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@IT > 国産の強みと多数のSIノウハウで現場を“満足”させるアプリケーションサーバ |
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いまやサーバサイドシステムの構築にはJavaの技術をベースとするアプリケーションサーバ(以下、APサーバ)は一般的な存在になった。Java VMなどのJavaシステム特有の基盤技術を活用したことで、案件ごとで毎回の試行錯誤や工夫、熟練した技術者のノウハウがAPサーバ自体に必要となっている。そのため、SIの現場ではいまだにAPサーバに対して多くの“不満”があるようだ。ところが、日立製作所の統合システム構築基盤「Cosminexus」の中核に位置するAPサーバは、ユーザーからの“満足”度が高い。これはなぜなのか。製品に盛り込まれている、日立製作所がSI経験によって得た多数のノウハウや、国産メーカーならではの強み、という2つの側面からその答えについて解明していこう。 日立製作所の統合システム構築基盤「Cosminexus」は、SOAアーキテクチャに対応したシステムを構築するためのミドルウェア群だ。その強みは、日立製作所のSI経験のノウハウが各ミドルウェアに活かされている点だという。Cosminexusの中核であるAPサーバも、SIの経験と国産ならではのサポートの良さという強みがユーザーの“満足”を生み出しているようだ。 CosminexusのAPサーバは、採用したパートナーから以下のような評価を得ている。
それでは「Cosminexus」の評価ポイントを整理してみよう。
SOAが語られるようになって久しいが、ユーザーの現場における現実的なSOAは、オンライン上でサービスを統合するだけではない。例えば、対話処理やバッチ処理もサービスとしてとらえて、統合することが重要だ。Cosminexusは、このような現実のニーズに応えるために、さまざまな業務形態をSOAの枠組みでとらえ、システム化に必要なミドルウェアを豊富にそろえている点が大きな特長である。 これらのミドルウェアの中核に位置するAPサーバが「uCosminexus Application Server」(以下、Cosminexus APサーバ)だ。Cosminexus APサーバは、Java EE 5の最新バージョンにも対応したWebアプリケーションサーバの実行・運用環境だ。Webコンテナ/EJBコンテナと呼ばれる、Javaアプリケーションの実行基盤を中核とし、データベース(以下、DB)連携、Webサービス対応、運用管理など、Webアプリケーションの実行、運用に関するさまざまな機能で構成されている(図1)。
日立製作所は、自身がSIの経験によって得たノウハウをCosminexus APサーバに盛り込んだため、熟練したエンジニアの「巧」「ノウハウ」に大きく依存することなく、APサーバにあらかじめ備えられた機能を利用することで、性能の高いアプリケーションを開発できるという。 ■ 環境構築や各種パラメータ設定を簡単に 開発現場でよく聞く“不満点”は環境構築、各種のパラメータ設定などの難しさだろう。Cosminexus APサーバではこれらをいかに解決しているのか。まず基本的な環境構築は、構成パターンと接続先DBを選択するだけのウィザードで設定でき、初期導入時間を大幅に削減できる。加えて、従来まで多大な労力を必要としていた各種パラメータ設定については、典型的なシステム構成パターンをいくつか用意し、対応するパターンに適したパラメータを自動設定してくれるので、必要最小限の設定のみでサーバを構成できるようになっている。 ロードバランシングを含む複雑なWeb構成においては、日立製作所の統合システム運用管理「JP1」の機能を使うことでWeb推奨モデル(Webサーバ、APサーバ、ロードバランサ)を適用し、Cosminexus APサーバのシステム設定を簡単に行えるのだ。 ■ 開発環境MyEclipse日本語版との連携を標準で 一方、開発環境ではEclipseベースの開発環境「MyEclipse」が標準で提供される。MyEclipseは、北米・欧州で定評あるEclipseプラグインだ。Cosminexusでの同梱提供のほかに、日立製作所はGenuitec社と提携し、日本語版MyEclipseのサブスクリプションサービスの提供を行っている。 MyEclipseにはJava EE開発に必要なプラグインが一通り用意されていて、インストールすれば即時に設計からの一連の開発をスムーズに進めることができる(詳しくは連載 「開発マネージャーのMyEclipse指南塾」を参照してほしい)。
Cosminexus APサーバにおけるRAS機能面はどうだろうか。RAS機能とは信頼性(Reliability)、可用性(Availability)、保守性(Serviceablity)のことだ。ここでは、Cosminexus APサーバについてのパフォーマンスも含め、RAS機能を見ていこう。 ■ 日本語処理においても高速で安定したJava VM Cosminexus APサーバのJava VMは、日立製作所がサン・マイクロシステムズからライセンスされたソースコードに対して機能拡張とチューニングを行っている。そのため、Java VM自体にバグがあった場合でも、対策を施したJava VMを速やかに提供できる。また、海外製品に類を見ない特長は、海外製品では見過ごされていた日本語処理の高速化を行っている点だ。Java VMのソースコードをメーカー自身が保持していることを含め、日本語処理を高速化できるのは“国産メーカーならでは”の大きな強みといえる。 Java VMに施された拡張は以下の4点に整理される。
■ 最適化と自律化による高い安定性 また、Cosminexus APサーバは、システム稼働中の業務処理量の急激な増減やDBなどに障害が発生した場合にも、自律的な対応で運用時の高い安定性を提供できる。 例えば、Cosminexus APサーバはアプリケーション単位に専用キューや同時実行スレッド数制御が可能なため、重い業務処理の影響でシステム全体の性能が低下することがない。業務画面(=URL)ごとに処理を制御できるため、業務の優先度や業務システムが与える負荷に応じて、システム全体のパフォーマンスの最適化を図ることが可能だ(図2)。
EJBにおいても、リクエスト単位の優先制御やEJB単位のサービス閉塞によるきめ細やかな運用オプションを提供する。リクエストキューの滞留状態を監視し、自律的にスローダウンからの回復動作が可能となっている。 安定稼働という観点では、DBサーバの障害発生に対応できることも必要だ。例えば、クラスタ構成のDBサーバで障害が発生した場合、通常アプリケーションは障害が発生したDBサーバに対しても接続を試み、無応答に陥るケースが多い。 この点、Cosminexus APサーバではコネクションプールをDBサーバごとに持つため、障害の発生したDBサーバのコネクションプールを自動的に閉塞し、アプリケーションとDB間の健全なコネクションを維持できる。しかも、停止したDBサーバが再起動した際には、Cosminexus APサーバはアプリケーションとのコネクションを自動的に再接続する(図3)。
また、Cosminexus APサーバはタイムアウトした業務を検知し、問題となるアプリケーションを強制停止することも可能としている。これはAPサーバとしては業界でも珍しい機能だろう。業務処理の実行時間を常時監視し、タイムアウトを検知。検知した際にはメッセージやスレッドダンプを出力し、無限ループやDBに投げたSQLが戻って来ないなどの問題となっている処理をキャンセルできるので、障害にも迅速に対応できる(図4)。
本番運用環境では、トラブルへの対処、サイトの成長に応じた将来の負荷の予見など、重要な課題が多い。Cosminexus APサーバは、APサーバ本体でも運用・保守を幅広くサポートしているのが大きな強みだ。 ■ JP1との連携で自動化もできる運用性能 運用性能の強みには、コマンドによる退避/回復操作で、複数のアプリケーションサーバ環境を切り替えながら使用できることが挙げられる。例えば、バージョンアップや定義の変更後にシステムトラブルが発生した場合、コマンドで間違いなく簡単に元のアプリケーションサーバ環境に切り戻すことができるので、システム稼働率を向上できる。この機能では、パラメータや配備されたアプリケーション(EAR)も一緒に退避されるため、実行環境の退避/回復機能としても利用できる。 また、システムを止めることなくバージョンアップを行うことが可能であるという強みもある。ノンストップ稼働が基本の販売システムでは、たとえ5分止まるだけでも、受注件数に5万、10万といった単位で影響があるため、この運用性の高さは重要である。 さらに、Cosminexus APサーバは日立製作所の実績ある統合システム運用管理「JP1」と高い親和性がある。JP1からCosminexus APサーバの稼働状況をリアルタイムに把握でき、サーバの起動/停止、アプリケーションの開始/停止といった定型業務をスケジュール化して自動運用できる。スケールアウトの作業の自動化にもJP1を活用できるのだ。 通常、システム拡張の際には、増設サーバごとにインストール、セットアップ、パラメータ設定の作業が必要だが、Cosminexus APサーバではマスタシステムのディスクを増設サーバに複製することでセットアップ作業を行える。JP1からシナリオ運用を適用することによって、ディスク複製を用いたセットアップからロードバランシングの設定までを自動化できるため、スケールアウトの大幅な省力化を図ることができるという。 ■ 性能分析、障害解析を効率化する保守性能 本番運用環境でのサーバ稼働状況の把握は、システムのボトルネックの調査、トラブルの未然防止、パフォーマンスチューニング実施の必要性を判断したり、将来のスケールアウトのタイミングを計画するためにも重要だ。 Cosminexus APサーバで構築したシステムでは、リクエストの処理過程で各サーバが出力するトレース情報を、「パフォーマンストレーサ」というプロセスを使用してトレースファイルに出力できる。このトレースファイルには、クライアントから送信されたリクエストが、DBなどのEIS(Enterprise Information System)層で処理されて、その処理結果がクライアントに返却されるまでのトレース情報が出力される。 加えて、セッションのライフサイクルを判断するための情報もこのファイルに出力される。このトレース情報を基に、システムの処理性能やボトルネックを解析できる(図5)。
◇ このようにCosminexus APサーバは、システム構築・運用で求められる実に多くの製品性能・サポートを持ち合わせており、長きにわたって安心して使うことができるアプリケーションサーバといえるだろう。
提供:株式会社 日立製作所
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT編集部 掲載内容有効期限:2008年3月31日 |
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