を変えることが目的ではなく、IFRSを当社の課題の解決にどう活用するのか。これが導入する意義」と述べていた(参考記事:現在進行中! 住友商事と東芝のIFRS適用を見る)。
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