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ノキア シーメンス ネットワークス ソリューションビジネス事業本部 ネットワーク技術部長 小島 浩 氏 |
マルチメディア・コンテンツなどの利用拡大とともに、より高速・広帯域のモバイル通信を実現するLTEが注目されています。下りで最大173Mbps、上りで最大58Mbps(いずれも理論値)の高速性能や20ミリ秒以下の低遅延のスループットを可能にするLTEは、ユーザーとモバイル通信事業者の双方に多くのメリットをもたらします。ユーザーは、これまでにない高品質のアプリケーションをどこからでも送受信でき、モバイルの使用感を高められます。
また、事業者はフラットレートの採用などで収入が伸び悩む中、収益拡大が命題になっていますが、LTEなら既設インフラの流用による投資の抑制や、周波数利用効率の向上などによるbits当たりのコスト削減も可能です。このメリットに着目する事業者は多く、欧米や日本でLTEの商用サービス開始を表明する事業者や、LTEの採用を決定する事業者など、本格的な取り組みが始まろうとしています。
こうした中、NSNではLTEの技術仕様を規定する3GPPや、技術検証などを行うLSTI(LTE-SAE Trial Initiative)、次世代モバイルネットワークの業界団体であるNGMN(Next Generation Mobile Networks)などの活動に積極的に参画。LTEの技術開発や実証実験などを通じて商用化をリードするとともに、標準技術に準拠したハードウェアやソフトウェアを世界の事業者に提供しています。
NSNのLTEソリューションの特徴は、事業者が現行のサービスを提供しながらLTEへ移行するためのシナリオを用意していることです。例えば、日本や欧米では3G/HSPAからLTEへ移行する動きが広がっていますが、新興国ではまだGSMが主流です。こうした状況の中、低コストで利便性、拡張性の高い製品を世界で提供するためには、各通信サービスに共通するプラットフォームの提供やソフトウェアで容易にアップグレードできるアーキテクチャが不可欠になります。
既存サービスからスムーズな移行パスを提供するNSNのLTEソリューション |
そこで、NSNではFlexiアーキテクチャに基づくさまざまな製品を開発。無線アクセスの基地局(BTS)をはじめ、コアネットワーク、加入者管理などの制御系、オールIPの中継網や基幹網を構成する伝送系、各ノードの一元監視が可能なネットワーク管理システムなど、エンド・ツー・エンドのトータルなLTEソリューションを用意しています。
Flexi Multiradio基地局は、GSM、W-CDMA、LTEといった複数サービスを制御するマルチモードシステムモジュールや、3セクタ対応の無線モジュールで構成。W-CDMA/LTE対応モジュールの導入により、ソフトウェアのアップグレードで現行の3GサービスにLTEサービスを追加できます。
また、異なる周波数帯のサービスを提供する際には、3セクタ無線モジュールの追加で対応するなど、柔軟にサービスを拡張できます。例えば、LTEでは送受信に複数アンテナを利用するMIMO(Multi Input Multi Output)の利用が想定されていますが、2つの無線モジュールを用いて2×2MIMO対応の3セクタ無線基地局を構成することができます。
Flexi Multiradio基地局は小型・軽量のため、ビルの屋上や壁面、支柱などに取り付けられ、基地局サイトの省スペース化や設置コストを削減します。加えて、当社の従来製品(第1世代3G基地局)に比べ、電力消費量を最大約60%低減するなど、優れた省エネルギー効率を達成。NSNでは月間15万ユニットに及ぶ大量生産で低コスト化を図っており、Flexi Multiradio基地局は世界中の事業者に導入されています。
当社が提供するLTEのコアネットワーク装置「Flexi NG」の特徴は、3G市場で実績のあるプラットフォームをベースに機能を追加し、安定した製品をスピーディに提供できることです。事業者はW-CDMAのノードにLTEのネットワーク制御を行うMME(Mobility Management Entity)機能や、ユーザーデータを扱うS-GW(Serving Gateway)、P-GW(Packet Data Network Gateway)などの機能を追加するだけで、LTEへスムーズに移行できます。そして、W-CDMAとLTE共通のコアネットワーク装置により、事業者はオペレーションが容易に行える利点もあります。
また、3GやLTEなどネットワーク全体の制御監視を統合的に行えるネットワーク管理システム「NetAct」を用意。設計、設定、モニタリング、レポート、サービス管理などを自動化し、運用コストの削減と新規サービスの検討などに活用できます。NetActは、マルチテクノロジ、マルチベンダに対応しています。OSS(Operation Support System)アプリケーションに大きな変更を加えることなく、新たなネットワーク装置の実装・結合が行えるので、迅速なサービス展開が可能です。
NSNではLTE製品の実証実験も重ねており、欧州でMIMOを使ったFlexi Multiradio基地局のマルチユーザーによるフィールド検証を実施するなど、商用化に向けてさまざまなデータを蓄積、市場をリードしています。今、日本では、Flexi Multiradio基地局の省スペースや低消費電力、ソフトウェアによるアップグレードなどの機能が評価され、既存の基地局をFlexi Multiradio基地局に置き換える事業者もあります。また、LTE向けでは日本の通信機器ベンダと共同で提供しているコアネットワーク装置を導入する事業者もあり、当社のソリューションが広がっています。世界規模での豊富な実績に加え、最新の標準技術に基づくトータルな製品・サービスの提供を通じ、日本のモバイル通信のさらなる進化をサポートしていきます。
NetAct:ネットワーク全体の監視制御ソリューション |
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提供:ノキア シーメンス ネットワークス株式会社
企画:アイティメディア営業企画
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2010年5月29日
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