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 @IT > J2EEミッションクリティカル時代のソリューションセミナー レポート
 
@IT[FYI] 企画:アットマーク・アイティ 営業企画局
制作:アットマーク・アイティ 編集局

掲載内容有効期限:2003年8月18日

 

J2EEミッションクリティカル時代の
ソリューションセミナー

 
〜Webシステムパフォーマンスを最大化する
   開発から運用まで〜


●パネルディスカッション

「Webシステムパフォーマンスを最大化する開発から運用まで」
     〜あなたの課題を解決し、今後取るべき連携のあり方を考えま

パネリスト
    日本ヒューレット・パッカード ソフトウェア統括本部 ソリューション技術部
長崎 健一氏
    アイアイジェイテクノロジー アウトソーシングサービス部
テクニカルコンサルタント 木村真理氏
    沖電気工業 ネットビジネスソリューションカンパニー
戦略企画室 シニアスタッフ 粟津濃氏
    エンピレックス
副社長 山岡英明氏
    ボーランド マーケティング部
部長 藤井 等氏
司会進行&アドバイザー
    日本ヒューレット・パッカード ソフトウェア統括本部
ソフトウェア・マーケティング部 武内 烈氏
    アットマーク・アイティ
編集局長 新野淳一


  開発と運用の隔たりがパフォーマンスの劣化を招く

アイアイジェイテクノロジー 木村真理氏

 パネルディスカッションの口火を切ったのは、Webシステムの運用サービスを提供するアイアイジェイテクノロジー(IIJテクノロジー)の木村真理氏だ。木村氏は「Webシステムは、運用フェーズに入ってからも定常的にパフォーマンス管理を実施する。場合によっては開発会社に協力してもらい、パフォーマンスを改善し、また定常運用に戻すというシステムライフサイクルが必要になるのではないか」と提案した。しかし現実には、「定常的なパフォーマンス管理のコストを許容するユーザーは少なく、火を噴いてから何とか対処するパターンが多い」(木村氏)とのことだ。

 司会進行役である日本ヒューレット・パッカードの武内烈氏も、木村氏の主張を支持。「OpenViewの営業で運用会社や開発会社を回っているので、『夜寝ることもできない』という技術者の大変さがよく分かる。J2EEのような変化対応力を売りにするシステムの場合、開発と運用は線引きできず、開発から段階から運用が始まるのではないか」(武内氏)。

沖電気工業 粟津濃氏

 こうした意見に対し、沖電気の粟津濃氏は、システムの構築を手がけるSI企業の立場から、次のように答えた。「開発と運用の連携で重要なのは、運用担当者に最初から開発プロジェクトに入ってもらい、共同作業として進めること」(粟津氏)。続けて、「お互いの立場からできることを理解し、役割分担を明確にしておかないと、運用トラブル時に責任の所在をめぐって、運用と開発の間で押し問答がおこり、本題のトラブル解決に向けた作業が非常に効率が悪くなる」(粟津氏)と指摘した。

 IIJテクノロジーの木村氏は、「運用で問題が起きた場合、運用側でもある程度は改善できる。しかし、システムの深い部分に関わるポイントは開発者にしか分からない。問題解決には開発者にも入ってもらうのが理想だ」と、アウトソーサー側からの意見を述べた。こうした意見からも、J2EEシステムのパフォーマンス問題では、開発者と運用者のそれぞれがお互いを必要としていることが分かる。

  ツールや開発手法でシステムトラブルを回避できるか?

パネリストたちの意見が飛び交う

 さらにディスカッションは、パフォーマンス問題に対するツールの有効性にも及んだ。エンピレックスの山岡氏は「ボトルネックの要因が、OracleやWebLogicの設定変更レベルならば問題ない。ただ、アプリケーションコードのレベルになってしまうと、われわれもお手上げだ。当社が負荷テストをする10件に1件はこのパターン。そうなると、SIerもベンダも対処のしようがない」という。

 これを受けて、武内氏が「J2EE開発では、第三者が作ったコンポーネントを再利用していたり、開発フレームワークを用いていたりする。それゆえ、トラブルが自分たちが開発した部分ではないところから起因している可能性もある」との課題を指摘した。

日本ヒューレット・パッカード 長崎健一氏

 これに対し、日本ヒューレット・パッカードの長崎健一氏は「われわれの『OpenView Transaction Analyzer』は、WebLogic ServerなどJavaVM上のJ2EEプラットフォームは計測対象とせず、独自開発した部分のみを計測できる」と解決策を提示した。続いてボーランドの藤井等氏は、J2EEでアプリケーションコードがどのように成り立っているかについて触れ、「フレームワークに問題があるのか、アプリケーションに問題があるのか、あるいはアプリケーションサーバに問題があるのかを特定するのは難しい。でも幸いなことに、これらはパッケージで分類されているので、当社のOptimizeit Suiteを使うと、Javaのパッケージレベルでフィルタリングして、どこに問題があるのかを抽出できる」と、入り組んだアプリケーションレベルでもツールが有効であることを説明した。

 一方、「エンドユーザーの意識として、システム運用を運用会社に委託する場合、それに備えたパフォーマンステストを実施する工期やコストを確保しようという意識になっているのか」というアットマーク・アイティの新野淳一氏の問いかけに対し、沖電気の粟津氏が答えた。「性能テストには、先のセッションで当社の久野が述べたように、『シナリオ』が重要になる。機能テストはできるが、その機能を組み合わせたシナリオ上で、パフォーマンス断面でどのような問題が起きるかを検証しなければならない。だが、そこまで考えているエンドユーザーは少ない」(粟津氏)という。エンピレックスの山岡氏も「ユーザーの丸投げの傾向が強いので、パフォーマンスに対する問題意識は弱い」と指摘した。

 新野氏はさらに、開発手法の面からこう問いかけた。「前のセッションでも述べられた『反復的開発』は、パフォーマンス問題に対して有効ではないか」(新野氏)。

 これに答えたのは、ボーランドの藤井氏だ。「『反復型』と聞くと、膨大なドキュメントを準備しなければならないなど、開発期間やコストがかかると思われるが、それは大きな間違いだ。開発者は反復型開発のエッセンスを取り入れ、開発する条件に応じてカスタマイズして採用すれば良い。絶対的にこういうやり方をしなければならないという決め付けはない」(藤井氏)。

  開発側と運用側、どのように協力していくか

会場とのやり取りも活発に

 ディスカッションでは、会場からも熱心に質問が投げかけられた。ある聴講者からは、「開発と運用が連携する場合、どの程度協力し合うべきなのか」という問いが上がってきた。

 これに対し、運用側を代表してIIJテクノロジーの木村氏が「トラブルに備えて、スクリプトを分かりやすく記述して欲しいとか、運用側からの要望はいろいろあるが、ユーザーは運用をイメージして機能を要望するもの。その意味でも運用と開発は協力できれば、より良いシステムを開発できるのではないか」と答えた。

 一方、開発側を代表として沖電気の粟津氏は「われわれも運用側に丸投げすることはない。運用側の監視体制などを聞いた上で、開発を進める。顧客に迷惑をかけないためにも、こういった活動の必要性を積極的に働きかけていきたい」。続けて、「協力していくためには、開発と運用が共通認識を持つことである。システムの目標であるシナリオとそのスループットを設定し、各モジュール開発担当者レベルで達成する性能目標にブレークダウンしていくことが必要だ」と打ち明けた。

 ディスカッションを包括して、日本HPの武内氏は「J2EEは変化や成長という課題に対して、疎結合アーキテクチャによりスピードと柔軟性をもって対応している。しかし、この“疎結合”が新たな課題を生んでいるこ とも事実だ。それをミッションクリティカルな分野で利用するには、開発と運用の協力という人の力が大きいと思う。テクノロジーはそれを支えるもの」と述べ、改めて開発と運用の連携の重要さを指摘した。J2EEシステムの開発は、今後「開発・運用の一体化」に向かいそうだ。

 

 

【主催】


日本ヒューレット・パッ
カード株式会社


株式会社アットマーク・アイティ

【協賛】


株式会社アイアイジェイテクノロジー


エンピレックス株式会社


沖電気工業株式会社


ボーランド株式会社

 

関連リンク
HP Open View

日本ヒューレット・パッカード

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