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@IT > 全社的な英語力サポートを可能にする高精度翻訳サーバ eAccela BizLingo |
企画:アットマーク・アイティ
営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2004年8月29日 |
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企業活動のグローバル化が進み、英語によるコミュニケーション能力の重要性はますます高まってきた。特定の業務でのみ海外取引が発生するようなケースでは、英語力のある社員を確保する、あるいは社員教育に力を注ぐといった対応で乗り切れるだろう。しかし、純日本企業がある日、グローバル企業の傘下に入るといった激変に直面した場合、短期間に全社的に英語力を引き上げるのは容易なことではない。 セレスティカ・ジャパン(オペレーションズ)が直面したのは、まさにこのようなコミュニケーション環境の激変だった。2002年4月にセレスティカ・グループの傘下に入り、外資系企業として誕生したのがセレスティカ・ジャパン(オペレーションズ)である。
純日本企業から「日本ビジネス型グローバルEMS」に生まれ変わる際に、セレスティカ・ジャパン(オペレーションズ)にとって大きな課題となったのは、多くの社員に降りかかった「英語」である。電子メールによってグループ企業全体に通達される大量の英文は、日常業務の生産性を著しく阻害しかねない状況だった。ソリューションを探した末にたどり着いたのは、翻訳アプリケーション「eAccela BizLingo(以下、BizLingo)」である。
一口に翻訳アプリケーションといっても、そのアーキテクチャは以下の3つに大別できる。
企業規模で「クライアント型」を導入する問題点は、利用ユーザー数が急激に増えると導入費用が追い付かず、また製品のバージョンアップなど管理コストも無視できなくなる点だ。 最も安価な手段は、Webサイトで公開されている翻訳サービスサイトを利用すること。費用もかからないし、管理コストも不要になる。ところが「汎用サイト型」で提供されている翻訳機能は、ビジネス用途に必須の専門辞書を持っていないため、業務に活用するに足りる翻訳精度を得られない。また、文書がインターネット上を流れることとなり、セキュリティ上問題がある。 BizLingoは「サーバ型」に分類される製品で、企業規模の翻訳業務を実現するWebベースの日英・英日の翻訳システムだ。クライアント型翻訳アプリケーションとしてプロの翻訳家から高い評価を受けている「ATLAS」の翻訳エンジンをベースに、サーバ機能を付加した製品である。「サーバ型」のメリットは、プロ翻訳家が使う「クライアント型」と同等の専門辞書を利用することで翻訳精度を高められ、さらにWebベースであるため管理コスト、導入費用が大幅に削減できることが挙げられる。
セレスティカ・ジャパンの各拠点では、イントラネットを通してBizLingoを標準の翻訳システムとして利用している。海外とのコミュニケーションはもちろん、業務伝達・技術文書などの読解を支援する翻訳アプリケーションの存在は、多くの社員にとって欠かせないものとなっている。 「サーバ型」の翻訳アプリケーション選定に至る過程をセレスティカ・ジャパン 情報技術マネージャ 輿石和人氏は、「外資系企業となる以前も、一部の社員は翻訳アプリケーションを利用していました。しかし、セレスティカ・グループへの参加を機に、翻訳アプリケーションを必要とするユーザー数が大幅に増大したことで、従来使用してきたクライアント型の翻訳アプリケーションでは、ライセンス料や管理コストが膨大になることが予想されました。また、一般公開されている無料サイトでは設計・製造分野特有の専門辞書を持っていない点、また情報漏えいなどのセキュリティ上の懸念から、業務用途に適用することは難しいと判断したのです」と語った。 そこで、セレスティカ・ジャパンが注目したのが、「サーバ型」の翻訳アプリケーションであるBizLingoだった。BizLingoは、1台のサーバに導入すればイントラネット内ではライセンスフリーとなり、導入コストは「クライアント型」に比して10分の1に圧縮できる。また25分野にわたる日英218万語、英日214万語の豊富な専門辞書の存在も、強い導入のインセンティブとなった。
図1に示した3層の辞書構成のうち、25分野にわたって網羅された専門用語辞書の内容は以下の表で確認していただきたい。セレスティカ・ジャパンでは、サーバ側では下記のデフォルト順の変更は認めていないが、利用者は同一セッション中であれば一時的に辞書の優先順位を変更できる。これによって、営業部門の社員なら「ビジネス」を上位に、経理部門の社員は「金融・経済」を上位に、といったユーザーごとのカスタマイズが可能になる。
現在、セレスティカ・ジャパンでは、ほとんどの社員がBizLingoを日常的に利用しているという。サーバ型ということで大量文書の翻訳を行おうとした場合、まず気になるのはレスポンスタイムだ。特にアクセスが集中するのは週末に溜った海外からのメールを処理する月曜日の午前中というが、パフォーマンスに不満の声が挙がったことはないそうだ。この効果の程を、輿石氏はこう語る。「BizLingo V2.0へバージョンアップを行い、セレスティカ・ジャパン全体で翻訳サーバを利用するようになった。翻訳にかかわるトランザクション量は従来の2倍に増えたが、体感パフォーマンスは変わっていない」。 また、「サーバがメンテナンスフリーであるのも、管理者にとってはうれしいポイントだ」(輿石氏)。自前でサーバを用意する「サーバ型」では、セキュリティ設定やユーザー管理など、サーバ管理者の負担を懸念する向きもあるかもしれない。しかし、セレスティカ・ジャパンでは、現在、定期的に行われる専門辞書の更新を除いては、一切のメンテナンス工数をかけずに済んでいるという。ユーザー設定についても、anonymous(匿名)ユーザーだけで運用することで、煩雑なロール管理などは一切行っていない。それでも、専門辞書の優先順位などはアクセス都度に簡単に変更できるので、特に不便なところはないという。
翻訳アプリケーションの使い勝手について気になるのは翻訳精度だろう。BizLingoには翻訳例や新語を利用者辞書に登録しておくこともできるが、技術者から管理部門まで幅広い職種の社員が同時に利用しているので、セレスティカ・ジャパンでは現時点で辞書のカスタマイズは認めていない。それでも標準の専門辞書が十分な語彙を包括しているため、辞書拡張を行う必要は感じていないということだ。この一事からもBizLingoの辞書の豊富さ、翻訳精度の高さは十分にお解りいただけると思う(図2の翻訳サンプル参照)。 機能面では、WordやExcel、PDFなどの文書ファイルをレイアウトなどはそのままに翻訳できる「連携翻訳機能」が、社員たちの間では好評だという(図2)。ほかの製品では、こうしたバイナリドキュメントの翻訳を行う場合には、テキスト部分をいちいちコピー&ペーストし、翻訳処理を行ったうえで、また整形し直すという作業を人手で行う必要があった。しかし、BizLingoに標準搭載されている「連携翻訳機能」によって、こうした非生産的な作業から解放される。セレスティカ・ジャパンに送られてくる英文ビジネス文書は表組みやグラフを貼り付けたものも多いため、これを一気に翻訳してもレイアウトが崩れない連携翻訳機能は、社員の生産性を大幅に向上させたという。
「膨大な英語文書の翻訳をどこまで自動化できるかは、われわれの業務効率を左右するポイント。現状で満足せず、これからは、まだ使われていないBizLingoの機能を使い倒していくことを考えていきたい」と輿石氏はBizLingoのさらなる活用に意欲的だ。具体的には、現在は主にオフィス内部でのみ使用しているBizLingoの翻訳サービスを、出先の営業マンがモバイル環境で利用することも考えていきたいとのことだ。取材(2004年7月)時点でまだ本格的な実用段階には入っていなかったものの、今後は電子メール経由で翻訳サービスを利用する「メール連携機能」も活用の視野に入れていきたいという。
BizLingoの現バージョンはV2.0で、前バージョン比で翻訳速度を30%向上させている。また、過去の翻訳資産を翻訳メモリとして蓄積し、翻訳作業に活用できる「翻訳メモリ機能」も新たに搭載された。 またBizLingoのファミリー製品である高性能検索サーバ「eAccela BizSearch」と組み合わせることで、日本語/英語が混在する文書・メールが混在するファイルサーバ、グループウェア上の文書資産に対して、言語の違いを意識することなく情報検索を行うことができる「クロスリンガル検索システム」も利用可能となる。例えば「仕様書」と日本語で検索すると、「specification」という英単語に翻訳して、英語の文書を検索対象とする機能だ。 次期バージョン3.0では、専門辞書の充実化、翻訳精度の向上など、基本機能の性能強化に加えて、以下のような機能追加を予定している。
定評のある翻訳エンジンを核に、ユーザビリティの向上にも力を注ぐBizLingoは、国際化する日本のビジネスシーンを強力にサポートしていくことだろう。
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