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@IT > 座談会:J2EEミッションクリティカル時代の課題とは? |
企画:アットマーク・アイティ 営業企画局 制作:アットマーク・アイティ 編集局 掲載内容有効期限:2003年6月30日 |
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── ここで少し論点を変えてみましょう。そもそも、アーキテクチャの問題はないのでしょうか? 例えば、「JavaでなくC言語を使った方がいい」という場面は考えられませんか? 藤井 ボーランドではJava開発ツールを提供していますが、同時に「すべてJavaでやる必要はありませんよ」ともいい続けています。逆に、ユーザーの方が「すべてJavaにしなければ」と視野を狭くしている面があるように思います。技術者を抱える企業は、「手段としてJavaを使う」という視点に戻って、「適材適所で必要な言語を使うんだ」という意識を持ったエンジニアを育てようと考えてほしいですね。 新しい製品がどんどん出て、ユーザー側が消化不良になってしまっている点は、もっと真剣に考えていくべき問題だと思います。ただし、Javaという分野で非常に難しいのは、VM(バーチャルマシン)自体がアップデートしていること、そしてJ2EEのように仕様がどんどん新しくなっていくということです。まだまだ進歩していくJavaの技術に対して、製品がその仕様に追従していく必要もあるのです。 現場で実際に使う方は、一歩引いた視点で「ツールは道具である」ことをしっかり理解して選択することが大切です。ボーランドもその点をアピールして、「こうすればアプリケーション開発がうまくいきますよ」ということを訴求していきたいと思います。
粟津 新規に開発を行う場合に多いのですが、「アプリケーションサーバでJ2EEを使って……」となると、ユーザー側から「すべてJavaでそろえたい」とリクエストされます。 私が「ここはJavaよりもTPモニタのようなものをかませるべきですよ」と提案しても、「せっかくJavaでやっているんだから、すべてJavaでいこうよ」といわれてしまうケースも結構ありました。メンテナンスを考えると、Javaで統一した方がコスト的にも安く上がるというのも分かります。そこで、弊社では、そのシステムの拡張計画やシステムダウン時のリスクなど、システム機能以外に必要な要件もご提示させていただきながら、ご納得いただけるシステムアーキテクチャをご提案し、最終決定していただくようにしております。 武内 テクノロジは広がり続けています。運用管理に限っても、ストレージだけをとっても複雑になっています。ネットワークという切り口だけでも複雑になってきています。これでは、ユーザーが管理する範囲も幅広くならざるを得ません。ベンダは、十分な情報提供に加えて、ソリューションとして提供する努力が必要だと思います。 ── テクノロジ的に、運用と開発の協調を実現することは可能でしょうか?武内 近年のシステムは監視対象が幅広いため、さまざまなケースが想定されます。アプリケーションごとに提供されるデータも異なりますし、ネットワークデバイスもさまざまです。それぞれの運用状況を監視するというところまではできています。 今後は、さらにサーブレットでXMLをはき出すところの監視までするといったことまで考えています。テクノロジ的に可能なことはいろいろやっていますが、それがユーザーにソリューションとして見えているのかというと、残念ながらまだまだだと思っています。
山岡 日本のベンダを見ていると、すべて自社製品でそろえる傾向が強いですね。そうした企業は、製品の横のつながりを強くすることに非常に力を入れています。異なる企業の製品の間でも横のつながりを作ることが実現すれば、状況はかなり違ってくると思います。 武内 いま、現場にばかりしわ寄せがいっています。ベンダが連携することで、これを何とかカバーできるのではないでしょうか。 「何ができるのか」をもっと分かりやすくまとめて、ソリューションとして伝えられるような形を、みんなで作っていくしかないでしょう。そのためには、現場のニーズや開発者の声をもっと聞く必要があります。また、各社の製品をもっと理解していかなければなりません。 現在は、これらを横断的に見ることができる人がいません。では、どうしたら実現できるのか? 利益だけではない、現実的なアライアンスの必要性がそこにあります。今回の座談会を読んだ方からいろいろな意見をいただいて、メーカーが今後取るべき連携のあり方につなげたいと思っています。
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