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@IT > Oracle Business Intelligenceの全貌(2) |
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ビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence、以下、BI)を実現するために何らかの製品を選択する場合、競合となるものをいくつかピックアップして、機能を比較検討することはよく行われる。そこで選ばれるのは、機能が導入の目的に最もかなったものや漠然と市場で人気のあるものだったりするが、意外にも全体最適や維持/運用管理負荷といった問題は考慮されていない。そのため、導入した後に「こんなはずではなかった」という事態に陥ることも多い。
運用がスムーズにいくかどうかは、一般的に認識されているよりもはるかに重要な問題だ。特にミドルウェアの分断化による弊害は大きい。一説によると、年間のIT予算の8割はシステムの維持/運用管理に持っていかれてしまうという。 例えば、個別最適で選択したソフトウェアが乱立するあまり、管理が複雑化して管理者の負担が増大したり、それぞれに管理者を立てなければならなくなったりする。万一、何かトラブルが発生した場合も、自分たちで問題の切り分けをしなければならず、結局それぞれのソフトウェア・ベンダのサポートセンターをたらい回しにされ、いたずらに時間を浪費することになるのだ。 また、それぞれには良い機能を持っていたとしても、相互に親和性が低いためにその機能を最大限に享受できない危険性もある。 さらに、ソフトウェアごとに操作性が大きく異なるために、エンドユーザーの教育コストも膨れ上がってしまう。全社BI基盤の構築を考えた場合、対象となるエンドユーザーは全社員になる。この点は特に留意が必要だ。 こうして見てくると、BIで必要とされるソフトウェアは、全体を考え抜いて設計されたスイート製品を選択するのが最適だ。高い親和性、その時点での最新機能の享受、極めてシンプルな統合管理。「Oracle Business Intelligence 10g」ならそれができる(Oracle Business Intelligence 10gの製品構成は第1回記事を参照)。
スイート製品であるOracle Business Intelligence 10gならではの代表的なメリットを挙げよう。 マテリアライズド・ビュー まず注目したいのはマテリアライズド・ビューだ。これは、ベースとなるテーブルから集計したデータを物理的に別テーブルとして格納したものだ。マテリアライズド・ビューを使ってサマリー表を作成した場合、ユーザーからマスター表への問い合わせがあったときに、クエリ・リライトという機能で、その問い合わせをOracleが透過的にマテリアライズド・ビューへと書き換える。ユーザーからマスター表とサマリー表のどちらにアクセスするのかを意識する必要がないため、用意するアプリケーションは1つで済む。このマテリアライズド・ビューにはサマリー・アドバイザーという機能があり、過去の実績から利用価値の高いマテリアライズド・ビューの推奨や、分析要件が変わってアクセスされなくなったマテリアライズド・ビューの削除を行うことが可能だ。 パーティショニング機能 全社BI基盤として利用するデータウェアハウスはデータの成長も速いが、ここで有効になってくるのがパーティショニング機能だ。これは大規模なデータをさまざまな形で分割して配置することで、検索処理の高速化と管理の効率化を図るものである。データのパーティショニングを行うことによって、ユーティリティを実行したり、表領域を削除するなどといったデータの管理作業がパーティション単位で実行可能になるため、管理負荷が労力、時間ともに軽減される。日本オラクルは、約700Mbytes容量の商品一覧データを使って、 古いデータの削除 → 新しいデータのロード → ANALYZE という定期バッチメンテナンスをパーティショニングされた表と通常の表で比較した。その結果、前者が全体で13分32秒だったのに対して、後者は全体で1時間56分40秒かかった。その差、1時間43分8秒。短い映画なら1本観られるだけの時間だ。 統合管理ツール「Oracle Enterprise Manager 10g」 そして管理労力削減に最も貢献するのは、「Oracle Enterprise Manager 10g」というWebベースの統合管理ツールの存在だ。Oracle環境全体の包括的管理が可能で、スキーマ管理、ユーザー管理などといった一般的なデータベース管理に加えて、自動ストレージ管理やOracle RAC(Oracle Real Application Clusters)管理、アラートの通知、自動パッチ管理などが行える。多くのコンポーネントから構成されるBIシステム全般のライフサイクル管理には、このような統合管理ツールは非常に有効だ。 例えば、SQLのパフォーマンス・チューニングではOracle Enterprise Manager 10gが提供する「SQLアドバイザ」機能によって、オブジェクトの統計値収集、新しい索引の作成、SQL文の構造変更、SQLプロファイルの作成などに対して適切なアドバイスを提示してくれる(図1参照)。また、前述のマテリアライズド・ビューの作成に当たっても、同様に「SQLアクセス・アドバイザ」機能でワークロード全体を総合的に分析し、新しいマテリアライズド・ビューの作成に関するアドバイスも提供される(図2参照)。
日々成長を続けるデータウェアハウスでは、ある時点で作成したスキーマ(索引、表、ビュー、シノニム、順序、データベース・リンクなど)は常に最適であるとは限らない。データ量の増大や分析内容の変化に伴い発生するスキーマの定期的な見直し作業は、運用管理者の負担を増大させる。ここでもOracle Enterprise Manager 10gが提供するスキーマ管理ツールを利用することで、管理者の負荷を大幅に軽減できる。
今日では、個人情報保護法の完全施行に伴ってデータを適切に取り扱うことが求められているが、Oracle Business Intelligence 10gならそうした情報セキュリティ対策も容易に行える。これにはアクセス履歴を取得する「標準監査」と、アクセス制御を行う「Virtual Private Database」という方法がある。 標準監査 標準監査では、いつ、どのOS/DBユーザーがどのOSホストから、どんな処理を行って、その処理が成功したかどうかといった情報が取得できる。Oracle Database 10gからは実行されたSQL文や処理実行時のOracle DatabaseのSCN(System Change Number)も取得できるようになった。万一の場合も、詳細レベルでアクセス履歴をトレースできる。 Virtual Private Database 一方、Virtual Private Databaseでは、データベースそのものではなくビューを使ってユーザーのアクセスを制御することが可能だ。ユーザーごとにビューを作るのが煩雑であれば、行レベルアクセス制御も可能だ。アプリケーション・コンテキストという機能により、同一ユーザーでもセッションごとに異なるアクセス権を設定したり、SYSTEMユーザーや表の持ち主といったスーパーユーザーのアクセスも制御できる。Oracle Database 10gから搭載されたポリシー関数を利用すれば、許可した列の許可した行だけにアクセスさせるといったこともできる。これを「ファイングレイン・アクセスコントロール」という。 どうだろう。維持/運用管理のコストや労力を低減しながら、セキュリティ機能などテクノロジーの進化がリアルタイムに享受できる全社BI基盤。Oracle Business Intelligenceならそれができる。 ◇ 本記事企画の次回となる第3回では一新されたフロントエンド、BAM、EIPといった側面からOracle Business Intelligence 10gを紹介していく。また、日本オラクルでは『基礎講座
Oracle Business Intelligence 10g の統合力』と題したセミナーを4回シリーズで開催しているので、興味を持たれた方は下記の詳細ページで内容を確認していただきたい。
提供:日本オラクル株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2005年7月10日 |
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