SaaS型CRM/SFAで有名な「Salesforce.com」を セキュリティと通信品質を担保して提供 CRM/SFA以外の利用が注目される 「Salesforce over VPN」 |
市場環境や経営環境が目まぐるしく変化するこの時代に、多額の投資をしてシステム構築することのリスクが高まっている。いま、インターネットを含めた企業のネットワーク環境が整い、アプリケーション分野での技術的な成熟ともあいまって、企業の情報システムは「所有」から「利用」の流れが加速している。セキュアでかつ低価格・短期間での構築という市場のニーズに応えるものとしてNTTコミュニケーションズが提案するのは、SaaS型CRM/SFAとして多くの実績を持つSalesforceを、インターネットを経由しない安全な閉域網で提供する「Salesforce over VPN」である。 |
企業の情報システムは「所有」から「利用」へ |
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基幹業務システムを自社で開発・構築するのは、ハードウェアやソフトウェアの調達、システムの構築など時間的にもコスト的にも負担が大きい。このため、特に更改時期にきている企業ではSaaSの利用を検討するケースが増えている。資産を自社で持たずに、ソフトウェアをサービスとして利用するのである。
しかし、基幹業務システムはミッションクリティカルであり、重要情報が流通するため、システムの安定性やセキュリティが重視される。インターネットを通じてのサービス利用には、可用性においてもセキュリティにおいても不安を感じる企業も多い。
このような不安を払拭できるものとして、NTTコミュニケーションズでは「Salesforce over VPN」を提供している。SaaS型営業支援ツールとして世界的に評価され導入実績の多いSalesforceを、VPN経由で提供するサービスである。
SaaS選定時の重要項目はセキュリティ |
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Salesforceは、営業支援や顧客管理、代理店管理、マーケティング支援などの多数の機能を、インターネット経由で提供するSaaS型サービスとして広く認知されている。セールスフォース社が最大のメリットとしているのは、各営業担当者が商談の進み具合をSalesforceに入力し、それを蓄積していくことで、管理者にとっては業務進ちょくの可視化が可能になり、さまざまな判断の材料になるという点だ。日本でもすでに郵便局や大手保険会社が採用している。
しかし、営業支援ということは、顧客情報などの重要データがやりとりされることになるため、公衆網であるインターネットでの利用をためらうケースがあるのは前述の通りだ。市場調査でも、SaaS選定時の重要項目としてトップに挙がるのが「堅牢なセキュリティの証明」である。そこで、解決策としてNTTコミュニケーションズが提供するのが、閉域網であるVPNを通して利用できるようにした「Salesforce over VPN」だ。特徴は大きく分けて3つある。
1. 閉域網を利用するためセキュリティが担保されている
セールスフォース社のデータセンターはもちろん高いセキュリティを誇っているが、そのデータセンターからユーザー企業までの伝送経路でインターネットを使うことが、多くの企業で不安視される原因だ。そこで、閉域網であるVPNでエンド・ツー・エンドをつなぐことで、セキュリティを確保したのが、本サービスだ。
2. 専用のVPN回線を利用するため品質が安定
業務アプリケーションをインターネット経由で利用することをためらうもう1つの理由が、通信品質だ。昨今動画の利用が増えるなど、インターネットのトラフィックの増大傾向が顕著で、通信品質が不安定になることがある。しかし、「Salesforce over VPN」ではインターネット通信とは完全に分離した、専用のVPN回線を確保しているため、通信品質が安定している。
図1 インターネット型とVPN型のSaaSの違い |
3. ネットワークからアプリケーションまで一元管理
外部のサービスをネットワーク経由で利用する場合、何か不具合があったときの対処が面倒だというのが、実際に情報システムを運用する部門の悩みだろう。ネットワークの回線自体に不具合があるのか、それともサービスを提供しているサーバに不具合があるのか、すぐに原因を切り分けられないからだ。そのため、ISPやアプリケーションのプロバイダーに個別に連絡、問い合わせをしなければならない。しかし「Salesforce over VPN」では、ネットワークからアプリケーションまですべてNTTコミュニケーションズが一元提供しているため、万が一不具合があった場合でもNTTコミュニケーションズがワンストップで対応する。
ユーザー企業への接続は、NTTコミュニケーションズが提供する各種VPNサービス(e-VLANやArcstar IP-VPN、Group-VPN)から選択できる。また、NTTドコモのFOMAを利用したモバイルアクセスにも対応し、外出先でもセキュアなアクセスを保証する。導入実績としては、長谷工コミュニティがIP-VPN経由のSalesforce CRMによって、新規コールセンター用システムを整備した例がある。コールセンターは迅速な対応が求められるため、確実なレスポンスが得られるシステムでなければならないが、安定した通信品質で提供される「Salesforce over VPN」だからこそ選ばれたのだ。
営業支援以外の利用法が増える傾向 |
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「Salesforce over VPN」がサービスインしたのは2008年の7月だが、2009年に入ったころから、営業支援以外でも利用できないかという問い合わせが増えてきた。これに対応するセールスフォース社のサービスとしては「Force.com」というものがある。「Force.com」は、「Salesforce over VPN」のメインサービスである「Salesforce CRM」を提供するために開発されたが、この基盤部分をVPNを通したセキュアなサービスとして提供している。
Salesforceが持つカスタマイズの容易性から、これまでもCRM/SFA以外のさまざまな使い方がされてきたが、あくまでCRM/SFA利用をメインとした付加価値としての活用であった。しかし、「Force.com」が提供されたことにより、CRM/SFA以外に特化した使い方も増えてきている。
「Force.com」では、自社開発のアプリケーションを載せることもできるため、営業支援以外のさまざまな分野で利用されている。一から開発するのではなく、既存の高度なWebアプリケーションを自社独自の業務プロセスに合わせカスタマイズするため、短期間・低コストで新規のアプリケーションを稼働させることができ、今後はこのサービスの利用が注目される。
図2 営業支援以外のさまざまな分野での利用が注目される |
具体的な例として、山梨県甲府市役所での導入事例を紹介しよう。
定額給付金はご存じの通り、景気浮揚のために、政府が急きょ導入を決めた政策であり、その実務はそれぞれの地方自治体に委ねられたため、各自治体では対策に追われるという事態を引き起こした。支給には住民情報や支給管理の仕組みが必要となり、一過性の事業ながら、効率的かつ確実な実施を可能とするシステムの構築が求められたのである。課題となるのは、おおむね以下の3点である。
1. 急に決まったものであり短期間でシステム構築しなければならない
2. 個人情報を扱うのでセキュリティに配慮しなければならない
3. 限りのある予算で実施する必要がある
住民数が少ない自治体であれば、手作業でやってやれないことはないだろうが、甲府市は人口約20万人という山梨県を代表する都市である。甲府市企画部情報政策課が調査したところ、時間・コスト・品質などの面でさまざまなトレードオフが生じ、既存システムをベースに検討する限り課題が残ることが判明した。そこで、短期間で導入できるSaaS型のシステムが検討されることになった。
次に重要なのは、やはりセキュリティである。住民情報という重要な個人情報を扱うため、外部サービスを使うには堅固なセキュリティがどうしても必要だ。そこで採用されたのが、VPNでサービスが提供される「Salesforce over VPN」の基盤部分だけを提供する「Force.com」だった。「Force.com」の上に、支給のステータス管理などを行うアプリケーションを載せて、定額給付金支給管理システムを構築したのである。
NTTコミュニケーションズ チャネル営業本部 営業企画部営業推進部門担当課長の太田剛氏 |
地方自治体向けの定額給付金支給事務専用としてカスタマイズした、甲府市役所のシステムでは、生年月日や連絡先などの世帯情報や給付の状況、給付金額、給付に関する問い合わせなどを世帯ごとに管理できる仕組みになっている。支給事務の進ちょく状況がタイムリーに把握できるため、未処理や未申請の件数なども的確に把握でき、支給業務全般をスムーズに実施できたという。
定額給付金支給のケースは、急きょ決まって早急に、しかもセキュアにという、いわば切羽詰まった状況だが、一般企業でも、短期間でセキュアなシステムを構築したいというニーズは高まっており、「『Force.com』によって営業支援以外で利用するという導入が増えてきています」と、NTTコミュニケーションズ チャネル営業本部 営業企画部営業推進部門担当課長の太田剛氏はいう。
Salesforce over VPNを体験する無料キャンペーン実施中 |
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NTTコミュニケーションズでは、Salesforce over VPNの使い勝手や有用性を実際に体験してもらうためのキャンペーンとして、CRMの他に2つのアプリケーションを60日間無料で利用できる「Salesforce over VPN 60日間無料トライアルキャンペーン」を実施中だ。試用できるのは、以下の3つのアプリケーションである。
1. Salesforce CRM
2. 社員安否確認システム
3. 物品管理システム
2. は感染症(パンデミック)や災害時などの安否確認を想定したもので、社員などのアドレス管理、安否確認指示、回答状況の確認と分析といったことができる。また、3. はバーコードを利用し、社内備品などの貸し出し状況などを管理するもので、物品の追加/削除の履歴管理や承認のワークフローなどが提供される。
キャンペーン期間は2009年12月31日までとなっているので、興味のある方はこの機会に試してみてはどうだろうか。
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提供:NTTコミュニケーションズ株式会社
アイティメディア営業企画
制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2009年9月30日
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