AMD Opteron x Dell PowerEdge x KVM
最強のコスト効率はここにあった
2010/09/30
サーバのCPUリソースは、潤沢に欲しい。さらにいえば低コストに、シンプルに効率良く調達したい。だが、できればすべてが自己責任ではなく、ちゃんとしたサポートも受けられるようにしたい――。こうした悩みを持つ人たちのための、最強のソリューションがここにある
AMD Opteronを搭載したデルのPowerEdgeサーバと、レッドハットのRed Hat Enterprise Linuxおよび仮想化技術KVM。サポートが受けられるサーバリソースの調達方法として、現時点でもっともコストパフォーマンスに優れた組み合わせといえるかもしれない。このことはすでに一部のWebサービス企業などには知られているが、もっと幅広く知られてもいいはずと、デル ラージ・エンタープライズ マーケティング サーバ・ブランド・マネージャの一志達也氏は話す。
サーバはマルチコアが普通になってきた
AMDは、サーバ向けCPUで急速なマルチコア化を進めている。上位CPUラインのOpteron 6000シリーズでは2010年3月、12/8コアのOpteron 6100シリーズを国内投入。単一のプロセッサモデルで2ソケットサーバと4ソケットサーバのいずれにも対応することで、従来2ソケットサーバに比べてかなり割高感のあった4ソケットサーバの価格を下げられるようにするという、インパクトにあふれた発表だった。12コアのプロセッサを4個搭載すれば、1台のサーバで48コアが搭載できる計算になる。単純にいえば、1台のサーバで48台の1ソケットサーバを置き換えることができるわけで、計算するまでもなく圧倒的なコスト効率とスペース効率を実現できる。ちなみに、Opteron 6100のサーバベンダへの供給価格は、最上位モデルでも1300ドル強だ。AMDでは、この6100の後継製品として、12/18コアの新CPUを2011年に投入予定だが、これは6100とソケット互換であるため、6100搭載サーバは将来、18コア・プロセッサへの切り替えも可能だ。
一方、コア数よりも省電力性能を重視したバリューセグメントのOpteron 4000シリーズ(1ソケット/2ソケット対応)では、6月に米国で4/6コアの4100シリーズを発表した。そのサーバベンダへの供給価格は、最下位モデルで99ドルという驚きのレベルだ。消費電力は、6コアモデルでもTDPが35ワットで、競合他社の同等製品と比べて40%も少ない。
デルは多数のAMD搭載サーバを市場に投入しているが、その象徴的存在ともいえるのが「PowerEdge R815」「PowerEdge R715」だ。2Uの高さにそれぞれ4ソケット、2ソケットを備えたラックサーバで、特にR815はデルでは初めて、4ソケットサーバを2Uサイズで実現したもの。4つのCPUソケットを生かし、48コア構成が可能だ。ラックスペースを考慮しつつ、リーズナブルにマルチコア・コンピューティングの恩恵を受けることができる。
ここで忘れてはならないのは、サーバに搭載可能なメモリ容量だ。デルのPowerEdge上位モデルは業界最大レベルの搭載量を誇る。PowerEdge R815は32のDIMMスロットを持ち、8GBメモリモジュールなら256GB、16GBモジュールを使えば512GBまで搭載できることになる。また各CPUに直結されたメモリーチャネル数も競合他社の製品の3チャネルに対し4チャネルとなり、メモリへのアクセスおよび仮想化環境におけるパフォーマンス向上に寄与している。。ネットワーク接続についても、2ポートの10Gbpsイーサネットモジュールを選べるほか、6本のPCIeスロットを生かして機動的な拡張が可能だ。
デルのAMDプロセッサ搭載サーバは、こうした高い拡張性を備えたサーバモデルだけにとどまらない。10月中旬には最新CPU Opteron 4100を搭載した「PowerEdge R415」「PowerEdge R515」が国内投入される予定だ。この2つのモデルは、日本国内で唯一のOpteron 4100シリーズ採用モデルだ。どちらも2つのCPUソケットを備えたローコストサーバ。ローコストとはいっても、1ソケットに最大6コア、サーバとしては12コアを載せることができてしまう。DIMMスロットも8本備え、16GBモジュールを使えば最大128GBが搭載できる。
これらの新モデルは、PowerEdgeシリーズに共通の管理性のよさを受け継いでいる。例えばファームウェアやBIOSは、Supprt.Dell.comから自動アップデートするような設定が可能だ。ライフサイクルコントローラという管理機能では、ハードウェアの構成や診断、OSの導入や更新が1つのツールを使って行えるようになっている。
仮想化を活用するほど「安くつく」理由
そのデルが、Linuxで強固なサポート連携を行っているのがレッドハットだ。デルはRed Hat Enterprise LinuxのOEMを受け、ハードとLinux双方の一括サポートを提供している。Linuxサポートに当たってデルはレッドハット日本法人のデル担当サポート部隊チームと連携しており、2社が協力してユーザーのサポートニーズに応えられるようになっている。2社のソリューションは、大規模Webサービス企業や金融系企業など、ミッションクリティカルな場面でも現在、多数の導入実績がある。
その2社はいま、Red Hat Enterprise Linuxが備える仮想化技術「KVM」を、圧倒的なコスト効率実現のための切り札として強力に推進している。
KVMはLinuxカーネルにもマージ(統合)された仮想化ソフトウェア。デルによるLinuxサポートでは、仮想化技術KVM、およびその上のゲストOSのRed Hat Enterprise Linuxに対して一括サポートが提供される。Red Hat Enterprise Linuxには「Red Hat Enterprise Linux」と「Red Hat Enterprise Linux Advanced Platform」の2つのエディションがある。特にAdvanced Platformは非常に「安くつく」製品だ。KVMのサポートは製品価格に含まれていて、仮想化機能を追加コストなしで使用可能だ。
それだけではない。Advanced PlatformにはゲストOSとしてのRed Hat Enterprise Linuxを無制限に使えるライセンスもついている。支払う必要があるのは、インストールする物理サーバ台数分のAdvanced Platformのライセンス料だけなので、KVMによって多数のゲストOS、Red Hat Enterprise Linuxを動かすほど割安になる。
ここで、話がAMDのCPUと、これを搭載したデルのPowerEdgeサーバにつながってくる。Opteron 搭載PowerEdge サーバと、Red Hat Enterprise Linuxを使用する事により、最大 48CPU Coreのサーバ上で、驚くほど低コストに 仮想化インフラとゲストOSを含めた環境を構築できる。
レッドハットのグローバルサービス本部 ソリューションアーキテクトである内藤聡氏は、Operon 6100 × 4 (合計48CPU Core)、256GBのメモリ、10GbpsのNIC 2枚を搭載したPowerEdge R815で、Red Hat Enterprise Linux上でのKVMによる仮想化を検証し、1CPU、メモリ4GB程度のサーバ48台を1台に集約できることを確かめたという。もちろん、より小さなワークロードのケースでは、PowerEdge R815サーバ上でさらに多くの仮想マシンを集約することも可能だ。同構成で、他社のプロセッサを使った場合と比較すると、ハードウェアコストが1台当たり100万円程度も安く上がる計算になる。仮想化ソフトウェアもゲストOSのサポート費用も追加費用はゼロ。デルからRed Hat Enterprise Linuxを1本購入するだけで対応可能なので、安心して、低コストに1台のサーバへ複数サーバを集約できる。
内藤氏は、費用の観点から、サポートなしのLinuxを使用していたユーザーが、低コストに仮想化、Linuxの双方のサポートを導入できる KVM + Red Hat Enterprise Linuxへの移行を進める例が非常に増えてきているという。
仮想化ソフトウェアとしてのKVMの使い勝手についても、「KVM以外の仮想化ソフトの場合、チューニングポイントが多くなるケースがあるが、KVMでは特にチューニングをしなくとも、快適に動作する。あれこれ考えずに、シンプルに運用できるのは大きな魅力」(内藤氏)という。
デルでは、同社から購入することで、ハードウェアとOS、仮想化環境をワンパッケージとしてサポートを受けられるというユーザーメリットを訴える。「Red Hat Enterprise LinuxはLinuxのデファクト・スタンダードともいえる製品。今後さらに標準としての地位は強固なものになるだろう」と一志氏は話す。
PowerEdge R815はデルが4月に発表した製品だが、ハイパフォーマンス・コンピューティング(HPC)顧客を中心に販売は順調に推移しており、48コア構成での注文も多いという。「OpteronはAMDの逆転ホームランともいえるシリーズ。シンプルでコア数が多く、価格がリーズナブルだ」(一志氏)。
サーバCPUに、今後もマルチコア化が進んでいくことは明白だ。アプリケーションのマルチスレッド化もさることながら、仮想化で多数の仮想サーバに分割して使うのが汎用的で手軽な活用方法になっていくだろう。AMD、レッドハット、デルの3社のソリューションは、これからのコンピュータリソースの使い方をリードする最強のソリューションだ。
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Red Hat Enterprise Linux 5.4から搭載されている、カーネルベースの仮想化機能、KVM(Kernel-based Virtual Machine)についての評価の結果を記載したホワイトペーパーです。AMD Opteronのマルチコア・プロセッサがどれほどパワフルであるか、Dell PowerEdge R815が備える実力ともにご理解いただけます。
Intel-VT/AMD-V(仮想化支援機能のついたCPU)を搭載したハードウェアがあれば、RHEL上でKVMを利用するために必要なのは、RHEL 5.4以上にアップデートするだけです。有効なサブスクリプションを持っていれば、追加費用は全く必要ありません。お持ちのサブスクリプションがRHEL 5である場合は、1サブスクリプションでRHEL仮想マシンを4つまで利用可能です。さらに、RHEL 5 AP(Advanced Platform)であれば、1サブスクリプションでRHEL仮想マシンを無制限に利用する事が可能です。
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提供:デル株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2010年10月29日
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