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@IT > 「Essentials ソフトウェア」が使えるから選ぶHP ProLiant【前編】 |
多くの企業の情報システム部門は、膨大な台数のサーバをいかにして効率よく管理するかという課題を抱えている。とりわけ、ハードウェアの保守運用を担当するサーバ管理者は、マルチベンダー環境のハードウェア管理に格闘しながら業務をこなしている。 しかし、増え続けるサーバ台数への対応は日を追うごとに難しくなり、すべてのサーバの運用状態を確実に把握、管理するのは極めて困難になりつつある。そうしたサーバ管理者のニーズに応えるために、日本ヒューレット・パッカード(HP)が同社のx86サーバ HP ProLiant向けに提供している運用管理ツール群がある。それが「HP ProLiant Essentials ソフトウェア」だ。
企業のサーバルーム、あるいはデータセンターを訪ねると、数十〜数百台のサーバやストレージ、ネットワーク機器がラックに収められている壮観な光景を目の当たりにすることがある。それらの機器の多くは、業務システムごとに導入されたものが多く、その業務システムが構築された目的、要求定義、導入時期によって機種も異なっているのが普通だ。 このように別々に構築されてきたいくつもの業務システムをまとめて管理する情報システム部門、特にサーバ管理者にとって、こうした機能、性能、仕様が異なるサーバを管理することは、非常に難しい仕事になっている。「業務システムはどんな構成で」「そのサーバはどこのラックに格納されていて」「何という機種でどんなパーツを使っているか」といった基本的な要素でさえ、サーバ台数が増えることで管理があいまいになってくる。 ひいては、サーバの障害対策の遅れによるサービス復旧の遅延、システムを拡張する際のサーバの配備と展開の遅れ、大量導入時のインストール作業にかかる無駄な手間や時間などの事態をもたらす。 そうしたサーバ管理者の負担を減らそうと、サーバベンダー各社は自社製サーバに管理用ハードウェアモジュールを組み込んだり、サーバ管理者向けの管理ツールを用意したりしている。一方で、「ベンダーごとの違いは、サーバ管理者にとっては不都合だ」と言い、それらのツールを使ったことがないサーバ管理者も少なくない。 しかし、それはもったいない話だ。システム規模に関係なく、効率のよいサーバ管理を行うためには、有効なサーバ管理ツールを活用しない手はないだろう。
では、サーバ管理者の仕事を効率化するサーバ管理ツールとは、どのような機能を提供しているのだろうか。 数あるベンダーのサーバ管理ツールの中でも、機能の豊富さ、使い勝手のよさで最も定評があるのが、HPのx86サーバ「HP ProLiant」に用意されている「HP ProLiant Essentials ソフトウェア」である。 その中でもEssentials ソフトウェアを代表するのが「HP Systems Insight Manager」(SIM)である。このツールは、HP ProLiantはもちろん、「HP Integrityサーバ」「HP 9000サーバ」「HP BladeSystem」などのHPサーバ製品、 「HP StorageWorks」などのストレージ製品を一元的に管理できる標準添付の無償ソフトウェアである。SIMを利用するには、SIMが稼働する管理サーバを用意し、管理対象のサーバではSIMに各種ハードウェア情報を提供するInsight マネジメントエージェント (IMA)をアクティブにするだけだ。 SIMは、インフラ管理に必要な基本機能を提供するが、プラグインとして提供される有償オプションを追加することで機能拡張が行える。オプションには、サーバのコンポーネントレベルのパフォーマンス監視が行える「Performance Management Pack」(PMP)、ソフトウェアのセキュリティバグを監視し、パッチ管理を行う「Vulnerability and Patch Management Pack」(VPM)などがある。 また、SIMが高い管理性を持つのはサーバ本体(ハードウェア)が持つ管理機能と密接に連携しているからだ。サードパーティの管理ソフトウェアではここまでの連携は難しいだろう。HPはHP ProLiantとEssentials ソフトウェアを一体で開発することで、ハードウェアとの高い連携性を持つ管理機能を実現している。
Essentials ソフトウェアを利用すると、どのようなサーバ管理の課題を解決できるのだろうか。いくつかの事例を挙げて紹介しよう。 サーバ管理者は、普段は自席のクライアントを利用して、サーバの稼働監視を行っている。数十〜数百台のサーバが動作しているような大規模な企業システムでなくても、サーバに何らかの障害があって、応答がなくなることは少なからず発生する。 こうした事態が起きた場合、サーバ管理者の多くは自席で障害検知の報告を受けたのち、サーバルームに直行して停止しているサーバの再起動操作を行うことになる。障害発生時ばかりでなく、例えばBIOSの設定を変更したり、サーバにOSをインストールしたりといった操作を行う際にも、サーバルームに出向かなければならない。なぜなら、これらの操作はサーバのハードウェアが目前になければ、できないことだからだ。 大量のサーバを一手に担当するサーバ管理者にしてみれば、自席から離れることなく、こうした操作ができたらどんなに便利だろうか。Essentials ソフトウェアは、こうした課題を難なく解決する手段を提供している。それを実現するツールが「HP Integrated Lights-Out 2」(iLO2)である。 iLO2は、HP ProLiantに標準搭載されている専用のプロセッサとファームウェアによって構成されている。このツールの特長は、“ハードウェアやOSの状態に影響されることなく”、サーバを遠隔操作できる点にある。具体的には、管理者のクライアントからサーバの電源をオン/オフしたり、BIOSの設定を変更したりといったことが実現できるのだ。iLO2もサーバベンダーだからこそ実現できた、ハードウェアと管理ソフトウェアの高い連携性の結果といえるだろう。 遠隔操作といえば、Windowsサーバの場合はターミナルサービスを利用してクライアントのリモートデスクトップを使ったり、Linuxサーバの場合はPC Xサーバなどのソフトウェアを導入したりしてアクセスすることもできる。しかし、例えばWindowsサーバ自体がブルースクリーンを表示してハングアップしてしまうと、OSの機能を利用しているターミナルサービスは利用できなくなる。また、ターミナルサービスを利用することでライセンス料が別途発生することも見逃せない。 その点、iLO2ならば、HP ProLiant(※)に標準搭載されており、無償で利用することができるのだ。さらに有償で用意されている「iLO Advanced Pack」を導入すれば、サーバ管理者のクライアントのドライブまたはISO9600イメージファイルをサーバのドライブとして仮想的にマウントし、そこからOSを遠隔インストールすることも可能になる。 ※HP ProLiant 100シリーズではLights-Out 100を使用可能。 iLO2は、単体サーバの遠隔操作を実現するものだが、大量のサーバを管理するには統合的なインフラ管理ツールが不可欠である。こうしたシステムインフラ全体を監視、管理するために、OS上で稼働するアプリケーションレイヤーの運用管理ソフトウェア、例えば「HP Software(旧HP OpenView)」のような製品が利用されている。
このほかにも、Essentialsのソフトウェア製品を利用すれば、さまざまなサーバ管理の課題を解決できる。本企画の後編では、サーバコンソリデーションのプラットフォームとして注目されているブレード型サーバ「HP BladeSystem」を管理するために用意されたツール、仮想マシンの移行、管理を容易にする各種ツールなどを中心に、管理ツールを導入することによってサーバ管理者を効率化するソリューションを紹介する。 いずれにせよ、サーバ管理者の負担を軽減するには、「Essentials ソフトウェア」が文字通り「必要不可欠」であることがよく分かる。x86アーキテクチャのサーバを利用したする業務システムを構築する場合、価格や性能だけを重視してサーバの機種を選択するのではなく、「管理ツールありき」でサーバを選んでみてはいかがだろうか。 x86サーバがコモディティ化した現在、どのベンダーの製品を選択しても、価格や性能に大差があるとは言えない。それならば、企業のITコストの7割とも8割とも言われる運用管理コストを削減するために、「Essentials ソフトウェアが用意されているから、HP ProLiantサーバを選ぶ」という考え方があることも知っておきたい。 「Essentials ソフトウェア」が使えるから選ぶHP ProLiant【後編】
提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社 企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT編集部 掲載内容有効期限:2007年12月10日 |
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