NTTPCコミュニケーションズ 「WebARENA CLOUD9」
世界基準の技術を日本市場に
最適化したクラウドサービスとは
2011/02/22
新しいITインフラの在り方として日本でも定着が進むクラウド。多様化する市場において、日本を考え抜いたクラウドがNTTPCコミュニケーションズの「WebARENA CLOUD9」である。
世界基準の技術を基盤にクラウドサービスを開発
IT業界において2010年のトレンドワードとなった「クラウド」。サーバーの仮想化をはじめとするリソースの効率化といった技術的側面だけでなく、迅速で無駄のない資材調達といったビジネス的側面からも、企業ITのトレンドとして注目された。2011年の今年も、この流れはさらに加速し、ユーザーのクラウド利用はさらに増えていくと見られている。それに合わせてクラウドサービスを提供する側も、単なる価格競争からユーザーの用途や目的に合わせて独自性を競う段階へと移りつつある。NTTPCコミュニケーションズ(以下、NTTPC)のクラウドサービス「WebARENA CLOUD9(ウェブアリーナ クラウドナイン)」(以下、CLOUD9)もその1つだ。
CLOUD9は、IaaS型のパブリッククラウドサービスである。NTTPCでは、これまでホスティングサービス「WebARENA」で共用サービスやVPSサービスを提供してきたが、昨今の運用労力の軽減やコスト管理とユーザーのニーズに応えるべくCLOUD9がクラウドサービスとして新たに加わった。
CLOUD9の特長は、まずその開発体制にある。NTTのグループ企業である米国Verio社と共同開発を行い、クラウドプラットフォームにその技術が生かされている。グローバルにホスティングサービスを提供しているVerio社は、仮想化技術にいち早く取り組んできた実績があり、プラットフォーム開発や運用ノウハウは世界的にもトップレベル。一方のNTTPCも、1997年からWebARENAシリーズによって国内ハウジング・ホスティングサービス市場のニーズに応えてきた老舗企業である。この両社が持つ技術とノウハウを結集させたのがCLOUD9である。
具体的には、プラットフォーム開発と運用はVerio社が、仮想OSやコントロールパネル、ユーザーサポートはNTTPCが中心となっている。また、国内のデータセンターを利用しており、ネットワークアクセスの遅延は最小限に抑えられている。
日本市場を熟知したNTTPCのノウハウを投入
Verio社との共同開発について、NTTPCのデータセンタ事業部 技術開発部 サーバープラットフォーム担当主査の萩原正浩氏は、「これまでのWebARENAシリーズは自前で開発してきました。しかし、今後グローバルな市場での競争を見据えたときに、新しいチャレンジが必要だと考えました。特にクラウド市場は、海外勢の存在感が大きい。グループ企業であるVerio社との協業によるシナジーによって、競争力のあるより先進的で質の高いサービスを実現することが目的です」と説明する。
しかし、日本市場に適したサービスにするまでには、少なからず苦労もあった。同社データセンタ事業部 技術開発部 サーバープラットフォーム担当の寺田亜紀氏は、CLOUD9の開発において、米国市場と日本市場のニーズの違いを強く感じたという。
「日本のユーザーに向けて提供するものとして私たちが必要だと考えるものと、Verio社が米国のユーザーに向けて提供しているものには差がありました。例えば、セキュリティやトラブル発生時の対応などについてです。やはり日本のユーザーにはきめ細かさが求められます。ユーザーが設定を誤って仮想サーバにアクセスできなくなった時のことも考えて、設定を初期化する機能を追加するなどの改善を行いました。また、私たちはセキュリティについても非常に重要視していますので、初期状態をいかにセキュアなものにするかという点にもこだわりました。さらに、ユーザーが直接操作するコントロールパネルもNTTPCが独自開発したものです。これまで培ってきたノウハウが盛り込まれています」(寺田氏)
このコントロールパネルから簡単に設定ができるのも、CLOUD9の特長だ。
コントロールパネルのポートマップ設定。初期状態では全ポートが非公開になっているので、まずはSSHを設定する |
コントロールパネルのSSH起動設定。セキュリティを考慮してSSHサービス(sshd)も初期状態では停止されている |
クラウドならではの高い柔軟性と可用性
CLOUD9のスペックは、ディスク容量50GB/メモリ1GB(CPU 1コア共有)が基本で、これにオプションで各リソースを追加していく。クラウドサービスとしては当然スケーリングが目玉だが、上限はディスク容量1000GB/メモリ16GB(CPU 4コア共用)までスケールアップができる。スケールアップはオンデマンドとなっており、ユーザーがいつでも自由に変更できる。設定は契約内容変更画面からリソース変更を行うだけなので、とても簡単だ。
オンデマンドスケールアップは契約内容変更サービスを使って行う。項目を選択するだけなので簡単だ |
料金は、初期料金が5250円(税込)、月額基本料金が4800円(税込、クレジットカード支払の場合)から。月途中からの利用でも日割りで計算されるため無駄がない(オプションサービスも月途中であれば日割り計算)。また、クレジットカードでの契約なら、申し込みから最短3分で開通する。利用開始時点でCentOS5がインストール済みなので、すぐに実作業に入ることができる。お金も時間も無駄にしないサービスなのだ。
機能面での特長はフェイルオーバー機能とマイグレーション機能。どちらも仮想化技術ならではの可用性を高めるものだ。また、セキュリティを考慮したポートマップ設定機能にも注目したい。これは、仮想OSでのサービス(HTTPやSSHなど)状態とは別に、外部(インターネット)との通信を開通/遮断できる機能で、高い安全性を確保している。必須とされるSSHの22番ポートも、初期段階ではふさがっている。使い始める際にひと手間かかるが、安全性が最優先。これは、WebARENAがこだわった「よりセキュアなものが求められる日本市場のニーズに応える」ことの1つだ。
フェイルオーバー機能
物理サーバーに障害が発生した場合には、各仮想サーバーが代替サーバーへ自動的に移行して復旧するため、従来のサーバー障害と比較してダウンタイムが大幅に減る。
マイグレーション機能
リソースの利用状況に応じて、仮想サーバーが空きリソースのあるサーバーへ自動移行することで負荷分散を実施し、他の仮想サーバーの影響が最小限に食い止められる。メンテナンス時も、同様に他のサーバーへの移行によって停止期間を最小限にできる。
ポートマップ設定機能
仮想サーバーをプライベートネットワーク空間に置き、インターネットとの通信をポートマップ設定により制御することで、必要なサービスポートだけを公開できる。ユーザーがはっきり認識しているポートの通信のみ行われるため、高いセキュリティを確保できる。
データ転送量に対するコストの心配なし
パブリッククラウドサービスの大きな需要の1つがWebサービス。最近ではケータイ向けのソーシャルゲームなどが話題だが、不特定多数でかつ膨大なユーザーが利用するWebサービスでは、サーバー負荷の予測は非常に難しい。しかしだからと言って、高負荷時を想定してサーバーインフラを用意しておくのではコストがかかり過ぎる。このような課題を解決できるのが、「必要な時に必要なだけサーバーリソースを増強/削減できる」クラウドサービスである。
CLOUD9でも、オンデマンドスケールアップによって対応できるようになっている。
「WebARENAはこれまで、正月のテレビ番組と連動したWebサイトの企画や世界的なスポーツイベントのキャンペーンサイトで利用された実績があります。また、回線スピード計測サイトや画像変換サービスサイト、大手ポータルサイトや話題のキャンペーンサイトなどで利用されることも多いです。いずれも大量のデータを頻繁に送受信する傾向のサイトです。こうしたサイトに使っていただきやすいよう、CLOUD9ではスケールアップ機能に加えて、データ転送料を無料に設定しています」(株式会社NTTPCコミュニケーションズ データセンタ事業部 サービス開発部 ホスティングサービス担当 主査 安松香世氏)。
左より、NTTPCコミュニケーションズの萩原氏、寺田氏、安松氏 |
他社のクラウドサービスでは、データ転送量による従量課金制となっているものも少なくない。この場合、サーバー負荷と同じようにどのくらい利用されるのか予測しづらいし、コストにも跳ね返ってくる。Webサイトは多くのアクセスを集めて成功だったとしても、思わぬコストで赤字ということもある。CLOUD9ではこの心配をせずに済む。回線に強みを持つNTTグループのアドバンテージというわけだ。これは回線の速さについても同様で、IPバックボーンとのアップリンク速度は1Gbpsとなっている。
ロードマップに沿って進化するクラウドサービス
CLOUD9では1年先までの機能追加を開発計画として公開している。この手のサービスではあまりないことだが、同社がこの分野に長期的に注力していくという意志の現れであり、ユーザーの期待に応えるという意気込みでもある。
まず2011年春以降に、オートスケールアップ、バックアップ/リストアに対応し、一方で時間単位の従量課金と最大料金設定に対応する。また、2011年秋以降は、サーバー追加機能、負荷分散、オートスケールアウトなどにも対応する予定だ。
CLOUD9では、1年先までの開発計画が公開されている |
無料で試せるキャンペーンを見逃すな!
クラウドサービスというと、信頼性やセキュリティに漠然とした不安を覚える人が多い。しかしCLOUD9は、NTTの持つインフラとセキュリティの管理技術を踏まえて設計されたサービスであり、この点でも安心だ。
幸い、FAXで申込書を送るだけで、CLOUD9の基本スペックをそのままに、10日間無料で使える「お試しサービス」を実施している。また、他社サービスから乗り換えの場合は、2011年4月28日まで初期費用無料、月額利用料金は最大3カ月まで無料の「サーバーお乗り換えキャンペーン」もある。定評のあるNTTグループの高信頼・高性能環境を、使いたいときに使いたいだけ利用できるサービスCLOUD9。一度、試してみる価値はありそうだ。
CLOUD9のサービスサイト。Webからサービスを申し込める |
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提供:株式会社NTTPCコミュニケーションズ
アイティメディア営業企画/制作:@IT 編集部
掲載内容有効期限:2011年3月21日