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@IT > Oracle Business Intelligenceの全貌(3) |
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人が動けばデータが生まれる。いまやそういう時代になった。仕入れ先との取引の実績情報も、自社サイトへのアクセスの推移も、すでにシステムの中にある。 かつてそれを分析するのは専門の担当者だった。しかも、分析が行われるのはデータがすっかり過去のものになってからだった。“歴史”を語るならそれでもいいが、今日や明日の活動に生かすつもりなら何にもならない。蓄積されたデータをビジネスで役立てる真の「力」に変えるためには、全社員がリアルタイムに活用できるビジネス・インテリジェンス(Business Intelligence:BI)基盤を確立しなければならない。
それだからこそ、データを蓄積するデータベースそのものがパワフルで高速でなければならないし、分析を行うための環境も思考の深さとスピードに応えられるだけのスマートさを持ち合わせていなければならない。 「Oracle Business Intelligence 10g」ソリューションは、Oracle Database 10gを中核としているだけに、その点は全幅の信頼を置くことができる(Oracle Business Intelligence 10gの製品構成は第1回記事を参照)。 例えば、Oracleデータベースはデータ検索のパフォーマンスを高速化する索引機能を数多く有している。その代表的な例として「ビットマップ・ジョイン・インデックス」というものがある。これは明細データの表を結合によって2進数のビットマップで索引化するもの。索引自体に結合情報を保持しており、データの問い合わせ時の結合処理を省略できるため、作業を行う必要領域が少なくて済み、結果として処理速度が非常に高速になる。 前回の記事「見逃すな! 全社BIに立ちはだかる“コスト”“労力”“セキュリティ”」では、維持/運用管理の手間やコストを軽減する機能として、各種パーティショニング機能やマテリアライズド・ビューを紹介したが、これらの機能も本来は大規模データベースの検索処理を効率化、高速化するために開発されたもので、まさにデータウェアハウス向けといえる。 ビジネスの「今」がどうなっているかを知るためには、分析するデータが最新である必要があるが、オラクル純正のETLツールである「Oracle Warehouse Builder」がそれを可能にする。OracleデータベースやERPアプリケーション、フラットファイルなどのソースデータからセントラルデータウェアハウスへの高速なデータ転送はもちろん、部門のニーズに合わせて構築するデータマート環境へも迅速に必要データをロードする。きめこまやかな転送設定機能を駆使することにより、その日に生成されたデータを収集することも可能だ。もう新しいデータを扱うために、夜間バッチ処理を待つこともない。これはリアルタイム・データウェアハウスなのだ。
そしてもう1つ、Oracle Business Intelligence 10gソリューションを採用する大きな利点は、フロンドエンドのデータ分析ツールである「OracleBI Discoverer」が大幅に機能アップしたことだ。 新しいOracleBI Discovererを構成するコンポーネントは4つある。管理者のための管理ツールである「Discoverer Administrator」、パワーユーザーのための分析ツールである「Discoverer Plus(Web版)」、「Discoverer Desktop(C/S版)」、一般ユーザーのための分析結果参照ツールである「Discoverer Viewer」だ。 今回、このOLAPツールは、「データを簡単に集計/分析/公開できる」「エンドユーザーも簡単に利用できる」「大量のデータでも快速に操作ができる」「小さく始められて機能拡張ができる」の4点を基本コンセプトにまさに一新されている。 特に分析ツールに関しては、ウィザードに従って帳票を設定でき、SQL文を意識することなくデータ検索を行えるGUIなどを始めとして、ユーザー自身による帳票設計・設定・分析が行いやすくなっている。 Discoverer Plusの画面を見てみよう(図1)。画面左側にご注目いただきたい。表示可能な分析アイテムの一覧が並んでおり、その中からユーザーが分析軸を自由に設定でき、画面右側に表示されているような表やグラフ入りの帳票を自由に作成できるようになっている。表示項目の追加・削除も、対象項目をドラッグ&ドロップするだけでいい。
スライス&ダイス分析、ドリルダウン&ドリルアップ分析は、表やグラフの上で直接可能だから、ユーザーは思考を中断することなく、どんどん詳細分析が行える。 OracleBI Discovererは、話題のビジネス・アクティビティ・モニタリング(BAM)の実現にも貢献する(図2)。任意に設定したKPI(Key Performance Indicator)をモニタリングしたり、新たな視点で現状を把握するための相関分析を行ったりといったことが、専用アプリケーションを用いることなく実行に移すことができる。多彩なアラート機能を利用すれば、問題の早期発見、早期解決といったことにも取り組める。可視化された具体的なデータを基に精度の高い意思決定を行えるのが、BAMの最大のメリットである。
前回の記事では、「標準監査」「Virtual Private Database」といったデータベース側のセキュリティを紹介したが、Oracle Business Intelligence 10gを導入するメリットには、OracleBI Discovererを配備する「Oracle Application Server 10g」のセキュリティ&ID管理も忘れてはならない。 J2EEアプリケーション・サーバであるOracle Application Server 10gは、ネットワーク全体のセキュリティ・ライフサイクルを管理できるため、全社BIにおけるエンドユーザーのID管理のコストを大幅に削減する。各ユーザーのアクセス制限などは一元的に管理しつつ、「Oracle Application Server Single Sign-On」によりエンドユーザーの利便性を高めるシングル・サインオンを実現している。また、PKIベースの認証方法やSSL認証に基づいた公開鍵暗号方式など、Webベースのアプリケーションで必要とされる最新のセキュリティ基盤はOracle Application Server 10gによって提供されている。BIを全社展開する際にも、セキュリティ対策は万全といえるだろう。 ◇ どんなに詳細なデータの蓄積に努めたところで、「みんなが」「日常的に」利用するのでなければ、しょせん宝の持ち腐れ。「力」はすでに会社の中にひそんでいる。ぜひとも正しい基盤を選択して、いますぐ全社BIを始めよう。
提供:日本オラクル株式会社
企画:アイティメディア 営業局 制作:@IT 編集部 掲載内容有効期限:2005年7月10日 |
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