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@IT > Visioでビジネス要求を見える化する |
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例えば、提出した設計書のレビュー会議。顧客から「こんなことをいった覚えはないよ」だとか、「こんな設計で作られたのじゃ使いものにならないよ」など、システムエンジニアとして落ち込むのに十分な、さんざんな言葉を投げかけられたことはありませんか? または、無事にシステムがカットオーバーを果たしたあとの稼動状況確認訪問。業務がどう改善されたかを期待して尋ねたら、「ああ、あのシステムはユーザーが『使いにくい』といってなかなか浸透しなくてね」という言葉。あんなに苦労して開発したのに、と思うと、心底がっかりしますよね。 要望を完璧に聞き出したし、情報は十分に共有していたはずでした。意思の疎通は図れていると思っていたし、こちらの提案もきちんと了解してもらったつもりだったのです。知らない間に顧客とのやりとりの中ですれ違いが生じて、お互いの間に言うに言われぬ亀裂が入ってしまう……。残念ながら、システム開発ではしばしば起こる出来事です。
システム開発は、顧客の頭の中にあるビジネス要求をシステムという形で具体化する、ある意味で無から有を生み出す取り組みです。もともとが困難な仕事なのです。それは確かにそうなのですが、レビュー会議やカットオーバー後に顧客から否定的な言葉を聞くことになってしまうのは、やはりコミュニケーションのあり方に問題があるからでしょう。 コミュニケーションを円滑に進めるため、システム開発に携わる多くの人々が、ExcelやPowerPointを使って、ドキュメントを大量に作成しています。Excelの表計算ソフトウェアとしての完成度や、PowerPointのプレゼンテーションソフトウェアとしての表現力の高さは、誰もが認めるところです。しかし、果たして、ExcelやPowerPointはコミュニケーション・ツールとして十分な機能を持っているといえるでしょうか? Excelで作成した要件定義書だけで、顧客にシステム導入後の業務のイメージを完全に理解し、納得してもらうのはちょっと難しいと思います。また、PowerPointで作成したドキュメントで、これから作り上げるシステムの具体的なイメージを顧客と完全に共有するのも大変ですよね。 ドキュメントを美しく作成するのに時間がかかりすぎて、顧客とのコミュニケーション時間が取れないということはないでしょうか。仕様変更が生じるたびに、設計の見直しと同じぐらいか、それ以上にドキュメントの修正に手を取られることを悩みに思っているシステムエンジニアはきっと少なくないはずです。
解決策はあります。表現力が豊かで、ドキュメントの作成時間を短縮でき、かゆいところに手が届く形で顧客とコミュニケーションが図れるツールを使うこと。そうすれば、こんな日々のジレンマから即刻解放されます。そして、そのツールこそがMicrosoft Office Visio(以下Visio)です。 一例を挙げてみましょう。業務分析フェイズです。 業務の流れとシステムでの処理の関連を明確化するために、このようなフローチャートを作成することは、システム開発において日常茶飯事の作業です。これをExcelやPowerPointで作成しようとすると、白紙の画面に図版を自ら描き上げていかなければなりません。図形や文字の大きさにこだわったりもすると、作業時間は最低でも小一時間はかかってしまいます。
しかし、Visioでは、Microsoft EA Toolという業務分析のためのアドオンツールを用意しているため、実際の業務の流れをそこに適用するだけで済みます。これで作業時間は一気に半分以下の20分程度に短縮することができます。
また、今日のシステム開発では、画面設計の詳細をドキュメントとして提出することも日常的に行われています。例としてWindows XPのユーザーインターフェイスのサンプルを作成すると仮定してみましょう。今までなら、画面そのものをラインのシャープさや色に気を配りつつ、PowerPointで職人芸的に手作りしていたのではないでしょうか。
しかし、Visioでは、画面定義のための構成部品が豊富に備わっているため、システム概念図を作成するような要領でそれらをポンポンと配置していくだけ。1つの画面にたっぷり1時間かかっていた作業時間は3分の1に短縮されます。サンプル画面とはいっても、いざ提出する際にはそれが数十枚に上ることもありますから、その作業効率の向上は非常に大きいものがあります。
今度はデータベース設計を見てみましょう。ここで必須のドキュメントはER図です。これについては「いつも書いているものだから、ある程度自分でテンプレートを作ってある」という方もおられるかもしれません。しかし、それでも最低30分ぐらいの作業時間は必要になるはずです。しかも、データベース内の個々のテーブル定義については、別にドキュメントを作成しなければなりません。
Visioであれば、拡張版ER図として詳細なテーブル定義を1つの画面の中で管理可能なうえに、そのER図にリバースエンジニアリングをかけ、ドキュメントを自動作成することができます。これまで個別に作成していた3種類のドキュメントが、1つの作業で完了してしまうというわけです。これにより転記ミスなどの事態も防げるため、顧客との間のコミュニケーション品質の向上を期待することも可能です。
「Visioが便利なのはよく分かるんだけど、顧客がこのツールを使っていないから、ファイルを共有するのに苦労するんだよなあ」 その事情はよく分かります。確かにVisioは、ほかのOfficeツールのように日本のビジネス・フィールドで広く普及しているとはいえません。でも、問題ありません。Visioのファイルは、マイクロソフトのWebサイトから無料でダウンロードできるビューアを使って自由に閲覧することができます。ビューアをダウンロードするのが面倒なら、完成した画像をPowerPointに貼り付けて配布するという方法もあります。PowerPointだけで実現するのは難しい、“ほんとうに伝わるドキュメント”を簡単に作成して、システム開発のプロジェクトチーム全体で共有することができます。
Visioを利用すれば、システム開発のさまざまな場面で必要とされるドキュメント作成の労力が大幅に削減できるだけでなく、顧客との間の重要なコミュニケーション、その品質を大きく向上させることができます。それによって、「そういうつもりで言ったのではない」「そのような話は聞いていません」といったような低レベルのすれ違いを極力減らし、システム開発の本質である設計内容や実装機能の検討に十分な時間を割くことができるようになります。 そのうえ、ほかのOfficeツールがほとんど使い方の説明を必要とせずいきなり使えるように、Visioも極めて操作性に優れており、使いながら細かい機能をどんどんマスターしていけます。 伝わるコミュニケーション、分かるコミュニケーションはシステム開発現場の基本です。プロジェクトに関わるすべての人々がいつも笑顔で仕事ができるように、いつものOfficeツールにVisioを加えてください。 提供:マイクロソフト株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2005年6月16日 |
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