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仮想化技術が変えるこれからのITインフラ

 

既存システムの“お守り”に手一杯のIT部門

 

 IT業界はベンダーの切磋琢磨によって技術革新が次々に生まれている。しかし、その技術を経営に活かそうとしているエンドユーザー企業にとって最大の問題は、技術革新への対応ではなく、これまで投資してきたITシステムを保守・運用するためのコストが増大していることだ。

 調査会社の調べによると、日本企業が投じるIT予算のうち、6〜7割は既存ITシステムの保守・運用に割かれている。企業に成長をもたらす新規ITシステムへの投資はわずか3〜4割に過ぎない。つまり、多くの企業では既存ITシステムの“お守り”で手一杯なのだ。

 では、既存ITシステムの保守・運用でコストがかかる原因は何だろう。原因の1つは企業内に多数のサーバが散在していることだ。IT部門は環境や設置場所、利用目的が異なるサーバをメンテナンスすることが求められる。サーバの24時間運用が求められるケースもあり、IT部門の負担は大きい。

 ITシステム自体にも保守・運用コストを増大させる要因がある。ITシステムでは、1台のサーバで1つのアプリケーションを稼働させるのが基本。そのためアプリケーションの性格によっては、サーバ・リソースの消費ピークにバラつきが出ることがある。例えば、会計システムであれば四半期の期末はフルで稼働するが、それ以外の時期は比較的に利用が少ない。サーバ・リソースの利用率は平均すると40%に満たないとも言われる。アプリケーションのピークに合わせてサーバ・マシンを設置すると、リソースがフルに使われていない時間が多くなるというわけだ。

 企業に求められるのは既存ITシステムの保守・運用という“守り”のコストを下げて、新規ITシステムへの投資という“攻め”に転ずることである。そのためには、やはりITがもたらす技術革新に活用する必要がある。

 

仮想化が攻めのIT投資の鍵になる

 

 ITシステムを“攻め”に転じさせる技術として注目されているのが仮想化だ。従来のITシステムは、サーバのハードウェアとOS、アプリケーションが硬く結びつき、相互に影響していた。もちろん、このシステム構成には、1度完全な構成を組んでしまえば、信頼性を長く保つことができるというメリットがある。

 しかし、ビジネスの変化に即応する柔軟なITシステムが求められる中では、デメリットが目立つ。1つは構成を変更する際の動作検証が煩雑になること。2つ目は複数サーバでOSやアプリケーションのバージョンが異なってしまい、パッチ管理が難しくなるということだ。

 仮想化技術が注目されるのは、これらの問題に対して有効な答えを出すからだ。仮想化技術とは1台のサーバの上に、仮想的なレイヤを構築し、その上で実際のOSやアプリケーションを稼働させる考え方。サーバのシステム構成が変化しても、レイヤが変化を吸収するため、仮想環境は影響を受けない。ハードウェアとOS環境、アプリケーションの依存を解消する技術といえる。

 この仮想レイヤの上には複数のOS環境をインストールすることが可能で、1台の物理サーバ上に複数の仮想化されたサーバ環境が乗ることになる。仮想化されたそれぞれの仮想環境が物理サーバのリソースを使うので、サーバ全体の利用率は向上する。企業内に散在するサーバの業務を、仮想化技術を備えた1台のサーバに統合することが可能になる。

 運用管理面でも仮想化技術はメリットが大きい。複数のアプリケーションが1台のサーバに統合されていることから、メンテナンスの効率が上がる。複数アプリケーションの統合管理が可能だ。また、ITシステムの構成を変更する場合、仮想化してある環境では、運用管理ソフトウェアの操作だけで仮想環境を別の環境に移動、コピーすることが可能。サーバの増設などにも柔軟に対応できる。

 

ハードウェアの動作検証を実施

 

 仮想化技術はメインフレームから始まり、UNIXサーバでも広く使われるようになってきた。その波はx86サーバに達しようとしている。

日本ヒューレット・パッカードのエンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 宮本義敬氏

 「x86サーバの20%が仮想化サーバ。国内でも2006年には2〜5万台が仮想化サーバとして使われるだろう」。日本ヒューレット・パッカード(HP)のエンタープライズストレージ・サーバ統括本部 インダストリースタンダードサーバ製品本部 ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 宮本義敬氏は、こう話す。

 HPはx86サーバへの仮想化技術適用を積極的に進めているベンダーだ。特に力を入れているのが、米VMware社が開発したサーバ仮想化製品「VMware ESX Server」だ。仮想化製品にはほかにも商用ベンダー製品やオープンソースのソフトウェアがあるが、宮本氏はVMware ESX Serverがパフォーマンスと信頼性に優れ「エンタープライズにフォーカスしている」と強調した。

 HPはVMware製品をOEM調達し、自社製品と同じ扱いで販売、サポートしている。このOEM販売はHPの本気の表れともいえる。また、HPはHP ProLiantのラインアップのほぼすべての製品について、VMware ESX Serverの動作検証を実施。インテル製、AMD製の両プロセッサを搭載したサーバで、VMware ESX Serverをサポートする。同部の池亀正和氏は「HP ProLiantは他のベンダーと比べて最多製品でVMwareをサポートしている。ハードウェアの幅広い選択肢を提供できる」と話した。

 池亀氏は「仮想化技術はブレードサーバとの相性がいい」とも説明。必要なリソースに応じてサーバブレードを追加するブレードサーバは、システム構成の柔軟性、拡張性が高い。仮想化技術を組み合わせることで、新たに追加したサーバブレードに仮想化環境のOSやアプリケーションを迅速に搭載できるなど、仮想化技術のメリットを最大限活かすことができる。HPはブレードサーバ「HP BladeSystem」でもVMwareの動作を検証済みだ。

 

仮想環境を柔軟にプロビジョニング

 

 HPが用意する運用管理ソフトウェアを使うことで、仮想化環境の利便性が向上し、運用管理がより簡単になる。「HP ProLiant Essentials Server Migration Pack(以下、Server Migration Pack)」は物理環境のサーバを、VMware上に構築した仮想環境に移行するツール。HPのOEM販売でVMware Infrastructure 3 Standard, Enterpriseを購入すると、標準で利用できる。サーバの老朽化やパフォーマンス不足、システム領域の拡張などでサーバの利用が難しくなったときに、その環境を簡単な作業で丸ごと仮想環境に移すことが可能だ。

日本ヒューレット・パッカード(HP)のエンタープライズストレージ・サーバ統括本部インダストリースタンダードサーバ製品本部ブレード・バリュープロダクトマーケティング部 池亀正和氏

 移行元のサーバはHPや他社を含めて、どのx86サーバにも対応する。移行先のサーバはHP ProLiantのMLライン(タワー型サーバ)、DLライン(ラックマウント型サーバ)、BLライン(ブレード型サーバ)の各製品。移行元サーバのOSは、Windows NT 4.0 SP 6aをはじめ、Windows 2000 Server SP4、Windows Server 2003 SP1、Windows 2000 Professional、Windows XP Professionalなどに対応する。

 また、Server Migration Packは物理から仮想への移行だけでなく、仮想環境同士の移行もサポートする。アプリケーションの開発環境などで複数の仮想化プラットフォームを利用するケースがある。仮想環境同士の移行では、複数の仮想化プラットフォームを単一の仮想化環境に移行し、管理を統合できる。池亀氏は「開発環境は仮想上で統一したいが、本番システムではCPUを多く使いたいというケースなどに対応する」と説明した。

 仮想環境同士の移行においては、移行元サーバのOSはWindows OSとRed Hat Linuxをサポート。移行先サーバはHP ProLiantのMLライン、DLライン、BLラインの各製品となっている。さらには、Server Migration Packは、仮想環境を物理サーバに移行することも可能。物理サーバ同士の移行もこの6月に対応した。

 一方、物理サーバと実際に稼働するOSの依存がなくなる仮想環境では、システム構成が目で見て分からない。そのため仮想化技術でサーバを統合したにもかかわらず、運用管理が複雑になることがある。HPの「HP ProLiant Essentials Virtual Machine Management Pack」は、ホストサーバと仮想環境の関係を一元管理できるソフトウェア。この製品も標準提供される。コンソール画面で、ホストサーバとその上で稼働する仮想OSの利用状況を確認可能。仮想OSの稼働/停止が分かるほか、仮想OS、ホストサーバのパフォーマンスもチェックできる。

 メンテナンスの支援サービスも充実している。無償(標準時間)で利用できる遠隔モニタリングサービス「HP ISEE(HP Instant Support Enterprise Edition)」は、サーバにインストールしたクライアントツールがハードウェアの障害の予兆を感知し、HPに自動通知する仕組みになっており、システム停止などの問題が起きる前に対処ができる。仮想環境であれば、VMwareの「VMotionテクノロジ」と組み合わせることで、稼動中の仮想環境をセッションの中断なしに物理環境に移行させることが可能なので、予兆感知から障害対策まで事前に迅速に対応することが可能だ。

 

「本番環境が増加、特別な技術ではない」

 

 OEM販売のメリットはサポートにもある。HPからVMware製品を購入することで、HP ProLiantと同じ窓口でワンストップのサポートを受けることができる。電話サポートは24時間365日の無制限対応が可能。ほかのベンダーでは少ない仮想環境上のゲストOSもサポート対象になる。仮にHP側でVMwareの問題が解決しない場合は、米VMware社にエスカレーションされるなど「両社のエンジニアは緊密に連携している」(宮本氏)という。

 日本HPは2005年12月にVMware環境の検証を行う施設として、東京・天王洲の事業所内に「VMware コンピテンスセンタ」を設置した。エンドユーザーにシステムを届ける前のサイジングベンチマークや構成の確認を行っている。VMwareの構築サービスも提供していて、ユーザーはサイジングや配置を含めて依頼できる「HPエクスプレスサービス」と、VMwareのインストールのみが対象の「スタートアップサービス」の2つが利用できる。トレーニングも用意している。

 宮本氏はVMwareによる仮想化について「今年から基幹系業務の本番環境での利用が増えてきた。さらに仮想化の間口を広げて、特別なインフラでないことを分かってもらいたい」と話した。

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