エキサイトがEMCのNASを選んだワケコストパフォーマンスと信頼性でビジネスを加速 |
ハイエンドストレージ市場で強いプレゼンスを持つEMCだが、2008年10月に投入したNASアプライアンス「EMC Celerra NX4」はミッドレンジからローエンドのSMB市場を射程に入れたコストパフォーマンスが高い戦略的製品だ。仮想化やPCサーバによるファイルサーバのリプレースなど用途は広いが、Webサービスの裏側で使われる例もある。今回は音楽配信のバックエンドにNX4を採用したというエキサイトの事例を取材した。 |
予算、移行期間の厳しい制約の中でのベストの選択とは |
||
|
エキサイト株式会社テクノロジー&サービス本部 インフラマネジメント部システムオペレーション グループの中曽根康行氏(左)と松岡成氏(右) |
「EMCというベンダありきではなく、事業に適したディスクストレージということでNASを探していた」。こう語るのはエキサイト株式会社テクノロジー&サービス本部インフラマネジメント部システムオペレーショングループの中曽根康行氏と松岡成氏だ。同社では音楽ファンとアーティストを結ぶ、いわゆる「公式サイト」のホスティングを手がけているが、そのバックエンドにNX4を採用したという。
NX4以前はPCサーバをNFSサーバとして利用していたが、サービスが順調に伸びるとともに、このPCサーバがボトルネックとなった。「NX4へ入れ替える直前には、1週間に1度ぐらいの割合でパフォーマンス劣化が生じていた」(中曽根氏)。ロードバランサの配下に約50台のWebサーバをぶら下げ、そこから1台のPCサーバのNFSストレージをマウントしていたため、さばききれなくなった。「トラブルがあると、深夜作業を行う必要があった」(松岡成氏)。
PCサーバを冗長化させるという選択肢もあるが、そうはしなかった。構成を変えると「プログラム側での対応が必要になる。なるべくフロント側に影響を与えないような構成を作りたかった」(松岡氏)からだという。システムを変更するというビジネス上の決断から、実際のリプレース作業まで1カ月。時間も予算も限られていた。PCサーバ系や安価なアプライアンスは選択肢から除外した。検証に数カ月かかるようでは、いくら製品が安価でもビジネスのスピードについて行けないからだ。
すでにエキサイトではハイエンドストレージとしてEMCのDMXシリーズを利用していたことから、EMCブランドへの信頼感は持っていた。パートナーとして伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)を選んだのも、導入時の構築から設定まで安心して任せられるからだったという。設定は1日。コンテンツを転送し、50台あるWebサーバからマウントし直しただけで、「向こう3年間は手も付けなくていい」と中曽根氏は笑う。容量設計に余裕を持たせたこともあるが、いったん設定してしまえば、モデムによる遠隔監視や保守といったサポート面でも安定運用が期待できるからだという。
導入後3カ月ほど経た現在の運用は「たまにログを見て、確認する程度」(中曽根氏)。PCサーバ運用にまつわる煩雑さや停止時の対応などを考えれば、雲泥の差だ。「運用の安心感もあるが、お客様からすれば、レスポンスも速くなり、サービスレベルが向上したはず」(松岡氏)と、ビジネス面の改善が見逃せない。
高いコストパフォーマンスで安定運用 |
||
EMC Celerra NX4 |
このジャンルでは後発の戦略的製品ということもあり、NX4は他社の同ジャンル製品と比較するとコストパフォーマンスが高いという。同スペックで比べた場合に「数割ほど安い」(中曽根氏)という。
こうしたアプライアンス製品では、運用・管理のためのツールの使い勝手も気になる。「確かにディスク構成を頻繁に変えるとなると管理ツールが重要になる。しかし今回は、いったんストレージとして設定してしまえば、後はむしろ触りたくなかった。各サーバからマウントする使い方を想定していたので管理ツールは判断基準ではなかった」(中曽根氏)。NASも、使い方によってはコストパフォーマンスこそが最大の選択基準になり得るということだ。「各社のNASを比較すると、RAID構成も同じ、負荷耐性やパフォーマンスでも差がほとんどない」(松岡氏)。エキサイトではEMC製品のコストパフォーマンスと、CTCの技術面での提案力、サポート力を評価して導入を決めたという。
価格以外に目を向けると、実は標準構成の「構成」にも他社製品とは差があるのだという。「NX4はコントローラが二重化されていて、サービスに影響を出さずに修理ができる。お客さんに迷惑がかからないし、都合のいい時間に対応できる。これは大きなメリット」(中曽根氏)。このクラスの製品では2つ目のコントローラはオプションで別料金となることが多いのだ。
365日24時間運用の高負荷のWebサービス。経済環境の厳しい折り、“スモールスタート”としてPCサーバをストレージサーバとして運用するケースも多いかもしれない。サービスが順調に滑り出し、安定性や可用性が、現場の運用者やビジネスに悪影響を及ぼし始めたら、NASアプライアンスに目を向けたい。そうしたとき、EMC、CTCという強力なパートナーが、安定性やコストパフォーマンスの点で大きな力となってくれると言えそうだ。
エキサイト | |
伊藤忠テクノソリューションズ | |
EMCジャパン | |
EMC Celerra NX4 |
提供:伊藤忠テクノソリューションズ株式会社
企画:アイティメディア 営業本部
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年5月31日