|
SFAパッケージのデータベースに
「Symfoware」を採用
エコー電子工業は福岡市に本社を置くICTソリューション企業だ。九州一円の中堅・中小企業に対して地域密着型のサービスを展開し、約3000社の顧客企業を持つ。富士通とは創業間もない1960年代から販売特約店としてパートナーシップを結んでおり、現在も富士通製品を使ったさまざまなソリューションを提供している。

エコー電子工業 東京支店 支店長 坂田祐司氏
中でも、同社の主力製品である「常勝集団 for Web」(以下、常勝集団)は、ハードウェアからミドルウェア、データベースまで、ほぼ全てのコンポーネントに富士通製品を採用したSFA製品だ。エコー電子工業 東京支店 支店長の坂田祐司氏は、製品の成り立ちについて次のように語る。
「常勝集団は、そもそも自社の営業力を強化したいと考えたことが開発のきっかけとなった製品です。というのも、営業には顧客との関係構築から、商談、成約に至るまで、さまざまなノウハウがあります。しかし、どれも基本的には標準化できるノウハウでありながら、営業単独での活動が多いため、新人になかなかノウハウが引き継がれないという問題があります。よって、会社全体の営業力を底上げするため、日々の活動を見える化し、情報を共有する必要があると考えたのです。そこで富士通に良いSFAがないか相談したところ、『協力するので自社開発してみては?』と逆に提案され、開発に至りました」(坂田氏)
具体的には、富士通のデータベースソフトウェア「Symfoware」と、コラボレーションツール「Teamware」をベースに、富士通の全面的な技術支援を受けながら開発したのだという。1997年のバージョン1ではクライアント/サーバ型のアーキテクチャを採用していたが、最新版はWebアーキテクチャに完全対応し、現在多くの企業で採用されている。

常勝集団のカタログ
「営業の現場では『先輩の仕事を見て覚える』という風潮が根強く、営業ノウハウが属人化しがちです。そこで常勝集団には、営業スタッフの行動を分析・パターン化して登録できる機能を搭載しました。これによって、経験の浅い営業スタッフでも、最適なパターンを参考に行動するうちに“その会社のベストプラクティス”を自然に取り入れられ、成長できる仕組みとしたのです。この点は他のSFAにはない強みと考えています」(坂田氏)

常勝集団の画面イメージ。自分の予定や営業の進捗、自社のベストプラクティスを共有できる(クリックで拡大)
また、営業スタッフが日々システムに入力する業務報告内容を後から参照できるだけでなく、さまざまな切り口から分析し、チャートやグラフの形式で表示するBI機能も搭載。この点もユーザーから高く評価されているという。
Symfowareならではのデータベース分割機能と
高度なチューニング
ただ、同社は常勝集団に使うデータベースを最初からSymfowareと決めていたわけではない。東京支店 システム課 課長補佐の坂本二郎氏は、他社製品も含めて検討していた中、Symfowareを選んだのは、「DSI(Data Structure Instance)機能を当時から実装していたためです」と力説する。
「常勝集団のバージョン1はクライアント/サーバ型として開発しましたが、弊社には複数の拠点があります。その各拠点をまたがる形で常勝集団を使うためには、データベースを分割して各拠点に置く必要がありました。この要件に、テーブルデータを保存するディスク領域を指定でき、双方向レプリケーションも容易に行えるDSI機能がぴたりとはまったのです」(坂本氏)

エコー電子工業 東京支店 システム課 課長補佐 坂本二郎氏
このDSI機能は現在の最新バージョンに至るまで、Symfowareが独自に持ち続けてきた特長的な機能だ。これは将来的なSaaS提供も視野に入れて開発した現在の常勝集団にも貢献しており、「DSI機能によって顧客ごとにデータ領域を完全に分割し、複数の顧客で同一のシステムを共用しても、各データをセキュアに保護できる点で大きなメリットがあります」(坂本氏)という。
この他にもSymfowareならではの3つの大きなアドバンテージがあった。1つは、オンメモリデータベース技術により、極めて高度なチューニングが可能なことだ。今でこそ多くの製品がこの技術を実装しているが、Symfowareは15年以上前から基本機能の1つとして搭載してきた。常勝集団においてもバージョン1からこの機能を活用し、アクセス頻度の高いテーブルのデータを、アプリケーション起動時にメモリ上に自動的に配置することで、極めて高いスループットを実現してきたという。
2つ目は堅牢性。常勝集団はバージョン1のリリースから15年がたとうとしているが、データベース周りのトラブルには一切無縁だったという。坂田氏は「ユーザー企業からも、データベースが関係するようなトラブルの問い合わせは一度も受けたことがありません。Symfowareはそれだけ堅牢かつ安定した製品なのだと思います。これは常勝集団の信頼性を担保する上で欠かせない要件だと感じています」とコメントする。
そして3つ目は互換性の高さ。当然ながら、データベース製品も一定のスパンでバージョンアップする。その際、そのデータベース製品を使っているアプリケーション側にも何らかの改修が必要になるのが常だ。だがSymfowareの場合、互換性に優れるため、10年前に開発した常勝集団が、最新版のSymfowareの上でも、若干のメモリチューニングを施すだけで問題なく動作するのである。「この点は、アプリケーションのメンテナンスコストを低減する上で大きなポイントになっています」(坂田氏)という。
国産ベンダならではの
充実したサポート体制
ただ、Symfowareは細かな設定・チューニングが可能な製品であるため、存分に使いこなす上ではデータベースに関する高度な知見も必要となる場合がある。坂田氏もその点を挙げて、「ある程度データベースを勉強する努力が必要」と指摘するが、その際の富士通のサポート体制の貢献を高く評価する。
「弊社では、常勝集団のバージョンアップの際、チューニングを最適化できるよう、富士通のサポートサービスを徹底的に活用してきました。むろん、弊社の開発スタッフもプロですが、Symfowareの仕様を知り抜いたサポートスタッフによる助言は、われわれの質問に対し常に的確で、非常に参考になるのです」(坂田氏)
また、常勝集団はサーバのミドルウェアから、クライアント側のプラグインソフトウェアまで、あらゆる部分に富士通の製品を使用してきた。その点、「どの部分に対する問い合わせにも、富士通のサポート窓口がワンストップで対応してくれる他、極めて細かい内容の問い合わせや緊急時の問い合わせにも、的確・迅速に回答してくれるため、ユーザーとして非常に心強いです」(坂田氏)という。
富士通が用意しているSymfowareのマニュアルも「充実していて分かりやすい」と評価する。「お陰で設定・チューニング以外のほとんどの疑問は、サポート窓口に問い合わせることなく解決できました。マニュアルのどのページを見るべきか分からなくても、サポート窓口に問い合わせれば、その疑問に最適な参照ページを丁寧、かつ迅速に案内してくれるのです。結局、Symfowareは製品だけではなく、“充実したサポートサービスも合わせた導入メリット”が非常に大きいと言えるのではないでしょうか」(坂田氏)
クラウドサービスのデータベースとしても
Symfowareに期待
現在、エコー電子工業では常勝集団を提供する一方で、クラウド浸透のトレンドを見据えた各種ソリューションの開発にも力を入れている。その一つがiPhoneおよびAndroid端末向けアプリケーションの「エコカウンター」だ。これは「アイドリングストップをする」「公共交通機関を使用する」といった行動に合わせて所定のデータを入力することで、日々のCO2削減量を集計できるというもの。現在は個人向けのスタンドアロンアプリケーションとして提供しているが、将来的には企業向けのクラウドサービスとして提供予定だという。

エコカウンターの製品ロゴ
「近年はISO14001への対応など、CO2低減の取り組みがCSRの観点からも重視されています。エコカウンターで個々の社員に毎日の行動データを入力してもらい、クラウド上でCO2削減量を集計可能とすれば、企業全体のCO2削減量を正確・効率的に把握できるわけです。ただ、こうしたソリューションを実現するためには、企業向けクラウドサービスにふさわしい高性能で堅牢なデータベースが必要です。これにもSymfowareは最適なのではないかと考えているのです」(坂田氏)
坂田氏は、このようにSymfoware活用のバリエーションを示しながら、「さまざまな可能性を考えられるのも、やはり国産製品としての安心感があるからこそでしょう」と結論付ける。
「現在は、どんな大企業でもある日突然買収されてしまう時代です。特に海外のベンダの場合、買収や合併などを受けて、製品ラインナップだけではなく、サポート体制まで様変わりしてしまうケースが少なくありません。その点、ミッションクリティカルシステムや自社開発アプリケーションの信頼性を担保する上で、“あんしん”を約束してくれる富士通の製品開発・提供ポリシーは非常に貴重なものだと感じています。富士通には、“国産データベース”の灯を絶やすことなく、Symfowareを今後もずっと提供し続けてほしいですね」(坂田氏)
関連リンク |
|
![]() ![]() ![]() 書籍『メイドインジャパンのデータベース Symfoware Serverの実力』発売中! ![]() ![]() |
関連記事 |
|
![]() |
|
![]() |
|
![]() |
提供:富士通株式会社
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2012年3月31日