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@IT > 収益増大のためのCRM戦略 > crystal reports 8.5 |
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2001/11/26 ERP、CRM、ビジネスインテリジェンスなど、eビジネスへの展開も視野に入れた、新たな基幹情報システムの構築が進んでいる。 Webによって顧客は事実上あらゆる企業の製品/サービス情報を直接入手し、比較・検討することがより簡単に行えるようになった。そのため、一方的なテレビや雑誌の広告、大量のダイレクト・メール、販売チャネルの拡大などが、すぐには商品の販売拡大に結びつかなくなっている。 こうした、商品に対する選択眼を養った顧客と企業の関係においては、その“関係性を維持すること”が、最も重要かつ不可欠な課題なのだ。なぜなら、新規の顧客を開拓するよりも、既存の顧客と取引きをした方がより利益性が高いからである。顧客はどんな動機で商品やサービスを買うのか、潜在的にどんなニーズを持っているのか、どのような理由によって競合他社へ流れていってしまうのかなど、既存の顧客を失わないよう、可能な限り顧客に関する情報を活用していかなければならない。 ● 情報配布のデファクトスタンダード こうした中で最も重要なことは何だろうか。それは、ビジネスの最前線にいる経営者やプランナー、アナリスト、マーケターたちに素早く、確実に、意思決定に必要な情報を送り届けるためのプロセスの最適化である。 人体に例をとると、頭脳から体の各部に神経が張り巡らされているわけだが、それと同様にデジタルの神経系のような仕組みを構築することによって、企業のトップに集中していた情報を、組織の先端の部分にまで流通させることが可能となる。 仮にある部門で500人の顧客を抱え、それぞれ500種類の製品を売っていたとすると、その組み合わせの数は25万通りにも膨らんでいく。そうした膨大な組み合わせの中から、顧客に最適な商品を選択し、提案するといった細かいレベルでの意思決定は、営業部門やカスタマーサービスなど、より顧客に近い部門で行えるようにするべきであろう。また、そうした顧客との接点において得られた情報を経営トップに余すことなくフィードバックできれば、より現実的かつ大局的なマーケティング戦略の立案が可能になるのではないだろうか。 膨大な情報を共有したり、素早く情報を配布するためのベースとなるソフトウェアが、レポーティングツールだ。そして、その分野におけるデファクトスタンダードとして、世界中で500万本以上の出荷実績を誇っているのが、クリスタルデジジョンズ株式会社の「Crystal Reports」である。 ● 「バンドル」を通じて全世界に普及 Crystal Reportsの強みはどこにあるのだろうか。これはまさにCrystal Reportsが、なぜ世界中の企業に広く普及することになったのかという背景でもあるのだが、知らず知らずのうちに多くのユーザーは、Crystal Reportsに触れ、その高度なレポーティング機能を活用してきたのである。 マイクロソフト(MS)のソフトウェア開発言語である「Visual Basic」をはじめ、MSの7製品へのOEM供給、ロータスのナレッジポータル構築ソフト「K-station」へのバンドル、NECの企業情報ポータルソリューション「StarOffice」との連携など、さまざまなソフトウェア製品にCrystal Reportsのレポーティング・ソリューションは展開されてきた。 また、ERPのSAPやBaan、Peoplesoft、SFAのシーベルなど、各分野のトップベンダーとの戦略的アライアンスにより、Crystal Reportsおよび関連ソフトウェアによるレポーティング・ソリューションが提供されている。 同社プロダクトマネージメントの宮原直人氏は次のように語る。 事実、最初はバンドル版のCrystal Reportsを利用するうちに、その優れた柔軟性を知るところとなり、より機能の充実した最新版にバージョンアップを図り、自社システムの構築に活用している企業は数多い。たとえば、東洋ビジネスエンジニアリングにおける医療化学製品の生産管理システム、アスペクトのコールセンターを支えるCTIソリューションなどにCrystal Reportsが組み込まれ、レポーティング機能を提供している。 ● 本格的なWebレポーティングの実現 具体的に、最新バージョンのCrystal Reports 8.5は、どのような特長を備えているのだろうか。それを一言でいえば、「Webの能力を最大限に活用したインタラクティブ・レポーティングを実現するためのデザイン環境」への進化である。 Crystal Reports 8.5 では、開発者向けの環境として用意された「Report Designer Component(RDC)」の新しい機能として、レポートデザイナから提供されるランタイムコールへのアクセスをはじめ、さまざまな機能をアプリケーションに組み込むことが可能となった。レポートは一般的に広く使われているVisual Basicコードを使って直接参照や編集ができる。 また、エンドユーザーはランタイムAPIのレポート作成機能(別途ライセンスが必要)を使いアプリケーション内からレポートを作成するか、ドラッグ&ドロップのインターフェイスでレポートを作成することができる。
もちろん、これらのレポートは、シンプルなものから複雑なものまで、ビジネスデータを分かりやすく明快に示すことが可能だ。初心者からパワーユーザーまで、それぞれのスキルレベルに応じて、インタラクティブなレポートを作成することができるウィザードやエキスパート、組み込み関数などが豊富に用意されており、レポートのデザインと配布に関するプロセスを高速化するとともに、限られたITリソースの効率的な活用をサポートしているのである(画面1)。
また、トレンドを発見したり、重要な事実間の関係を明らかにしたり、ポイントを明確にしたりするための、さまざまなツールも用意されている。チャートや計算式、積算合計、カスタマイズ可能なクロス集計などの機能を使い、対象データを分析することが可能だ(画面2)。
こうしたWebを通じた高度でインタラクティブな情報提供を実現するため、Crystal Reports 8.5では、従来から提供されてきたDHTML、RTF、Microsoft Excel形式のサポートに加え、新たにXMLにも対応。より多彩なフォーマットでのレポート作成が可能となった(画面3)。 ● エンタープライズへの大規模な展開 このCrystal Reports 8.5のレポーティング・ソリューションを、さらに広範囲なエンタープライズ規模にまで展開していくため、クリスタルディシジョンズは、関連プロダクトの拡充にも注力している。 そうした中でも特に注目すべきが、「Crystal Enterprise」だ。この特長について、宮原氏は次のように語る。 レポートストリーミング機能によって、単に情報をリアルタイムに配布するだけではなく、Crystal EnterpriseとCrystal Reportsとの統合により、エンタープライズ規模でのレポーティングのスケーラブルな展開が可能となるのである。
● 高度な分析アプリケーションもサポート さらに、本格的なデータ分析を必要とするユーザーに向けて用意されているのが、「Crystal Analysis Professional」だ。あらかじめ述べておくが、これは同社から従来無償で提供されていたSeagate Analysisの後継バージョンではない。拡張されたレポーティング、分析ツールパッケージとして新たにラインナップされた製品である。 実際、Crystal Analysis Professionalは、従来のSeagate Analysisを大きく上回るデータ分析機能を備えており、各種OLAPデータソースからの柔軟なレポーティングを実現している。また、XMLやDHTMLなどをベースにした同社独自のゼロクライアント・テクノロジにより、インタラクティブなナビゲーションを含んだ情報を、エンドユーザーへ迅速かつコスト効率よく、容易に管理・展開することが可能となった。
加えて、大規模な分析アプリケーション開発のためには、「Crystal Applications」が用意されている。これまで「Holos」という名称で提供されてきたプロダクトを再編成するもので、先に紹介したCrystal Reports、Crystal Enterprise、Crystal Analysisなど、同社が展開する一連のレポーティング・ソリューションの重要な位置を占めており、シームレスな統合が可能である。 開発生産性の向上とパフォーマンスの強化、オプションの改良をはじめ、新たなデータマイニングパワーの搭載、データソースとしてSAP R/3の追加サポートなどを実現したのが、今回のCrystal Applicationsへの再編成のポイントだ。さらに、この環境下で稼動する「バランススコアカード」、「カスタマプロファイリング」、「予算管理」、「eTelecom」の4つのテンプレート製品の提供も始まっている。 ハイパフォーマンスなレポーティングと世界で最もポピュラーなデザインツール、スケーラビリティに富んだ Web情報配布インフラストラクチャ、先進的なビジネス分析を実現するための洗練されたアプリケーション開発テクノロジなどを多角的に展開していくことにより、クリスタルディシジョンズは、eビジネス市場におけるさらに優位なポジションを獲得しつつある。
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