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現在、企業は日々大量の情報を扱っていますが、そのほとんどは有効活用されず、アーカイブとして埋もれてしまっているのが実状です。特にMicrosoft Office Excel(以下、Excel)やMicrosoft Access(以下、Access)などのデータには、ビジネスの推進上、重要な情報が含まれているにもかかわらず、数値や文字の羅列にとどまっているため、そこから問題点や特異点などを瞬時に見つけることは簡単ではありません。
そこで重要になるのが“情報の図解化”です。数値や文字の情報をグラフや図形で表し、色や矢印を加えたりすることで、全体像を直感的に把握できるようになるほか、それまで見えなかったものが鮮明に見えてくるようになるのです。
これは業務部門にとっても効率化や収益向上を図る上で重要なことですが、ITシステムの開発・運用管理に携わる情報システム部門やSIerにとっては重要というより不可欠な要件と言えます。システム開発・運用管理は、「開発関係者とユーザー間の正確・確実な意思疎通」や「システム構成の正確な把握」などが求められるためです。
こうしたことを受けて、現在「Microsoft Visio 2010」(以下、Visio)は、“情報の図解化”を強力にサポートするツールとして多くの企業で使われています。Visioを活用することで、業務フロー図やシステム構成図、組織図など、あらゆるシーンで必要となる文書、図形を短時間で作成できるようになるのです。
特徴は、用途別に60種類以上のテンプレートや図形を用意しており、誰でも簡単な操作で図面を作成できることです。例えば、以下のような組織図(図1)やネットワーク図(図2)も、テンプレートを使って簡単に作成できます。
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| 図1 Microsoft Visio 2010は、豊富なテンプレートを用意。これを使って、以上のような組織図も簡単に作成できる |
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| 図2 以上のようなネットワーク図のほかにも、業務フロー図、データベースモデル図、UMLモデル図など、情報システム部門がよく使うテンプレートを全て網羅している |
また、一般的な作図ソフトと大きく異なるのは、図形とデータを連携させる機能を持っていることです。
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| 図3 図形とデータを連携できる点がMicrosoft Visio 2010の大きな特徴 |
Excel(2003/2007)はもちろん、Access(2003/2007)やSQL Server(2000/2005)などのデータを読み込み、作成した図形にリンクさせることができます。これにより、データソースの情報を変更すると、関連付けた図形のデータも更新され、それに応じて図面も変化する仕組みになっているのです。
さらに、図形にリンクさせたデータは手動だけではなく、自動的に更新することもできます。自動更新の場合は更新間隔も自由に設定できるため、“必要なときに、リアルタイムで最新の情報が得られる環境”を整備できます。すなわち、文字と数字の羅列に過ぎなかったデータを“図解化”することで、「今のデータ」と「それが示すもの」を関係者間で正しく把握・共有し、有効活用できる環境を整えられるのです。
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| 図4 以上のフロアレイアウト図のように、データと図面のリアルタイム連携によって、データを“図解化”するとともに、「今のデータ」と「それが示すもの」を関係者間で正しく把握・共有することができる(クリックで拡大) |
では、図形とデータの連携を実現するVisioは、具体的にどんなシーンで効果的に活用できるのでしょうか。以下ではシステム開発・運用管理の現場を想定して、Visioのメリットを具体的に見ていきましょう。
まず紹介したいのが業務フロー図の作成作業です。ご存じの通り、業務フロー図は、アプリケーション開発やシステム開発などで重要な役割を果たします。業務プロセスのステップと担当部門の関係を視覚的にマッピングすることで、作業工程を整理し、作業の流れと関連部門間の連携を明らかにするものです。これにより、関係者全体で作業の状況把握や問題点の分析、改善部分の識別などを行うことができます。
Visioでは、この業務フローチャート作成 も、以下の図5のように、画面上にプロセス図形を自由に配置していくだけで作業の流れを描くことができます。加えて、前述のように各図形にデータを関連付けることも可能です。
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| 図5 業務フローチャートも、画面上にプロセス図形を配置して線で結んでいくだけで完成する。もちろん、各図形にデータを関連付けることもできる(クリックで拡大) |
また、例えば以下の図6のような「売り上げ進ちょく管理」や「プロジェクトの進ちょく管理」なども、進ちょくデータを管理しているExcelデータと図形を関連付けることによって、「今、作業がどこまで進んでいるのか」を色分けして示したり、予算の使用状況などをアイコンで表したりすることもできます。つまり、リアルタイムのデータ連携ができるVisioを使えば、“現状をひと目で把握できる業務フロー図”も作成できるのです。
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| 図6 Visioは作成した図面とデータをリンクさせ、リアルタイムにデータを更新することも可能。これにより、以上のような「売り上げ進ちょく管理」や「プロジェクトの進ちょく管理」などもリアルタイムに可視化できる(クリックで拡大) |
こうしたVisioのデータ連携機能はネットワーク図の作成にも有効です。ネットワーク図には、サーバやネットワーク機器など、多数のシェイプを配置し、各シェイプに詳細な機器情報を持たせる必要があります。その点、Visioでは、Excelデータの項目とシェイプの項目を1つでも関連付けておけば、シェイプが複数あっても一括してデータを読み取り、複数のシェイプとデータを簡単に関連付けることができます。また、ネットワークの構成が変わっても、読み込み元のデータを変更すれば自動的に図面も更新されるため、いちいちネットワーク図を作り直す必要もありません。
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| 図7 ネットワーク図もVisioに搭載されているテンプレートの中から最適なものを選び、簡単に作成できる。シェイプが複数あっても一括してExcelデータと関連付けることも可能。さらに元データを変更すれば、図面上のデータも更新される(クリックで拡大) |
さて、ここまではデータ連携機能の基本的なメリットを紹介してきましたが、データから図面を自動作成する「リバースエンジニアリング機能」 を搭載している点もVisioの大きな特徴の一つです。例えば以下の図8のように、データベースをリバースエンジニアリングすることで、SQL Serverなどのテーブル構造を表現するER図を自動生成することができます。
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| 図8 Visioの自動作図機能を使うと、データから自動的に図面を生成できる。以上のようなSQL ServerのER図も瞬時に作れる(クリックで拡大) |
このほかにも、「Visual Studio .NetのソースコードをリバースエンジニアリングしてUML図を自動作成する」といったことも可能です。このように、“すでにあるデータを基に、複雑な図面を自動的に作成できる”ことはVisioならではの魅力と言えるでしょう。
システム構成図の作成でもVisioは威力を発揮します。Visioはサーバやネットワーク機器のシェイプを豊富に用意していますが、マイクロソフトが標準で提供するシェイプに加え、世界で50社以上のハードウェアベンダが無償提供している機器シェイプも利用できるのです。これにより、特定ベンダの機器を使ったシステム構成図も、イチから書き起こす手間がなくなり、作業効率の大幅な向上が図れます。
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| 図9 Visioは、マイクロソフトが標準で提供しているシェイプに加え、世界で50社以上のハードウェアベンダが無償提供している機器シェイプも利用可能。それらを使えば以上のようなきれいなシステム構成図を短時間で作成できる(クリックで拡大) |
そして、データソースとのデータ連携機能はここでも活躍します。例えば、ExcelによるIT資産管理台帳のデータとシェイプを関連付けておけば、システム構成図として利用しながら、そのまま資産管理もできるのです。資産番号やシリアル番号、設置場所、IPアドレス、さらにはCPUやメモリ、搭載OSなどのスペック情報まで、詳細な機器データをシェイプに付与しておけば、システム構成図からひと目で各種データを確認できるようになります。
また、開発プロジェクトでは、関係者全員が随時、スムーズに情報共有することが不可欠な要件になります。一般的には、作成した図面を複数人で共有するために、印刷して配付する必要がありましたが、Visioで作成した図面はWebブラウザで共有できるため、開発サイトが物理的に離れているような場合でも、開発作業の効率を強力にサポートできるのです。これはSharePoint Server 2010のポータルに図面を発行することにより、VisioがインストールされていないクライアントPCでも、Webブラウザさえあれば図面を閲覧できる仕組みとしています。
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| 図10 Webブラウザで表示されていることに注目。以上は収益管理の画面だが、プロジェクトの進ちょく管理画面などを共有すれば、サイトが物理的に離れているような場合でも確実に情報共有できる(クリックで拡大) |
ポイントは、単なる「図」としてではなく、「高度なナビゲーションバーを持つWebページ」として保存する点にあります。これにより、Webブラウザ上でも、図形を選択すると、前述のようにその図形が持つデータを表示させたり、見たい個所を拡大・縮小したり、図形を検索したりすることができます。つまり、Webで情報共有する際もVisioならではの各種機能を利用できるのです。最新の図面情報を、関係者全員で確実・正確に共有できることは、仕様変更の見落としや連絡ミスなどを未然に防ぎ、開発効率をおのずと高めてくれるはずです。
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さて、いかがでしょうか。ITシステムの開発・運用に携わる人にとって、あらゆるデータを効率よく正確に「把握する」「まとめる」「伝える」「共有する」「更新する」といったことは、ある意味、業務の生命線とも言える要件です。図形とデータを有機的に連携させるVisioは、そうした要件を強力にサポートします。ぜひ皆さんの現場でも、Visioを使って“情報の図解化”を推進し、業務効率化を狙ってみてはいかがでしょうか。
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提供:マイクロソフト株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT情報マネジメント編集部
掲載内容有効期限:2011年8月31日
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