
購入してすぐ使える仮想化システム
「AZBOX Hyper-V モデル」
仮想化をよりうまく活用したい、でも使えない。どんな効果を出せば成功か?
2012/6/25
中小企業にとって
仮想サーバ導入は手間がかかるのが実情
「仮想化」というキーワードが注目されてから久しく経つが、現在、中堅企業から大手企業を中心に仮想サーバやクラウドサービスの導入が本格化しており、もはやITシステムに仮想化環境を利用するのは当たり前とも言える状況となってきた。その一方で、こうした仮想化への急速な流れの中で、活用方法/効果測定をうまく形にできていないのが中小企業だ。
例えば、自社で仮想サーバを導入しようとした場合、物理サーバ上に仮想環境を構築・設定し、“物理サーバと仮想サーバが混在した複雑な環境”を、自ら管理・運用することが必要となる。
しかし、ITの専任担当者が少人数、もしくは一人もいないという中小企業にとって、“コスト、時間、体制面でハードルが高い”と言わざるを得ない。コスト削減が至上命題となっている中小企業にこそ、仮想化によるコストメリットを生み出すことが求められているのにもかかわらず、担当者不在や効果予測を立てるための経験不足が原因となり、導入にまで踏み切れていないのが実情なのである。
こうした市場背景の中、中小企業でも簡単かつ低コストに仮想化環境を導入・運用できるソリューションとして富士通マーケティングが提案しているのが、「AZBOX Hyper-V モデル」だ。
設定・検証要らず!
購入してすぐ使える仮想化システム
「AZBOX Hyper-V モデル」は、システム構築に必要なハードウェア、ソフトウェア、構築作業をセットで提供するオールインワンソリューション「AZBOX(アズボックス)」の仮想化環境対応版。Windows Server 2008 R2の仮想化技術「Hyper-V」による仮想化環境を、富士通製「PRIMERGY」サーバ上にあらかじめ構築し、仮想OSと各種アプリケーションを設定・検証済みで提供するという、今までにない形の仮想化システムだ。
従来型の仮想化システムでは、仮想化ソフトウェアを購入したとしても、その後に仮想マシンごとに仮想OSやアプリケーションをインストールし、ハイパーバイザや仮想アプリケーションの設定や構築作業など、物理サーバ同様の作り込みをユーザー自らが行う必要があった。多くの中小企業の場合、この工程を自ら行うのは難しく、外部委託業者やSIerに依頼して行っているケースが多い。
![]() |
富士通マーケティング ICTサービス本部 AZSERVICE事業部 AZSERVICE企画管理部 担当部長 有滝和貴氏 |
これに対して「AZBOX Hyper-V モデル」では、仮想OSと各種ビジネスアプリケーションの設定を実施済みの「AZBOX Hyper-V構成済みアプリケーション」を、VHD(Virtual Hard Disk)ファイルとして提供。ハードウェアレイヤとソフトウェアレイヤを分離し、Hyper-Vによる仮想レイヤにVHDファイルをインポートすることで、複雑な設定などを行うことなく、中小企業でも容易に仮想化システムを構築できるようにした点が特徴だ。
富士通マーケティング ICTサービス本部 AZSERVICE事業部 AZSERVICE企画管理部 担当部長の有滝和貴氏は、「ゲーム専用機の仕組みをイメージすると分かりやすい。ゲーム専用機は、1つのハードウェア本体を共通に、動作検証済みのソフトウェアカートリッジを入れるだけで、さまざまなゲームを楽しむことができる。『AZBOX Hyper-V モデル』も同様に、Hyper-Vが動作する仮想サーバを共通のハードウェアとして提供するので、ユーザーは必要なVHDファイルをカートリッジのように組み込むだけで、中小企業のニーズにマッチした仮想化システムを実現できる」と説明する。
![]() |
AZBOX Hyper-V モデルのサービスイメージ図。ゲーム機とカセットの関係に近い |
Hyper-Vの採用によって、
物理→仮想化の移行もスムーズに
また、ハイパーバイザにHyper-Vを採用することによって、仮想化システム構築へのハードルを下げている点も見逃せない。数十台のサーバを集約する大規模仮想化基盤向けのVMwareに比べて、Hyper-Vは10台以下の小規模な仮想化システムの構築に適している。さらに、Windowsプラットフォーム上での仮想化機能として提供されるため、ユーザーインターフェイスなどが馴染みやすく、物理環境から仮想化環境へ移行した際に操作で戸惑いにくい点もポイントだ。
「Hyper-Vの仮想化環境上で、動作検証済みのビジネスアプリケーションをVHDファイルとして展開するのは、『AZBOX Hyper-V モデル』が世界初の取り組みだ。そのため、開発からマイクロソフトの全面的な協力を得ることができた」と、富士通マーケティング ICTサービス本部 AZSERVICE事業部 AZSERVICE開発部長の小松太郎氏は、マイクロソフトとの密接なパートナーシップによって「AZBOX Hyper-V モデル」が実現できたと述べている。
![]() |
AZBOX Hyper-V モデルで提供される動作検証済みのビジネスアプリケーション一覧。マイクロソフトとの綿密な連携によって実現したという(図をクリックで拡大) |
現在、VHDファイルとして提供している「AZBOX Hyper-V構成済みアプリケーション」のラインアップは、日本マイクロソフト「Microsoft Windows ファイルサーバ」「Microsoft Lync Server」、Sky「SKYSEA Client View」、サイボウズ「サイボウズ Office 9」「サイボウズ ガルーン 3」、ウイングアークテクノロジーズ「Dr.Sum EA」、シマンテック「Symantec Endpoint Protection」など。それぞれ、ファイルサーバ、コミュニケーションインフラ、クライアント統制、グループウェア、情報分析、ウイルス対策などのカテゴリに分かれており、用途に合わせて選択できるようになっている。
これらのアプリケーションの中から必要なものをオーダーし、実際に仮想化システムが構築されるまでに要する期間は約3週間。一方、従来型の仮想化システム構築では、要件の確認、設計など案件ごとの対応であるため、技術的な動作検証に数カ月かかってしまうケースも少なくない。これに比べると、「AZBOX Hyper-V モデル」が、いかに短期間で仮想化システムを構築できるかが分かる。
![]() |
富士通マーケティング ICTサービス本部 AZSERVICE事業部 AZSERVICE開発部長 小松太郎氏 |
「仮想化システムの構築を行う際、特に時間がかかるのが要件定義。そこで、『AZBOX Hyper-V モデル』では、各アプリケーションごとに必要最低限の要件に絞ったヒアリングシートを用意し、このシートのチェック項目に基づいてシステム構築を行っていく。お客さまに多くの選択肢を提示してやりとりに時間を費やすよりも、実績のある型決めされた設計をあらかじめ提示した方が、システムの導入がスムーズに進むメリットもある」と小松氏。「ただ、各ベンダごとにアプリケーションの細かい仕様が異なるため、1つひとつHyper-V環境での動作検証を行い、要件を絞り込んだヒアリングシートを作るのは簡単なことではなかった」と、「AZBOX Hyper-V構成済みアプリケーション」の開発において苦労した点を挙げた。
多大なコストをかけずとも
仮想化システムの導入が可能に
小松氏が語ったように、従来であれば自社もしくはSIerが行うべき動作検証をベンダ側で実施しているメリットは大きい。それに伴う時間や人的リソース、コストを削減できる上に、さまざまなリスクも大幅に減らすことができるからだ。
このように「AZBOX Hyper-V モデル」は、中小企業でも多大なコストをかけずに、簡単かつ短期間に仮想化システムを導入でき、仮想化環境において用途に合わせたさまざまなアプリケーションをすぐに利用することができる。例えば、仮想化環境でサイボウズを使おうとした場合、仮想サーバの設定やアプリケーションの動作検証などはすべてベンダ側に任せて、エンドユーザーはサイボウズを活用することだけに専念できるのだ。
![]() |
従来のサーバ仮想化とAZBOX Hyper-V モデルの違い |
さらに、「AZBOX Hyper-V モデル」は、仮想サーバと仮想アプリケーションだけでなく、導入後の問合せ窓口等の運用サポートも用意しており、ソフト保守やハード保守で必要なものを自由に選択できる点も大きな特徴だ。
「サーバやアプリケーションを仮想化して提供することは、実はどのベンダにもできること。しかし、中小企業では仮想化環境を導入したものの、運用段階で使いこなせずに、物理環境に逆戻りしてしまうケースも少なくない。これに対して『AZBOX Hyper-V モデル』では、いままで富士通グループが培ってきたシステム設計や運用ノウハウまでを併せて提供している。もともと『AZBOX』は、システム構築に必要なハードウェア、ソフトウェア、構築作業をセットで提供するとともに、運用・管理をスムーズに行えるようにマニュアル類を充実させていた。このコンセプトは、『AZBOX Hyper-V モデル』にも継承されており、電源のオンオフから始まりバックアップ方法など、仮想化サーバ運用に必要な手順を標準化し、マニュアルとして提供している」と、有滝氏は、中小企業が仮想化導入でつまずきやすい運用・管理面の課題も解決できると力を込める。
実際に、「AZBOX Hyper-V モデル」を導入している企業からも、運用・管理面を評価する声が多く挙がっているようだ。「特にバックアップ製品として、シマンテックの『Symantec System Recovery』(SSR)を標準で提供するため、システム基盤を維持運用するための特別な知識は不要であり、導入したアプリケーションの運用に集中できる。また、AZBOXシリーズの基盤維持は全て共通方式なので、後で新しいAZBOXを追加しても運用が変わらず、安心して長く使っていただける。各種アプリケーションのデータを共通の仕組みでバックアップできる安心感は大きい」(有滝氏)としている。
サポートも一本化され、運用管理も安心・簡単
また、仮想化環境では、1つの仮想OS上に複数のアプリケーションやミドルウェアが混在し、動作が不安定になったり、障害発生時の問題切り分けが困難になるケースもある。しかし、「AZBOX Hyper-V モデル」では、アプリケーションごとに独立した仮想OSを立てることで安定した動作を実現するとともに、障害が発生した場合にも不具合が出ている仮想OSをユーザー自身で特定することが可能になるという。
なお、ユーザーサポートについては、富士通マーケティングによるIT運用サービスメニュー「IT用心棒」を提供。PCの操作方法からサーバトラブルなど、あらゆる問い合わせを一本化し、サービスデスクが対応する。このほか、システム監視やトラブル対応、運用代行などのサービスメニューを用意しており、中小企業のシステム運用を強力にサポートする。さらに、今後は障害対策のノウハウを集約したポータルサイトを開設し、過去の事例を掲載するなど、エンドユーザー自身での障害対応を支援していく考えだ。
これからの時代、ITコスト削減への要求はさらに厳しくなり、中小企業においても仮想サーバの導入は避けては通れない課題になってくる。その時、少ないリソースで仮想サーバを導入するためには、“複雑な仮想化環境をいかに簡単かつ低コストで構築・運用できるか”が重要なカギとなる。まさに「AZBOX Hyper-V モデル」は、そのベストプラクティスと言えるだろう。仮想化導入への一歩が踏み出せない中小企業は、まず「AZBOX Hyper-V モデル」を検討してみてはどうか。
関連リンク
提供:株式会社富士通マーケティング
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2012年7月24日